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2022-07-23

【宮島】平安時代にタイムスリップ!? 管絃祭の魅力とより楽しむ方法について

こんにちは、yuuです(ˊ˘ˋ*)♡

本日は、行事事の多い宮島で私が最も優美で素敵だと思う、日本三大船神事、管絃祭(かんげんさい)の魅力と、このお祭りを最大限楽しむための方法を、祭事のタイムスケジュールと共にご紹介したいと思います。


まず、日本三大船神事とは?

日本三大船神事とは、大阪府、大阪天満宮の『天神祭』、広島県、厳島神社の『管絃祭』、島根県、松江の城山稲荷神社で10年に一度行なわれる『ホーランエンヤ』の3つの船神事を指します。


管絃祭とは

管絃祭は、旧暦6月17日(今年2022年は7月15日)の潮の高い穏やかな瀬戸内の海上で、満月(ほぼ満月に近い明るい月)に照らされて行う、平安貴族が都で池や河川に船を浮かべて行った「管絃の遊び」を模した、厳島神社最大の神事です。
その歴史は古く、厳島神社を造営した平清盛がこの遊びを厳島神社に移し、遊びではなく神様をお慰めする神事として執り行うようになりました。

遠くから眺める管絃船は篝火の淡い光に包まれて、まるで平安時代にタイムスリップしてしまったかのように、なんとも儚く美しい。
しかし、近付けば近付くほどに、その熱気や迫力、勢いに飲み込まれ魅了される、厳島神社の管絃祭でしか味わうことのできない楽しさだと思います。

コロナ禍となり3年、残念ながら本年も神事を縮小し執り行うそうですが、コロナ前はこの感じたことのない不思議な楽しさを求め、毎年参加しに行きました。

管絃祭のタイムスケジュールとその内容

・前夜/御試乗式
管絃祭前夜、組んだ御座船(管絃船)の状態を確認するため、試し運転をします。

▲2019年 御試乗式

・15時/発輦祭(はつれんさい)
御本殿から祭典がstart!

・16時/御本殿出御
御神体を乗せた御鳳輦(ごほうれん)を大鳥居沖の御座船に運びます。

・16時40分/大鳥居前の儀
この神事を行ったのち、管絃を奉奏しながら対岸の摂社である地御前神社へ向かいます。

▲大鳥居前の儀

・18時/火立岩(ほたていわ)
火建岩沖で一時停船し、潮が高くなるのを待ちます。
最後に通常通りの管絃祭を行った2019年はなかなか潮が高くならず、潮待ちの時間がとても長くなりました。
どうすることもできず、組まれているスケジュール通りにはいかないところも、自然と共に生き祭事をやっている感じがし、新鮮で楽しかったです。

・19時20分/地御前神社
潮が満ち、地御前神社前に御座船が入れるようになった頃、御迎船が来ます。
現在の御座船は和船を3隻並べて船組をしますが、昔は大きな1隻の船を自走させ御座船のみで管絃祭を行っていたそうです。

▲3隻の和船を組んだ、現在の御座船

しかし、1701年(元禄十四年)の管絃祭の途中、暴風雨に遭遇した御座船は転覆しかかります。
その際、阿賀村の鯛網船と江波村の方が勇敢に御座船を救助したことから、現在でも阿賀と江波の両村が御座船を曳航して祭事が行われています。

▲阿賀と江波の曳航

地御前神社前に到着後、浜辺で祭典と管絃を奉奏し、宮島の長浜神社へと戻ります。

・20時40分/長浜神社
長浜神社では、宮島の方々が提灯を持ち御座船をお迎えします。
本物の火を入れたいつくもの提灯が揺れる様子は、なんとも優雅で美しく、現代に生きていることを忘れてしまいそう。

▲長浜神社

・21時30分/大元神社
徐々に消えゆく提灯の灯りを惜しみつつ、大元神社へ。

▲提灯行列

・22時10分/火焼前(ひたさき)
大鳥居をくぐり、とうとうクライマックス!!

・22時30分/客神社前
客神社前で祭典と管絃の奉奏がされた後、さらに狭い厳島神社の桝形に入り、一気に船を3回転!!
「そーれっ!」という掛け声と太鼓の音、参拝客の拍手も相まってその熱気や迫力に感動。ついついこちらも力が入り大興奮のラストとなります。

▲阿賀

▲江波

・23時/御本殿還御
御本殿に還御した御鳳輦を触ると、良いことがあるという言い伝えから、還御した御鳳輦は祓殿をぐるっと1.2周し、夕方から始まった管絃祭は日付を越える頃幕を閉じます。

▲御鳳輦を触る参拝者


楽しみ方1/見るだけでなく、参加する

・「あなたも平安気分」(要予約)
御座船に並走する船に乗り、海上から御座船にお供するイベント。
穏やかな風を全身に感じながら、だんだんと暮れる空と、賑わう船、灯りや篝火を点ける所を見ることができ、島内や対岸にいては知ることのできない、とても貴重な経験ができます。

▲「あなたも平安気分」

・「ちょうちん行列」(予約不要)
19時半から、長浜神社付近で御座船を迎えるためのちょうちんを無料配布しています。(数に限り有)
ロウソクに火を灯す、電気ではない本物の火の揺らめきはなんだか儚くとても美しく感じます。
御座船を迎える20時半頃には辺り一面に提灯の灯りが優しく広がり、クライマックスへの準備をしているかのよう。

▲「ちょうちん行列」


楽しみ方2/着物・浴衣をレンタルしてみる

夏のお祭りといえばやっぱり浴衣!宮島島内にも着物・浴衣のレンタル店が多数ありますが、有名処は「紅葉の賀」さんと「着物小町」さん。
こちらではお祭りを楽しむにはもってこいの可愛い衣装を貸してくれます。

特に紅葉の賀は、一般的なレンタル店とはひと味違う、物が良く上品な色や柄の着物が揃っており、大人女子にも似合う可愛さが魅力!
通常4時間レンタルのところ、宮島に宿泊される方限定で、翌日の午前中までに返却に行けば良い1泊レンタルも可能です。
お気に入りの浴衣や夏着物を身に纏えば、その世界観をさらに楽しむことができると思います。

▲紅葉の賀 浴衣


まとめ

いかがでしたでしょうか。
平安絵巻を思わせる、海に囲まれた宮島ならではの優雅で勢いのあるお祭り。
残念ながら新型コロナウイルスの影響で3年目の神事縮小、今年も御座船の渡御、ちょうちん行列や並走船のイベントも中止が決定しておりますが、来年こそは!と思っています。
気になった方は是非、来年の管絃祭へ足を運んでいただき、管絃祭を余すことなく楽しんで下さい。


このしおりのライター

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