こんにちは、yuuです(ˊ˘ˋ*)♡
本日は、“海の神域”として広く知られる厳島神社とは別の顔、山に抱かれたもう一つの聖地のお話をします。
標高535メートル、弥山(みせん)の山頂近くに佇む御山神社(みやまじんじゃ)。メインルートから少し外れたその場所は、澄んだ空気と清らかな風が流れ、ふと心が呼ばれた人が辿り着く不思議な場所。

弥山登山
山を登る旅は、観光とはまた別の「宮島の内側へ向かう特別な時間」のような気がします。
弥山登山の公認ルートは
・石段の多い『大聖院コース』
・一番初心者向きの『紅葉谷コース』
・弥山原始林を歩く『大元コース』

この日、私は紅葉谷コースから弥山に登りました!
本職はバリバリのデスクワーク。
体力には全く自信がありませんが、ゼーハーしながらも歩を進めるうち、耳に届く山の静けさに気付きます。
鳥のさえずり、風に揺れる葉のささやき、川の流れる水音、踏みしめる土の香り。
弥山の山道は、すごく歩きやすく整備されているわけではありません。
そのためどこか“導かれている”ような感覚になるようです。

霊火堂
弥山本堂、霊火堂で小休憩。
不消霊火堂は、かつて弘法大師空海が100日間かけて修行をしたお堂です。
その際に焚いた護摩火が、空海没後も護られ、霊火「消えずの火」として現代まで約1200年もの間燃え続けているのだそう。

霊火堂内の大釜には消えずの火で沸かしたお湯があり、その霊水を飲むと万病に効き、幸福招来の効果があると伝えられています。
私もしっかりといただきました。

ここで山頂へは向かわず、霊火堂をさらに奥へ。
山頂へのルートを逸れると、観光客の姿は一気に減ります。
ここからは、御山神社へ向かう小さな分岐へ。
足を止めて深呼吸したくなるほど、空気が変わる瞬間がありました。
さらに石鳥居が見えた瞬間、まるで山そのものに迎えられたかのように、すっと呼吸が軽くなった…?
御山神社
御山神社には、三柱の女神さまが祀られています。
市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
湍津姫命(たぎつひめのみこと)
田心姫命(たごりひめのみこと)
この三女神は厳島神社の御祭神でもあり、御山神社は“奥宮”として古くから信仰を集めてきました。
江戸時代以前は三鬼神を祀る三鬼堂であり、地元では今も親しみを込めて「さんきさん」と呼ばれています。

ここは願う場所ではなく、感謝がこみ上げる場所、という方がしっくりくる。
広島県出身の有名お笑い芸人さんも、ここで子供ができたかも、と感じた不思議体験をテレビ番組でお話されていました。
私も、何か「お願いごと」をするよりも「ここまで来させていただき、ありがとうございました」と、自然に頭が下がりました。
岩に腰掛け、深呼吸すると、髪を撫でる風、澄んだ香りと社殿の静けさが体の奥深くまで染み込み、岩のひんやりとした温度が、火照った体と心を静かにします。

山頂から下山
御山神社から霊火堂に戻り、山頂へ向けてさらに登ると、弥山山頂の開けた展望デッキに辿り着きます。
山々と瀬戸内海を見渡せるその景色は、どこまでも穏やかで壮大過ぎる…!!

山頂まで来た清々しい気持ちと、絶景を臨む中、登山前に商店街の〚紅葉堂〛で購入したもみじまんじゅうをいただきました。
(本当は山頂の売店で珈琲も買いたかったのですが、間に合わなかった…!)

下山の道は、口数も減り、ただ歩くことに集中しました。
日暮れが近かったこともありますが、満たされた沈黙はなんだか素敵な物語を読んだ後のよう。
宿でゆったり過ごす時間の中でも、御山神社の風や、山頂の気持ち良さを思い出し、素敵な旅をした余韻に浸りました。

弥山登山、御山神社へ行かれる方へ(実用情報)
【アクセス】
1.ロープウェー:獅子岩駅から徒歩約30分
2.登山(紅葉谷コース):本堂まで約1時間半→御山神社まで20分→山頂40分
【持ち物、服装】
スニーカーなどの歩きやすい靴(ヒールやビーチサンダルの方をお見掛けましたがオススメしません!)
飲料水は必須
春、秋は薄手の上着があると良い(朝晩はとても涼しいです)
【おすすめ時間帯】
朝 …朝霧に包まれ、神秘的
午後…光が差し込み、社殿が輝く
まとめ
弥山登山をしたことはあるけれど、御山神社には行っていないという方も多いよう。
日々の喧騒に疲れたり、導かれたご縁を感じたら、宮島の海を渡り、山へ足を向けてみてください。

願いを語らなくても、ただそこに立つだけで、少しだけ心が整う。
御山神社は、そんな静かな祈りの場所です。
