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2021-05-11

【西表島】最強「マヤグスクの滝」へ! カヤック&ジャングルトレッキングでチャレンジ!


三年前、気の向くままの一人旅で初めて訪れた西表島。そのときにカヤックツアーを体験し、西表島の大自然を満喫できるカヤック&トレッキングの楽しさを知りました。

西表島でのカヤック&トレッキングのコースで群を抜く困難さNo.1はなんといっても、島の中央部に位置するマヤグスクの滝への最強コース。

カヤックツアーを経験して以来ずっと夢見ていたこの滝へのカヤック&トレッキングに、三年の月日を経てこのたびチャレンジすることができました。



1. マヤグスクの滝とは

西表島は山がちな地形で、その9割を自然に囲まれています。亜熱帯に位置するこの島の大自然は緑に覆われていて、まさに日本のジャングル。
マヤグスクの滝は、そんなジャングルな島の中央部に位置しています。

「マヤ」とは西表島の天然記念物、イリオモテヤマネコのこと。「グスク」とは琉球でいうところのお城のことですので、「マヤグスクの滝」とは「イリオモテヤマネコのお城の滝」という意味です。

他のカヤック&トレッキングのツアーとは異なり、朝早くから夕方遅くまで丸一日を使い切らないと達成できない難関のコース。

今回のチャレンジも、三年前と二年前にお世話になったカヤックガイド、「道草屋」の那須さんにお世話になり、案内頂きました。



2. まずはカヤックでスタート

マヤグスクの滝へは、まずは浦内川という川を溯っていきます。

浦内川は、西表島の中央部から北部へと流れ出る大きな川です。実は沖縄県内で一番流域面積が大きい川。

汽水域にはマングローブが広がっていることもあり、川には非常に多様な魚や生物が生存しているといわれています。

朝8時頃に浦内川の河口にある浦内橋のすぐ脇からカヤックで出発。3月ながら快晴の、初夏を思わせるような日和でした。

河口付近の浦内川は川幅がとても広く、流れもとても穏やか過ぎて、まるで湖を進んでいるかのよう。


山の向こうの方から昇りつつある朝日に照らされる中、ひたすら漕ぎ進みます。



3. トレッキングスタート

1時間ほど漕いでカヤックは終了。遊覧船の船着き場である場所で、カヤックを下りました。

ここからトレッキングスタート。


最初の1時間は遊歩道沿いです。カンピレーの滝までの道をひたすら歩きます。

遊歩道なので道としてはそれほど険しいわけではありませんが、あちこちで岩肌を落ちる小さな滝や、本州では見られないビッグサイズのシダ植物など、亜熱帯かつジャングルな自然が出迎えてくれます。


1時間ほどで到着したカンピレーの滝。以前にも遊覧船で訪れた場所です。



4. 遊歩道から横断道へ突入

そしてここからが今回のメインです。島の南北をつなぐ横断道に入っていきます。


ここからは、これまでの遊歩道とは違い、険しい道です。

渡されたロープを伝って登るところ、泥状態の中をシューズやズボンも浸かりながら踏み進めていくところ、手も使って這い上がり下るところなど、普通に歩けるような道だけではありません。

それでも休憩もあまり取らず、ただひたすら歩き続けます。
それもひとえに、「マヤグスクの滝」での満喫した時をできるだけ長く過ごすため。



5. マヤグスクの滝に到着!

そしてひたすら歩いて到達したマヤグスクの滝が、こちら。

いわゆる一般的な「滝」とは様相を異にします。カンピレーの滝も同じですが、このような滝というのはなかなかお目にかかれません。


驚くことに、この滝を登っていけます。上からの眺めがこちら。

そこには平らで休憩できる場所がありました。


滝の上に上がると、こんな感じ。

両脇にそびえ立つ岩肌。その岩肌には何万年もの時をかけて積み重ねられた地層が、無造作にむき出しです。
この岩も昔は海の中にあったのでしょうか。時の流れを感じざるを得ません。

その岩肌の真ん中を突き通して奥の方から出てくる水。それは西表島の中央から流れてくる水でしょう。

その流れに沿って少し進めば、そこにもまた水をためる滝壺が。
3月の川の水はさすがに冷たく、その滝壺に入ることは今回できませんでした。


この滝の上に水のないスペースがあり、そこで昼食。

島の中央部に位置し、広くジャングルを眺められるこの場所で食べる特製の八重山そばは、また格別。(そして淹れたてのドリップコーヒーも頂きました)


現代の日本の中で、ここまで大自然を感じられる場所はそれほどたくさんはないことでしょう。

昼食の後はこの大自然を満喫したあと、少し休憩。大自然の迫力を前にただただぼーっと過ごす時間は、何にも代えがたい貴重な時間。

1時間半近くこの場所で過ごし、この滝を後にしました。



6. 帰路へ

片道3時間ほどのこの道をまた戻ります。
往きは少し急いで歩いたものの、帰りは少し余裕を持って歩くことができました。

畳のような板状の岩が続く「イタジキ」と呼ばれる場所。

西表島の大自然では、名づけられながらもあまり知られずにひっそりと佇む大自然たちがたくさんあります。それがこの島での大きな魅力のひとつ。自然は無言で私たちに語りかけてくれます。

帰り道。変わりやすい島の天候の中、少し雨もぱらついたりもしましたが天候には本当に恵まれました。

暑すぎない3月の気候の中、気温や湿度も高すぎることなく、夏場であれば蒸し暑さで過酷な状況になるそうですが今回はそんなことは全くなく、快適なコンディションの中でこの大自然を楽しめたことは本当に幸運でした。


帰りも険しい道のりを、これまたひたすら歩くこと2時間、横断道の入り口まで戻ってきました。
合計5時間も歩いているのでかなりヘトヘトです。カンピレーの滝で少し休憩しました。

ここまで来たら、あとは遊歩道を帰るだけ。疲れてはいますが、往きはスルーして進んだマリュドゥの滝にも立ち寄りました。

展望台からのマリュドゥの滝が、こちら。


その後、30分ほど歩くとカヤック乗り場に到着。

既に夕方の4時半。ここからまだ約1時間のカヤックが待っています。まあ下りだったのでましではありましたが、3月なのに西日の厳しい幅広な浦内川をカヤックに乗り、貸切り状態で下っていきました。


そしてたどり着いた浦内橋。終点です。

カヤックで往復2時間、トレッキングで往復6時間、計8時間のツアーを終えました。夢をまたひとつ、叶えることができました。



7. まとめ

大自然がまだまだ残る西表島には、海方面にも山・川方面にも、めちゃくちゃ楽しめるカヤックツアーのコースがたくさんありますので、ぜひ楽しんで頂きたいと思います。

そして、この島の大自然の楽しさにはまってしまったなら、いつかはぜひ、最強マヤグスクの滝へのツアーにチャレンジしてみて下さいね。



このしおりのライター

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