search

close

突然ですが

この動物、何だか分かりますか?
馬と牛をかけ合わせたような胴体に、馬のようなたてがみ、馬のような尻尾、バッファローのような角、ヤギのような耳とひげ。
ただこの、のっぺりとした長~いお顔だけはどの動物にも例え難い・・・

英名「Wildebeest」、またの名を「Gnu(ヌー)」と言います。
ウシ科の動物で、生息地はアフリカ大陸。

私は「ヌーに会うために」ケニア、マサイマラ国立公園を訪れました。
どうしても見たかったんです、ヌーが川を渡るところ。




なぜ渡るのか

「そこに川があるから ~ヌー~」
という格言はサバンナ界隈であまりに有名ですが(諸説あり)、ヌーの川渡りについてもう少し詳しくご説明しましょう。
草食動物であるヌーの主食はもちろん草。無限に広がるように思えるサバンナの草原も、季節が雨季から乾季に移り変わるとともに次第にまばらになっていきます。

そこで今いる土地が乾季に入ると、ヌーは草も水も豊富な雨季の土地を目指し、群れをなして大移動をするのです。
4~6月、タンザニア北部にあるセレンゲティ国立公園で雨季を過ごした彼らは、7~9月に入るとケニアはマサイマラ国立公園に移ります。
その数150万頭以上!!!
タンザニアとケニアの国境沿いを流れるマラ川、そこを渡りきったヌーだけが、その先にある草や水にありつき、また次の季節を生きながらえることができるのです。




その瞬間

私はこのヌーの川渡りを目撃するため、7月末にケニア、マサイマラ国立公園を訪れました。マサイマラ国立公園でのサファリツアー概要、そこで出会った様々な動物たちの様子は、別の記事をご覧ください。

それは夕方のサファリツアーでのこと。

ドライバー、エドワードの運転するサファリカーに乗ってしばらく草原を疾走し見えてきたもの・・・

それは

とんでもない数のヌー。
もうフェスです、ヌーフェス。
とんでもない数のパリピです。

今回のサファリカーに、日本野鳥の会の方に同乗いただけなかったのが悔やまれるところですが、素人の目視でざっと500~600頭くらいはいたんじゃないでしょうか。

彼らがどこに集まっていたかというと

マラ川の岸辺。
『マラ川+ヌー=川渡り』に違いない!
『二子玉川+大学生=BBQ』と同じくらい確度の高い方程式です。

そんなヌーたちの様子を、離れて見守ります。
「その瞬間」を目にするべく、他のサファリカーも続々と、ただし無音で集まってきました。
近づきすぎたり、騒がしくするとヌーたちの気が散ってしまうため、辺りは静寂。遠くのヌーの鳴き声(ヌェエエエエキョエエエエエエエ)だけが響いていました。

10分くらい経ったころでしょうか、川へと降りる崖の淵で、あと一歩を渋っていた先頭のヌーが、ついに崖を下り始めました!
その瞬間に私たちのドライバー エドワード爆走!!!!
無言のエドワードですが、その澄んだ瞳には明らかに闘志がみなぎっていました。

そして崖の淵、まさに目と鼻の先のところにポジショニング!

10メートルほど下の川まで、崖を勢いよくジャンプし頭から降りていきます!
初めの1頭が覚悟を決めてからは、後はまさにノンストップ。
一斉に崖を下る地響き、群れの皆が互いを鼓舞し合うような鳴き声がものすごく印象的でした。

眼差し


意外だったのは、シマウマも一緒に川渡りしていたこと!
同じ草食動物なのだから、草を求めて移動するのは至極当然ですね。

崖を下り、川の流れに流されそうになりながらも必死に渡ります。

ヌーがまさに渡っている川にはクロコダイルが。
毎年この川渡りでは約6,000頭のヌーが溺死するそうで、それもまた、サバンナの生態系の一環となっているようです。

必死で川を渡った後は、再び崖。
何度も後ろ足を滑らせている姿に、見ているこちらも「頑張れ!頑張れ!」と思わず声が出ます。

無事皆が川を渡り切ったところを見届け、 私たちは川辺を後にしました。




この川渡り、サバンナで暮らすヌーの「生と死」を分けるものです。
しかし私が圧倒的に感じたのは「生」。
見ているこちらの身体に伝わるほどの力強い地響きは、まさにヌーたちの鼓動そのもののように感じました。





あなたの知らない
しおりをご紹介!

create このしおりを書いたライター