台湾の南東部に位置し、台湾では3番目に大きな面積を有する台東県。海あり山あり平野ありと自然景観が多彩で、各所に美景がちらばっています。「スポーツ環境が最も整っている」と言われている台東県内では自然を利用したアクティビティが盛んで、トレッキングからサイクリング、パラグライダーにサーフィンまで、様々な分野のスポーツが楽しめます。さらに温泉ありグルメあり、お楽しみポイントが盛り沢山!
自然を愛で、時に身体を動かし汗をかき、温泉で癒しを得る。台東ならではの自然と密着した楽しみ方、見どころをご紹介いたします。
1. 台東の玄関口
電車で行く場合は台北から台東車站(台東新駅)まで、特急太魯閣号で最速3時間半。
飛行機を利用すれば1時間です。太平洋の青い海と、台東県から約33Km沖合にある緑島を眼下に眺めながら短い飛行が楽しめます。
台東市の中心地は台東旧駅周辺です。台東車站/空港からは路線バスが走っていますが、本数が少ないのでタクシー移動がメインとなるでしょう。
2. 台東旧駅
花蓮から直線で繋がった路線で台東車站(台東新駅)が誕生し、2001年5月31日に役目を終えた台東線の終着駅。
廃駅となりましたが、周辺は台東鉄道芸術村として保存されています。
現在はバスターミナルになっており、近郊へのアクセスの発着点。宿泊施設や食事処もこの辺りに集中していますので拠点とするのはこの辺りがベターです。
3. 台東森林公園
防風林として植えられたモクマオウ(木麻黄)、そして湖からなる公園はミシュラングリーンガイドの3つ星を獲得しています。面積は280ha、東京ドーム約60個分という広大さ!
園内に入りすぐに辿り着くのは「琵琶湖」。日本の琵琶湖程の大きさはないものの、湖の形が琵琶に似ていることから名付けられたという共通点があります。
空を写しだす湖面が幻想的。街に隣接する公園でこんなに美しい景観が拝めるなんて、、、本当に感動する美しさです!
ウォーキング、ジョギングの方も多く見かけましたが、なにしろ広いのでサイクリングがオススメ。
台東市内のホテルでは大抵自転車の貸出サービスがありますし、公園付近にもレンタサイクルショップが多数あるので安心です。
4. 台東海浜公園
市街地の海側、海岸線沿いには整備された遊歩道兼サイクリングロードがあります。
荒々しい波が打ち寄せる浜辺は遊泳禁止ですが、海風を受けながらのサイクリングは爽快!
鳥の巣のような国際地標や巨大フレームなどのパブリックアートは人気の撮影スポットとなっています。
5. 台東阿伯小白屋
大陸から渡ってきた一人の軍人さんが廃品を集め自己流で増築を重ねて建てた一軒の白いお家。現在は廃墟となっていますが、まるでアニメから飛び出してきたような奇抜な仕上がりに「台東ハウルの動く城」とあだ名が付けられ、観光名所のひとつになっています。
度重なる台風にも耐え、今なお崩れずに建っていますが、家主もおらずいつ崩れるか分からないため、取り壊しされる日も来るかもしれません。
6. 台東山海鐵馬道
市街地を1周するサイクリングロード。森林公園、海浜公園、台東旧駅、台東新駅をつなぐルートで、一部は廃線跡を走るので線路跡や駅舎跡を見ることができます。
かなりのロングコースですが、台東市内の見所が網羅されているので時間があれば走ってみるのもいいかもしれません。
7. 卑南文化公園
台東新駅から程近い場所にあるのは卑南(プユマ)族の集落遺跡。卑南族は台湾最古の人類とされており、約2300年前から5300年前の新石器時代の集落と考えられています。
台湾総人口の2%が先住民族。政府に認定されているのが16民族。台湾の先住民族のうち6つもの民族が台東で生活しており、住民の30%以上が先住民族とのこと。台東県内ではあちこちで〇〇族の集落を目にしました。
8. 台東観光夜市
台湾の夜を象徴する夜市。台東にも活気あふれる夜市が正気路沿いに出現します。
臭豆腐や蚵仔煎などの定番フードから大きなフルーツ屋さんまで。
▲ 臭豆腐
▲ 洛神花茶(ハイビスカスティー)
台東名産といえば釈迦頭です。夜市だけでなく、台東のあちこちで販売されています。これだけ店頭にズラリと並ぶ釈迦頭を見ることができるのは台東ならではではないでしょうか。
お釈迦様の頭を思わせるデコボコとした表面、英語名はシュガーアップルと言います。はじめは「どうやって食べるの?」と疑問に思いましたが、いたって簡単!熟すと表面がポロリと取れるくらい柔らかくなるので手で割って、白い果肉をスプーンですくうと食べやすい。一粒ごとに種が入っています。ねっとりしたクリーム状で甘みとコクがあるフルーツです。
9. 加路蘭海岸
花蓮まで続く海岸線には多くの景勝地が点在しています。加路蘭海岸では太平洋の青い海が望め、広々とした公園内にはアートがちらばっています。近くには空軍基地があり、軍用機が大きな音を立てて飛び立っていました。
元は空軍基地の廃棄物置き場だった場所が人々の憩いの場となったのです。演歌調の曲を演奏するサックスプレイヤーがいたり手作り工芸品のフリーマーケットがあったり、のどかな空気が流れていました。
10. 小野柳
「自然の石彫公園」といわれる、海水の浸食による奇岩怪石がある海岸線。
波の力強さと岩の形状は大迫力!
波打ち際まで行けますが足場が悪く滑りやすいため注意が必要です。
11. 知本国家森林遊楽区
台東県内には多くの温泉地がありますが、中でも有名所なのが知本温泉。その温泉街の奥に国立公園があり、トレッキングを楽しむことができます。
軽い気持ちで挑んだところ、とんでもなくハードなコースでした。1000段はあるだろう階段をずっと登っていきます。ゴールが見えずクラクラしてしまいそうな階段に、気休めのカロリー消費量が記載されていました。
登った先には百年千根榕、その先に榕蔭歩道というコースがあるのですが、通行止めでした。
最後は渓流の冷たい水に足を浸らしサッパリ、疲れが吹っ飛ぶ気持ち良さです!
12. 知本温泉
大汗をかいたあとは日帰り温泉でほっこり癒しを。
▲ 東台SPA温泉養生館
水着、帽子着用の混浴。泉質は「美人の湯」と称される弱アルカリ性炭酸水素ナトリウム泉。温めのプールから40℃前後の湯船まで、さらにサウナもありました。湯の花が浮かぶとろんとしたお湯でお肌がつるつるになりました。
台東では都会とは違う空気感と時間の流れを感じ、心が解放されリフレッシュできました。せっかくなら2~3泊ステイして、スロー&アクティブな台東での休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。