プロ野球チーム「北海道日本ハムファイターズ」の本拠地である「エスコンフィールドHOKKAIDO」、通称エスコン。
北海道北広島市に位置する2023年開業の野球場です。
しかし、エスコンで楽しめるのは野球観戦だけではありません!
アート、グルメ、ビール、トレイン、温泉、サウナなど……。
今回は北海道生まれのライターがエスコンを実際に訪れて、その魅力を解説します。
エスコンを訪れたら「壁画」を鑑賞しよう!1階の壁画スポットを紹介
エスコンフィールドは「北海道ボールパークFビレッジ」の一角にあります。
このFビレッジは、球場を中心として生まれたエリア。
約32ヘクタールもの敷地内に、自然の中で遊べるアクティビティや、焚火が楽しめるテラス、宿泊施設、ドッグラン、ガーデン、ベーカリーなどさまざまな施設が立ち並びます。
なかには高齢者賃貸住宅やこども園、メディカルモールなども。
”暮らし”をすっぽり組み込んだような、まるでひとつの街を思わせるエリアです。
F NEOBANK GATEからエスコンの中に入ると、公式キャラクター「えふたん」がお出迎えしてくれます。
施設の中心には、色鮮やかな天然芝のグラウンドが!屋根は開閉式のため、夏でも冬でも快適に観戦できます。
この日はちょうど秋季キャンプが開催されていて、選手が練習しているところを見学できました。
エスコンを訪れたら見てほしいのが、ファイターズが誇るOB、ダルビッシュ有選手と大谷翔平選手を描いた巨大な壁画。
凛々しい横顔が迫力を感じさせる、存在感抜群のアートです。
球場内ホテル「TOWER 11(タワー・イレブン)」のゲート近くにあるので、1階をぐるりと歩いていたら目に留まるはず。エスコン名物だけあり、カメラを構えている人も多いスポットです。
先ほどの壁画の近くには、ファイターズ50周年を記念して描かれたウォールアートもあります。
ファイターズ創業オーナーをはじめ、レジェンド級の監督や選手が描かれていて、こちらもファンなら必見。
ビールレストラン「そらとしば」の、フィールドに面した壁に描かれています。
こちらは、そらとしばのコンコース側の外壁。
球団カラーの鮮やかなブルーが映えた、躍動感のあるアートです。
2025年現在、ファイターズで現役で活躍している、伊藤大海投手と万波中正選手を描いています。
豊富すぎて選べないグルメの数々。シャウエッセンのホットドッグも!
エスコンに来たらグルメは外せません!
食事をゆっくり楽しみたいなら「七つ星横丁」を訪れましょう。幻想的な提灯が浮かぶ入口が目印です。
空間には店の軒が張り出していて、どこか昭和レトロな雰囲気を感じさせます。
10店舗もの飲食店は、居酒屋、寿司屋、餃子専門店、焼き貝専門店、スイーツ専門店など、ジャンルも豊富。
七つ星横丁から外に出ると、「裏路地ラーメンテラス」にも足を延ばせます。
「食べたいものが決まっていないけれど、とりあえず何か食べよう」というときにはぴったりのエリアです。
フードコートのようなイートインスペースがあるので、それぞれの店で買ったものを持ち寄れるのがいいところ。
また、野球の試合中はもちろん、試合後や試合のない土日祝日にも営業しているのが嬉しいポイントです。
七つ星横丁以外にも、数えきれないほどのグルメスタンドが立ち並びます。
北海道らしいものが食べたいなら、人気店の「ルスツ羊蹄ぶた」でヒレカツサンドを買うのがおすすめ。
「蝦夷富士」こと羊蹄山(ようていざん)の麓にある、留寿都(るすつ)村で育った豚を使っているそう。
かわいいものに目がない人には、2階にある「えふたんCAFE」がおすすめです。
F NEOBANK GATEから入ってすぐのエスカレーターを上ると、目の前に見える好立地。
七つ星横丁のすぐ手前に位置しています。
「えふたんのおふとん和牛カレー」や、ベビーカステラならぬ「ベビーえふたん」など、えふたんをかたどった愛らしいメニューが楽しめます。
この日は1階の「tower eleven foodhall by Nipponham」でランチ。
ホットドッグ専門店の「HOTDOG FUN」、肉料理専門店「Meatful」、うどん専門店「umai」の3店舗が出店しています。
いずれも日本ハムグループで製造した製品を使った、ファイターズの本拠地らしいグルメを楽しめるのが魅力です。
「HOTDOG FUN」で人気なのは、長いシャウエッセンを挟んだホットドッグ。
写真中央の「チーズ&ペッパー」は、たっぷりかかったチーズがトロトロで、プリッとした歯ごたえのシャウエッセンとマッチしていました。
ビール好きは訪れて!球場内の醸造所で作ったビールが飲める「そらとしば」
野球観戦のお供にビールは必須!
ビールが好きなら、1階のクラフトビール醸造レストラン「そらとしば by よなよなエール」を訪れてみてください。
なんと野球場の中でビールを作っているという、世にも珍しいスポットです。
クラフトビールは、エール・スタウト・季節限定の3種類を楽しめます。
1階席からは醸造設備を眺められ、本当に球場にいるのか錯覚してしまいそう。フィールド側の席からは、もちろん野球観戦も可能です。
2階のルーフトップスペースからは、天然芝のフィールドが一望できます。
試合がある日は、ルーフトップスペースのカウンターシートは有料エリアとなり、ビール片手に応援できるのがメリット。
観客との一体感を楽しめるスタンド席もいいですが、カウンターシートなら開放的な空間でゆったり座れて、のんびり野球観戦したいときにぴったりです。
球場内を1周する「えふたんトレイン」で、エスコンをゆったり見学しよう
家族連れに人気なのが、球場内を走る「えふたんトレイン」。この存在感で、音楽を流しながら1階のコンコースを周回しているため、歩いているとひときわ目を引きます。
すれ違う人々が思わず足を止め、乗車中の子どもたちに手を振る微笑ましい光景が見られました。もちろん大人が乗ってもOKです。
えふたんトレインはコンコースを1周します。
途中下車はできませんが、歩かずゆったりと1階を見学するのにうってつけ。なお、2024年の運行開始直後はエスコンの外を走っていたようですが、現在は球場内を回っています。
運賃は大人500円、子ども300円(4歳以上小学生以下)です。
4歳未満は運賃がかからず、保護者同伴で乗車可能。乗車後はえふたんのかわいいステッカーがもらえますよ。
球団グッズもおみやげも買えるショップが勢ぞろい
エスコン観光の締めはショッピング。
球場内には取り扱いアイテムやコンセプトの異なる、さまざまなショップがあります。
F NEOBANK GATEの目の前にある「FIGHTERS FLAGSHIP STORE」は、いかにもプロ野球チームのオフィシャルショップといった出で立ち。
ユニフォームやキャップなどのアパレルをはじめ、ツインスティック、タオルなどの観戦グッズが手に入ります。
ファイターズでは掲げて応援する”謎風習”のある鮭のぬいぐるみ「しゃけまる」も、もちろんここで買えますよ。他にはお菓子など、エスコン限定のおみやげも多数。
家族連れには、リポビタンGATEから入ってすぐの場所にある「FIGHTERS FAMILY STORE」がおすすめ。
カラフルでポップな雰囲気で、大人も子どももわくわくする内装です。
キッズ用のユニフォームやキャップ、えふたんや球団マスコットたちのかぶりものも充実。自分でわたを詰めて、オリジナルのテディベアを作ることもできます。
今回購入したのは、ファイターズのキャップをかぶった牛のポーチ。
友人へのおみやげとして、ファイターズオリジナルのお菓子や鮭とばも購入しました。ちょっとしたグッズを買うと、観光のいい思い出にもなりますね。
アクセスの悪さがデメリット。試合日は気を付けて!
魅力が満載のエスコンですが、実は欠点もあります。
それはアクセスが悪いこと。最寄りの北広島駅からは、徒歩で約20分かかります。
車なら約5分の距離ですが、試合がある日は道路が非常に混雑するうえ、試合終了後の時間は車が列をなし、駐車場から出るのもひと苦労。
試合後はバスに乗るまで2時間ほど待つことも珍しくありません。
とはいえ、それも新しい駅が開業するまでの辛抱。
2028年夏には、エスコンから徒歩約4分の距離に、JRの新駅が建設される計画があるようです。
エスコンには他にも温泉、サウナ、バッティングセンターなどのスポットがあります。
その周りのFビレッジ全体を満喫したいなら、1日は滞在するといいでしょう。
エスコン内を楽しむだけでも最低2~3時間はかかるので、午前中に来場し、夕方までゆっくり観光するスケジュールを組むのがおすすめですよ。



