ゴッホやフェルメールなど数多くの有名画家を輩出し、名画を所蔵する美術館も多い芸術大国「オランダ」。
そのオランダの首都・アムステルダムにある「アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum Amsterdam)」は、美術好きでなくても一度は見たことのある名画がずらりと並んでいる美術館で、アムステルダムに行ったら絶対に訪れたいスポットです!
アムステルダム国立美術館のアクセス
アムステルダム国立美術館は、アムステルダムのメインステーションである「アムステルダム中央駅(Amsterdam Centraal)」から徒歩30分ほど。少し遠いように思いますが、アムステルダムの美しい街並みを見ながら歩いていると意外とすぐに到着しますよ。
移動時間をなるべくカットしたい方はトラムに乗るのがベスト!アムステルダム中央駅の駅前から出ている2番or5番のトラムに乗ることおよそ15分「Rijksmuseum(ライクスミュージアム)」で下車。Rijksmuseumからは徒歩2分です。
オランダ最大の「アムステルダム国立美術館」
絵画から彫刻までおよそ8,000ものコレクションを誇るオランダ最大の美術館で、あらゆる時代の“傑作”と言われている作品が展示されています。オランダ芸術を語る上で絶対に外せない美術館です!
ネオ・ルネッサンス様式で設計されたアムステルダム国立美術館は外観も美しい。
1100年〜1600年代の美術が展示されている「0階」
0階には、1100年〜1600年代の美術作品が展示されています。
他の階よりも彫刻が少し多めの印象でした。誰もが知るような名作は多くありませんが、西洋美術の流れを知る上で見ておきたいフロアです。
▲ De aanbidding van het Christuskind / Cosimo Rosselli
1600年代以前の西洋美術は、宗教(キリスト教)に関連するものが多いです。
この作品も聖母マリアが赤ん坊のキリストを見つめて手を合わせています。
1700〜1800年代の美術が展示されている「1階」
1階には、1700年〜1800年代の美術作品が展示されています。
18世紀以降は芸術家がアトリエの外に出るようになり風景画が増えた時代なので、のどかなオランダの農村の風景や風車のある風景などが見られました。絵画以外にもデルフト陶器や当時使用されていた豪華絢爛な家具類なども展示されていました。
アムステルダム国立美術館には世界一美しい図書館とも言われている「カイパース図書館」が併設されています。実際に使用している人もたくさんいるので、図書館内部の写真撮影禁止です。
▲ Zelfportret / Vincent van Gogh
フレンチスタイルのファッショナブルな服を着た、ゴッホの自画像。ゴッホは自画像が多いことでも知られていますが、これはモデル代を削減するために自分を描き続けたからなのだそう。明るい色遣いなのはゴッホ晩年の作品の特徴です。
▲ Juli (‘Zomerweelde’) / Jac van Looij
有名作品以外で、私が一番心奪われたのがこの作品。120cm×170cmの大きなキャンパスの中に咲き乱れる青紫糸の花の繊細さと品の良さには惚れ惚れします。ゴッホに影響を受けているようですが、ゴッホよりも風景と光の表現が写実的です。
1階の作品を見終わったら、この階段を上って2階へ!
1600年代の美術が展示されている「2階」
2階には、1600年代のオランダ黄金時代の美術作品が展示されています。オランダ黄金時代とはオランダが世界を席巻していた時代で、オランダ芸術も当時、世界中から賞賛を受けていました。フェルメールやレンブラントもオランダ黄金時代の画家です。
2階中央は「名誉の間」は、絵画にも負けずとも劣らない美しい内装です。
▲ De Nachtwacht / Rembrandt van Rijn
レンブラントの最高傑作で、世界三大絵画の一つにも数えられる名画『夜警』。高さ3.6m×幅4.4mのかなり大きな作品で、他を圧倒する存在感を放っています。絵全体で見ると暗い印象を受けますが、暗い影の部分が多いからこそ絵のメインである明るい部分が強調されています。この技法こそ“光と影の魔術師”と称されるレンブラントの真骨頂です。
▲ Het melkmeisje / Johannes Vermeer
フェルメールの『牛乳を注ぐ女』も、アムステルダム国立美術館の見るべき有名作品のひとつ。レンブラントと同様に“光の魔術師”と称されるフェルメールですが、フェルメールのほうが絵全体が明るめ。光と影以外にも、手前のパンやカゴもかなり精密に描かれているので、注目してみてください!
▲ Brieflezende vrouw / Johannes Vermeer
こちらもフェルメール作品の『手紙を読む青衣の女』。この作品は「フェルメール・ブルー」と呼ばれる鮮やかな青色の青衣にも注目です!青衣部分は、当時金よりも貴重だったという瑠璃色の鉱石「ラピスラズリ」を砕いて作った絵の具で描かれているんです。
青の絵の具を購入するために、かなり苦しい生活を送っていたというフェルメール。画家としてのプライドをかけて命を削りながら書いた作品たちはただ美しいだけではない、人を惹きつける不思議な魅力がありました...!
数多くの名作を所蔵する「アムステルダム国立美術館」。オランダに行った際はぜひ足を運んでみてください!
ちなみにアムステルダム国立美術館の展示作品のほとんどは写真撮影OKです!(フラッシュの使用は不可)