Dr.コトー診療所と与那国海塩を回り、比川集落で昼食を取った後に集落を出て、いよいよ島内周遊に出発しました。
いきなり急な上り坂に遭遇。普通の自転車では漕ぐのが絶対に難しそうな急さ加減。
電動チャリで、はたしていけるのか?と不安を感じながら進んでみると、なんと余裕で上っていきました。
立ち漕ぎなどする必要もなく、座って普通に漕いでいるだけでスイスイ進みます。平地を行くときと何も変わりません。
なんという威力!
街でお母様方が乗られているのにも納得がいきました。
島を広く見渡すイランダ展望台
立神岩を目指して進んでいましたが、途中で分かれ道があり、「イランダ展望台」という案内板が立っていました。
展望台まで1km。往復すると2kmも余分に走らないといけません。
結構な距離です。2kmの寄り道をして今日一日、体力が持つのか?時間も足りるのか?
不安はありましたが、電動チャリを信頼して行ってみることにしました。
展望台だけに高いところにあるので、行きは上り坂が多いです。平原の中をアップダウンしながら進みました。
でもやはり、電動チャリなので余裕です。
10分以内に展望台に到着。
山道の中にポツンとあるような展望台でした。
展望台といっても意外と周りの景色が見えず、ひとつの場所からだけ見ることができます。
天気は良くなかったのですが、島の南部から東部にかけ、広く見渡せました。
さまざまな表情の立神岩(たちがみいわ)
イランダ展望台からまた元の道に戻り、立神岩を目指します。
途中で「人面岩展望台」という案内板があったので、行ってみました。
森の中のような道を10分ほど進むと展望台に着きました。
そこから見えたのがこちら。
遠くに見える立神岩。
パンフレットなどに載っているものとは見る角度が違うので、まるで別の岩のように見えました。
近くに人面岩という岩があるらしく、別の道があったので行ってみました。
道はどんどん険しくなり、足元も草がボーボーに生えているところもあります。
こんな感じの道です。
行けども行けども人面岩らしいものが見当たらないまま、道は険しくなりながらどんどん先の方まで続いています。
15分くらい進んだところでさすがに「これは間違ったかな」と思い、引き返しました。
入り口まで戻って出会った人に聞くと、少し歩いたところに、とても分かりにくい標識が立っていたそうです。
見逃してしまいました。残念。
人面岩展望台から5分くらいで立神岩のところまで来ました。
そこから望んだ立神岩が、こちら。
まさに島のガイドブックに載っている角度そのままです。
よく見ると岩の側面にいくつもの横筋が入っています。しっかりとした地層の跡ですね。
ということは、この岩は何千年か何万年かかけて土砂などが堆積してできたものなのでしょう。
今は岸壁沿いの海岸にこの岩だけポツネンと立っていますが、地層ができるということはつまり、この岩の横にも長く広く地層が続いていたということ。
それが長い長い期間かけて水面から上がり、周りは崩れ落ちて、ここだけが残っているということなんでしょう。
想像すると気が遠くなります。
立神岩を後に、さらに進みます。
道は相変わらずアップダウンが続きますが、上りもスイスイ、下りは逆に漕ぐ必要なく加速して進み、平地で自転車を漕ぐよりもむしろ楽かもしれません。
10分ほどで立神岩展望台に着きました(こっちの方が立神岩の展望台になるのか)。
ここからの立神岩が、こちら。
正面から見るのとは、また違った表情を見せてくれますね。
浮上した潜水艦のような軍艦岩
さらに10分ほど進むと軍艦岩です。
サンニヌ台展望台というところから見ることができますよ。
海の中から突如浮上した潜水艦のような形をした岩。
軍艦岩にしても立神岩にしても、なぜ海の中でこの地形、この岩だけがこのような形で残っているのか。
大自然の奇跡というほかありません。スケールがでかいです。
またこの岩にも横筋が無数に入っています。立神岩と同じく、長年の地層の堆積ですね。
横には断崖絶壁の谷。
深そうですね。
丘沿いに海の方まで遊歩道が続いていて、そのさきにサンニヌ台という千畳石が並んでいるのが見えるそうなんですが、台風などで被害があったのか、今は遊歩道が立入禁止になってしまっていました。
本当は行ってみたかったんですが。。。
東のはて 東崎(あがりざき)
さらに15分進むと東崎に着きました。
沖縄では「東」と書いて「あがり」と読むようです。日が「上がって」くるから「あがり」のようです。
途中の道からは風力発電の風車も見えます。
東崎の駐車場で自転車を止め、岬の方に向かいます。
東崎の駐車場では、普通の自転車で回られている方にも何人か出会いました。
やはり、かなりしんどそうです。僕の自転車を見て「電動自転車なんだね」とおっしゃっていました。
岬に行くまでの小道では、与那国馬が出迎えてくれました。
東崎はこんな感じ。
広い草原地に小さな灯台がポツンと。
手前にあった小さな展望台も、老朽化なのか、今は立入禁止となっていました。
晴れた日には、東崎の66km先に西表島が見えるそうです。
島の北側の海岸沿いには、与那国島には珍しく、浅瀬と砂浜、そしてなだらかな丘陵が広がっていました。
このあたりは昔から魚釣りの場所として親しまれているそうですよ。
海上監視のための遠見番所 ダテイクチデイ
東崎から少し行くと、積み上げられた石で囲われた小さな遺跡がありました。
ダテイクチデイというそうです。
17世紀に琉球王朝が海上監視のため、東崎のすぐ近くにこの遠見番所である火番小屋を建てさせたそうです。
ここに見張り番を置き、知らない船が来ると見張り番が馬に乗って村まで行き、船が来たことを伝えたとのこと。
高いところにあるので、海上監視の場所としてはうってつけのようです。
陸側の景色も、畑や草原が広がり、遠くには山が。島を広く見渡せる素敵な景色でした。
東崎から西端の久部良集落まで大移動
さて、この時点で夕方の午後4時近く。この日の宿は島の西側、久部良集落にあるので、これからほぼ、島の端から端まで移動しないといけません。
はたして大丈夫か?
高台から道を下って前日泊まった祖納集落まで来てちょっと休憩しようとしました。
しかし、残念ながらカフェが開いていなかったのでそのまま集落を通り過ぎ、西へと向かいました。
途中でお土産屋さんがあったのでお土産探しがてらアイスを食べて少し休憩し、さらに進んで島のちょうど真ん中あたりに位置する与那国空港の喫茶店でさらに30分ほどお茶しました。
そこからさらに30分ほど進んだでしょうか。久部良集落の宿、「てぃだん」にたどり着きました。
時間は午後6時前。たくさん休憩を挟みながら2時間くらいかけて到着です。
この日の移動は島の周囲の約4分の3、距離にして25kmくらいはあったと思いますが、アップダウンの多い中、それほど疲れることなく完走することができました。
さすが電動自転車です。
つづく。