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2019-04-25

【オランダ】あの有名絵画をサクッと見られる!「マウリッツハイス美術館」の見どころ

ゴッホやフェルメールなど数多くの有名画家を輩出したオランダ。そんなオランダには美術館も多く、国内だけでなく世界中からたくさんの名画が集まっています。

「マウリッツハイス美術館」も名画が集まっている美術館のひとつで、美術に疎い人でも一度は目にしたことがあるであろう作品が展示されていました! そのマウリッツハイス美術館に行ってきたので、ご紹介します。




数々の名画を展示している「マウリッツハイス美術館」

「マウリッツハイス美術館」は、オランダの首都・アムステルダムから電車でおよそ1時間、オランダ第3の都市「デン・ハーグ」にあります。

世界にわずか35点しかないと言われているフェルメールの希少な現存作品を3点も所蔵する、オランダを訪れたらぜひ足を運んでおきたい美術館です。

フェルメール作品以外にも素晴らしい作品が集まっていますが、巨大な美術館ではないので、全ての作品をじっくり見ても2時間ほどで回ることができます。




絵画だけでなく、内装もとても美しい!

17世紀中期に建てられたマウリッツハイス美術館はもともと、オランダ領ブラジルの総督を務めた侯爵ヨハン・マウリッツの邸宅だったんです。豪華絢爛でとても美しいのも納得!

特に美しいのは5番目の部屋で、この部屋は本当に宮殿のようです!この部屋に作品はありませんが、部屋全体がひとつの作品みたいです。




ファーストフロアで目を奪われた5つの作品

『楽園のアダムとイヴ』 / ヤン・ブリューゲル(父)& ピーテル・パウル・ルーベンス

イヴがヘビにそそのかされ、禁断の果実であるリンゴを取っているシーンが描かれています。“傑作”と称されるこの作品の見どころは、細部まで精密に描かれた大小様々な動物の躍動感と鮮明な色使い!
よーく見るとアダムの左下に座っているサルもリンゴを食べている!?

『カンパスペを描くアペレス』 / ヴィレム・ファン・ハーヒト

古代ギリシアの画家アペレスがアレクサンドロス3世の情婦・カンパスぺを描いているシーンの作品。アペレスのアトリエに飾られている絵画はルーベンスが17世紀に描いた『アマゾンの戦い』などにもかかわらず、登場人物は紀元前の古代人という時代の交錯感が面白い!奥行きの描き方も素晴らしいです。

『聖母被昇天』 / ピーテル・パウル・ルーベンス

マウリッツハイス美術館の数少ない宗教画のひとつ。『フランダースの犬』の舞台にもなった「アントワープ聖母大聖堂」の巨大な祭壇画を描く前段階として描かれたのがこの作品です。降り注ぐ光に照らされた聖母マリアと天使たちがとても神々しい!

『ろうそくを持つ老婆と少年』 / ピーテル・パウル・ルーベンス

他のルーベンス作品とは少し様相が異なるこの作品は、明暗法を重視したイタリア人画家・カラヴァッジョのスタイルを取り入れた作品。ルーベンスはこの絵を気に入り、売却せずに所有し続けたんだとか!

『カップのある静物』 / ピーテル・クラース

写真のように精密に描かれた静物画。飲みかけの水、剥きかけのレモン、食べかけのパンとナッツ。全てが中途半端な状態で終わっているのはなぜか、答えはないですがクラースの気持ちになって考えてみるのも楽しいですよ。




階段を上がるとびっくり!

階段を上がると、いきなりたくさんの絵画に囲まれた部屋でびっくり! このように展示の仕方が工夫されているのもマウリッツハイス美術館の特徴です。




上階にも必見の作品多数!

『シャボンを吹く少年』 / カスパル・ネッチェル

手のひらサイズの小さな作品ですが、目に止まったのがこちら。
可愛い女の子の絵画だなーと思って、タイトルを見ると『A Boy Blowings Bubbles』、なんと男の子!柔らかなタッチで描かれた可愛らしい作品です。

『サウルとダビデ』 / レンブラント・ファン・レイン

この絵画は、かつて“レンブラントのものではない”という烙印を押され、表舞台から消えた作品(調査の結果、今ではレンブラントの作品として認められています)。最も有名なレンブラント作品のひとつで、らしさが存分に出ている陰影表現に注目です!

私がマウリッツハイス美術館を訪れた際には「Rembrandt and the Mauritshuis」という企画展が開催されていました(2019年1月31日〜9月15日)。期間中はレンブラントに関する18の貴重なコレクション全てが展示されています!




最後の部屋にはフェルメールの作品が3点!

『真珠の耳飾りの少女』 / ヨハネス・フェルメール

「オランダのモナ・リザ」と称され、シンプルながらも見る者の目を釘付けにする超有名作品。
顔の造形美と真珠に目が行きがちですが、「フェルメール・ブルー」と呼ばれる鮮やかな青色のターバンにも注目です!青色のターバン部分は、当時金よりも貴重だったという瑠璃色の鉱石「ラピスラズリ」を砕いて作った絵の具で描かれているんです。

『デルフトの眺望』 / ヨハネス・フェルメール

フェルメールが生まれ、そして没したデルフトの地を描いた作品。部屋と人を主題にした作品がほとんどのフェルメール作品の中で、たった2点しかない貴重な風景画の1つです。左下に描かれている黄色い服の女性、よーく見るとフェルメールの有名作品のひとつ『牛乳を注ぐ女』にそっくり!

『ディアナとニンフたち』 / ヨハネス・フェルメール

女神ディアナと彼女のニンフが描かれた作品。マウリッツハイス美術館が所蔵しているフェルメール作品3点のうち、もっともフェルメールらしい光と影の使い方が見られる作品です。





美術が好きなら訪れてほしい!

以上、マウリッツハイス美術館をご紹介しました。
マウリッツハイス美術館は、巨大な美術館のように見たい作品の場所を事前に調べておくという面倒なことをしなくても、全ての作品を1〜2時間ほどでサクッと見て回ることができます。がっつり美術を楽しみたい人、時間があるからちょっと立ち寄ってみようという人、どちらにもオススメの美術館です!





このしおりのライター

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