台鉄高雄駅から4つ目、東西に走るMRTでもアクセス可能な「鳳山」にある「鳳儀書院」は台湾最大規模を誇る清朝時代の名門校。1814年設立から200年を機に2014年修復を終えリニューアルオープンされ一般公開が始まりました。
展示方法がユニーク!な書院の様子をご紹介いたします。
書院とは
今でいう学校ですね。科挙の試験を受ける学生たちがここで勉強していました。鳳儀書院には試験場が36部屋(現在は5部屋のみ残る)、学生宿舎、穀物倉庫、祭祀空間もありました。日本統治時代は病院や役所の宿舎になり、戦後は賃貸住宅として利用されていました。
中庭と書院正面
入口から入ってまず目に飛び込んでくるのは広々とした中庭、と共に、いました!再現人形たち!
再現されているのは鳳山牛市場の様子と偉い人が視察に来ている様子。
▲ 牛の牽引力を試している
▲ 牛の口に手を入れ歯の具合を調べている
牛は農業において重要な動力源。牛の売買では手数料を支払い、正式に契約を結ぶなどしっかり管理運営されていたことが再現されています。
仰々しい行列の“偉い人”とは鳳山県知事の曹謹。
書院正面で知事を迎えているのは書院の理事。
▲ 生徒には厳しそうなお顔です
水利専門家でもあった曹謹は、護岸壁や砲台、城門などを築き、付近に流れる高屏渓の水を町内に引き込み灌漑用水路を構築、鳳山の農業の発展と町造りに貢献した人物です。
▲ 今も残る水路
授業風景
科挙には文科(文官になる)と武科(武官になる)がありました。講堂では文科受験のための授業が行われています。
これはいたずらをして立たされているの図でしょうか。
▲ 反省の色が見えません!
溌剌と授業に取り組んでいる青少年(手前)と寝ている人物とでは年齢差を感じます。これは私塾を終え最初の試験「童試」を受ける若者と、既に「童試」に合格し次の「郷試」を受ける(書院での)長老者との差を再現しています。何度も浪人して年老いた生徒もいたというわけです。
講堂前の広場では武科試験のための練武が行われています。
立派な武官目指して頑張れ!とつい応援したくなる辛そうな表情です。
▲ なかなかいい体つき!
現代の授業風景とも重なる部分もあり、再現人形たちに親しみが湧いてきます。
科挙に関する展示室
科挙を受けるまでの流れや、受かってからの文官への長い長い道のりがイラストで紹介されています。
▲ 再現されている宿舎兼試験会場
説明パネルのイラストもユーモアたっぷり!
▲ 出世への階段は今も昔も厳しく長い道のり
堅苦しく地味なイメージの書院が表情豊かな人形たちによってコミカルな場面へと変換され、楽しみながら科挙制度の理解を深めることができました。
ぶさかわ人形たちと共に200年前の学び舎へタイムスリップしてみてはいかがでしょうか?