こんにちは、yuuです(ˊ˘ˋ*)♡
本日は、令和元年6年1月から70年に一度の大規模修繕をしている、宮島のシンボル、厳島神社の大鳥居について、なぜ工事をしているのか、当初の予定よりも時間がかかった理由や、工事の過程で分かった歴史的新事実、令和の大修繕がいつ終わるのか、SNSで話題の黄金の要塞について、まとめてご紹介したいと思います!
現在の大鳥居について
厳島神社の現在の大鳥居は、平清盛の援助によって平安時代後期に建立したものを初代とすると、明治8年(1875年)に再建された9代目の木造両部鳥居。
高さは奈良の大仏さまとほぼ同じ、16メートル、重さはなんと60トン!木造では日本一の大きさを誇る大鳥居です。
人にお話して何度か驚かれたことがあるのですが、大鳥居の足は海底に埋まっておらず、この自重だけで自立しているの、ご存知でしたか?
大鳥居の柱下には、千本杭といわれる大量の松杭が打たれ、コンクリートと長石を並べて強固な地面ができています。
それにしても、あの干満差の激しい海中に自立し、満潮時にはしばしば浮くこともあるというのですから、60トンを浮かせる自然の力に驚愕、その自然の力までを計算し尽くし建てられていることに感服します。
▲柱下の千本杭の様子を再現したもの(おもてなしトイレ2階の休憩スペース)
本柱は大楠木、本柱を支える4本の足(袖柱)や、袖貫、島木、笠木は宮島の杉の木と、西日本の大きく強い自然木を集め作られています。
干潮時大鳥居の足下まで行くと、その大きさに驚嘆。自然木を使用していることがよくわかり、昔はこんなに大きな木があったのかと感心しました。
大鳥居に掛かる扁額は畳約3帖分、厳島神社側から見ると「伊都岐島神社」、海側から見ると「厳島神社」と書かれています。
鳥居の上部、島木は箱状になっており、中にはお経を書いた石がいっぱいに入っているのだとか。(現在は手のひらサイズの砂利が入っているようです)
▲島木と中の砂利を再現したもの(おもてなしトイレ2階の休憩スペース)
また、笠木の両端には、日の昇る東側に太陽が、沈む西側に月が描かれています。
現在までの工事の流れ
・令和元年6月17日〜7月10日
大鳥居の足元に囲いを設置し、修繕範囲の調査開始。
・同年7月10日〜7月19日
管絃祭(厳島神社最大の神事)のため、囲いの一部を取り外す。
・同年7月20日~
大鳥居全体への囲い設置、レーダー調査や内視鏡調査など全体の破損調査を行い補強方法を検討。修繕開始。
・令和3年4月7日~
工事の様子を見て、文化財を保護する工事への理解を深めてもらうため、縦横3ミリ幅だった神社側の防護ネットを、30倍の10センチ四方のものに変更。
→印象的な朱色の塗装が取られ、素木の状態で修繕されている大鳥居が見えるようになりました。
・令和4年9月
3度目の朱塗りが終了。遠目から大鳥居のシルエットがよく見えるように!
→周囲にはロープが張られており、干潮時も足下まで近付くことはできませんでしたが、だんだんと終了に向かっているのだなと実感するようになりました。
・令和4年10月1日
ついに上部から防護ネットを解体する工事に突入し、6日には扁額が掛けられるそう。
工事の概要と、当初の予定より大幅に時間がかかった理由
海の塩、波風にさらされた経年劣化や、硬化を差し込まれたことによる錆、フナクイムシやキクイムシなどの海虫、羽蟻の食害もあり、明治8年から今回の補修準備も含め、10回程度の修復修繕を重ねてきましたが、様々な箇所へのガタがきていることもあり、今後数十年の未来のために今一度しっかりと全体を修繕しようと、今回大規模修繕をする運びとなりました。
古くからの伝統技術である、傷んでいる箇所を剥ぎ、同じように切り出した木で埋める矧木や、強い台風、地震にも耐えられるよう現代のスーパーステンレスを入れ構造補強を計る工事など、大正から令和まで、各時代の素晴らしい日本の技術を用いて、いつまでも観光客が安全に大鳥居を見ることができるよう、多くの調査をしながらの修繕がなされました。
令和3年6月30日を工事終了予定としていましたが、調査の末鳥居の塗装を剥いでみると、海虫の食害が予想を超え甚大で、矧木をする部分が広範囲だったことが時間を要した主な原因となったそうです。
修繕のための調査から分かった歴史的新事実
冒頭に現在の大鳥居について、「9代目」と記載しましたが、修繕前は「8代目」だと思われておりました。
大規模修繕をするにあたり、文献等を調べたところ、鎌倉時代に一度厳島神社社殿が焼失しており、その際に大鳥居も建て替えられていたことが判明!!
そのため、今まで8代目の大鳥居だと思われていた現在の大鳥居が9代目と改められました。
ここで、黄金の要塞とは?
宮島では日没30分後~23時まで、大鳥居が橙色の灯りに照らされライトアップされます。
この大鳥居ライトアップのための灯りが、組まれた足場を照らし、まるで黄金の要塞のようだとSNS上で話題となりました。
工事中で大鳥居がほぼ見えていないにもかかわらず、“神秘的”や“神々しい”という言葉がSNSで飛び交い、これはこれで見て見たいという嬉しい声も見掛けました。
工事前、実寸大の大鳥居が描かれたシートを被せたらどうか、プロジェクションマッピングをするのは?等、多数の案が挙がっていたそうですが、これらの声を受け、結果的には工事中のそのままに輝く姿が宮島らしく良かったのかなと思いました。
工事終了について
当初、令和3年6月30日までを予定していた大規模修繕は、ついに本年(令和4年)年末をもって終了すると、本年3月25日、厳島神社から正式な発表がありました。
色々な噂がありますが、一説によると多くの方がお正月休みに入る、26日頃には完全に終了させるのではないかといわれています。
まとめ
長かった大規模修繕がようやく終わり、10月に入ってからは日々足場が解体されています。
年末年始には、再びピカピカの濃い朱色に塗られた、立派で美しい大鳥居の姿を見ることができそうです。
私も今からとても楽しみであると同時に、ずっと見守り続けてきた工事中の大鳥居の姿、黄金に輝く要塞を見られるのもあと3ヶ月ないのかと、なんだか少し寂しい気持ちにもなりました。
一生に一度、今しか見ることのできない工事中の姿、宮大工さんの伝統×最新の技が光る、強く綺麗になった新しい大鳥居の姿、どちらも多くの方々に見ていただけたら嬉しいです。