青森県南西部と秋田県北西部にまたがる、広大な「白神山地」。
一生に一度は行ってみたい!と思っていたこの地へ、先日行ってきました!
本記事でご紹介するのは、初心者でも気軽に散策できる「十二湖散策コース」。白神山地を探検しているような気分を少しでも味わっていただけたら嬉しいです。
もののけ姫の舞台! 手つかずの自然が残る「白神山地」
手つかずの自然が残る白神山地は、スタジオジブリの名作『もののけ姫』のモデルにもなった場所! スタジオジブリ公式サイトでも、『もののけ姫』で “大いに参考にした場所” として、屋久島と白神山地が掲載されています。(参考:STUDIO GHIBLI 公式サイト「Q&A」)
人の影響をほとんど受けていない原生的なブナ林が世界最大級の規模で分布していることが評価され、1993年にはユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録されました。
白神山地の中で世界遺産に登録されているエリアは、核心地域と緩衝地域に区分され、このうち核心地域へ入るときには手続きが必要となるそうです。一般観光客が訪れるような場所のほとんどは手続き不要で入ることができますが、ペットを連れて行ったり植物を採ったりなど、貴重な生態系に悪影響を及ぼすような行動はやめましょう。
今回は「十二湖」を巡るコース!
台風が近付いていた影響で、この日は残念ながら雨。天候を考慮し、比較的気軽に行ける「十二湖」周辺のみを歩くことに。この散策コースの所要時間はおよそ1時間30分です。
十二湖は白神山地の中でも人気のスポットで、ブナ林に囲まれた33の湖沼群を指します。33あるのになぜ「十二湖」なのかというと、崩山から見下ろしたときに12の湖沼が見えるからなんだそう。
十二湖観光の拠点となるのは、写真の「森の物産館キョロロ」という施設。お土産の販売もあり、目の前には広い駐車場(有料)が完備されています。
ここから十二湖へは歩いてすぐ!
◎「鶏頭場の池」
まず目に飛び込んでくるのは「鶏頭場(けとば)の池」。水深22m、面積4万1150㎡と、十二湖の中でも比較的大きな池です。
鶏頭場の池は原生林に囲まれており、水面に映る緑が綺麗でした。天候次第では見事なリフレクションが見られるようです。雨の日の、霧に包まれた風景も幻想的!
◎「青池」
十二湖の中で特に有名なのが、森の物産館キョロロから徒歩10分ほどの場所にある「青池」 。青いインクを垂れ流したような色だと言われており、太陽の光の入り方によって色が変わるとのこと。
「雨が降ってるからそんなに青く見えないだろうなぁ」と、あまり期待せずに近付いてみたところ・・・
想像以上の青さ!!!
そして、水中の倒木がしっかり透けて見えるほどの透明度。雨にもかかわらず、池の水が濁っていないのが不思議です。なんだか吸い込まれそうな気分になる、神秘的な池でした。
◎ ブナ林で深呼吸
青池からさらに奥へ、ブナに囲まれた道を進みましょう。このコースはアップダウンが少なく、足元は普通のスニーカーで充分! ザクザクという足音、鳥のさえずり、雨粒が葉っぱに落ちる音。都会では聞くことのできない、あらゆる音に癒されます。
ときどき立ち止まって、ゆっくり深呼吸。
写真では伝わらない、白神山地の “音” や “香り” を楽しむことができました。
◎「沸壺の池」
この散策コースの見どころとして最後にご紹介するのは、十二湖の一つである「沸壺(わきつぼ)の池」。自然のアーチをくぐって少し歩くと、
緑がかった美しい青色の池が現れました。
「青池」ほどの深い青ではないものの、こちらも透明度抜群。池のほとりからは水が湧き出ており、「平成の名水百選」に選ばれています。辺りを包む静けさが、まさに『もののけ姫』の世界のようでした。
何度も訪れたくなる白神山地
今回ご紹介したのは、白神山地の中のほんの一部。
十二湖を巡るだけなら2時間もあれば楽しめますが、周辺には十二湖を見おろすことのできる絶景スポットや「日本キャニオン」もあります。さらに「暗門の滝」へも行ってみたいとなると、到底1日では足りません。また、季節や天候によっても違った楽しみがあることでしょう。“一生に一度” どころか、毎年訪れたくなるほどの魅力がありました!
なお、十二湖エリアを散策できるのは通常4月〜11月頃のみですが、スノーハイクなどの現地ガイド付きツアーに参加すれば冬期でも入ることが可能です。
白神山地へ行く際は、入山マナーや通行止め情報などを事前によく調べてから訪れることをおすすめします。