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奈良県南部の奥深くにある大峰山系は、近畿地方では群を抜いて高い山脈を形成していて、その標高は1600m〜1900mほど。紀伊山地と呼ばれる山は、ほとんどこの山系を指していて、かの有名な世界遺産「大峯奥駈道」の大縦走路がある。


特徴としては、日本有数の豪雨地帯が近いことから、本当に山深くて、ピークに到達してもそれほど展望は開けない。展望があるところでも、そこには圧倒的に緑が深い山肌が広がっている。ガスに包まれ荘厳な雰囲気を醸し出す、まさに修験道の山!


そんな大峰に初めて登ったのは、約1年半前の八経ヶ岳・弥山。大峰山系の最高峰の山塊だ。あの時は初めての大峰で、八経ヶ岳を登頂することしか考えていなかったが、実は、山上ヶ岳・大普賢岳・稲村ヶ岳・行者環岳・釈迦ヶ岳など、とても多様なピークを有す山脈であることを知った。

今回はその中でも雪山の名山として知られる「稲村ヶ岳」を登ってきた。



ヒヤヒヤの残雪登山道。残雪の大日キレットもクリア!

しかし、全く雪がない!!笑

樹氷が有名なのだけれど皆無で、それはおろか登山道にすらほぼ雪が残っていなかった。連日の春のような気温で、ほとんど溶けてしまっていたのだ。ただ、さすがに標高1700mの山だけあって、標高を上げてくると、少しずつ雪というか氷が現れ始める!


道は細く角度があり、おまけにツルツル。かなりヒヤヒヤしながらのアドベンチャーな内容となった。こういう登山では、靴の裏につける、アイゼンが必須装備。しっかりとした10本爪アイゼンを持っていてよかった。


そして、今回の登山で雪山経験の少ない友人も、また一つレベルアップできた。というのも、この「大日キレット」をクリアできたから。冬の稲村ヶ岳の名物となっている、急斜面のトラバースだ。


本当に凄まじい角度で、片足分のスペースしかない道には、思わず立ちすくんでしまったけれど、一歩一歩確実に歩き切った。この道を往復して、恐怖心の克服とアイゼンワークの上達を図れた気がする。2000m以下の雪山では、残雪の状態が最難関だと思う。



奥深い山並みを一望できる、稲村ヶ岳の山頂へ。帰りには大日山も

そうして難関の大日キレットの先には、稲村ヶ岳の山頂。ここにたどり着いた時の達成感がすごい!そして、山頂には展望台が設けられていて360度のパノラマが広がる。


夏には稲村ヶ岳から日帰り縦走ができる大峰の主峰「山上ヶ岳」。ぼんやりとだけど、昔登ったことのある金剛山(左)と、大和葛城山(右)も。まさに、今立っている場所が、近畿の屋根なのだと実感する。

山頂は驚くほど無風で気温も高く、中々快適だったので、しばし佇んで、大峰らしい深い山並み展望を満喫することができた。


帰りには大日キレットの頂上にあたる「大日山」(標高1700m)にも登ったのだが、またこれが中々大変だった。雪(半分シャーベット)の斜面直登など、これまた一歩も踏み外せない内容。


大日山と稲村ヶ岳の間のチラリズム。


大日山のピークがあまりにもあっさりしており、拍子抜けだ!ちなみに、お願いするのは一つだけ。「無事に帰れますように...切に。笑」

さぁ大日キレットを再度歩き、安全に帰路へ就こう。



稲村ヶ岳の像木と、風情ある洞川温泉散策

最後に日本珍百景に応募したいレベルの風景を!

登山道前半の法力峠から稲村ヶ岳に行く途中にある「象の形をした樹木」だ。目と耳、牙まであるその姿に驚いた。しかも絶妙な鼻の曲線と、太さの変化加減!笑

以上、かなり神経を使う残雪の山歩きだったけれど、今シーズン有数のアドベンチャー要素とネタ要素に富んだ内容だった。


帰りは洞川温泉に浸かって疲れを取り、せっかくなので洞川温泉街を少し散策。

中でも、桝源旅館の佇まいが、すごく渋くて最高の被写体だ。また洞川温泉のある天川村は水の町ということで、至る所で水の綺麗さに驚かされた。


そして見事だったのは、龍泉寺境内の池。お寺の池って濁っているイメージがあるけれど、全くそんなことはなくてリフレクションがとっても美しい。


自然と町が結びついて、閑静で素朴な良さがにじみ出る洞川温泉。ふらっと散策するのが面白い街並みだった。

そして我々は、車で愛知まで帰路につく。遠いイメージの大峰山系だけど、名阪国道を使えば、正味片道4時間もあれば来れるので、意外とハードルは低い。

残雪の大峰も楽しかったけれど、今度は霧氷咲き誇る大峰も攻めてみたいな!



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