宜蘭市は宜蘭県の県庁所在地。絵本作家、幾米(ジミー)とコラボした駅舎が出迎えてくれる宜蘭駅から街歩きを始めます。昔はお城があった城下町で、そのお堀跡が環状道路となっているのが特徴です。中心部には 宜蘭設治紀念館 の他にも興味深い見所がいくつか点在しています。
宜蘭酒廠
100年余の歴史がある台湾で最も古い酒工場。敷地内にはいくつかの建屋があり、それぞれ自由に見学が可能です。
甲子蘭酒文物館にはお酒の歴史やお酒の種類などが学べる展示が。
台湾赤麹館には赤麹に関する展示と売店が。頭城の阿宗芋冰城の支店もありました。
圧巻の酒甕が並ぶのは酒銀行。
お酒を買ってここに保管し年数かけて熟成してもらうという仕組みで、お酒を預けると通帳が発行されるそうです。
利息が熟成という、付加価値が付く酒銀行。子供が生まれたらお酒を買い、預け、お祝いのときに飲むという風習があるそうですが、それ以外にも何年か後の誰かへ、といった希望も預けられる。何ともロマン溢れる素敵な銀行ではないですか!
津梅棧道
宜蘭河に架かる慶和橋は車専用。その橋に沿うように歩行者、自転車用の桟橋があります。
橋の中央部には慶和橋の真下、宜蘭河の真上でくつろげるスペースが設けられています。
河川敷は緑豊かで広々。市民の憩いの場となっています。橋をバックに撮影を楽しむ人もいました。
宜蘭磚窯
宜蘭県に20余りあった窯のうち、最も原型に近く保存されていると言われる煉瓦窯。
日本統治時代に創業し、煉瓦製造が衰退した1980年代には操業が停止されました。保存状態の良い13の焼成室からなる窯は現在も焼成が可能な状態にあるそうです。
巨大な煙突の高さは37M。分かり易い登り窯の図解パネルなんかも展示されていました。
羅東夜市
宜蘭から電車で移動し、宜蘭エリアを代表する羅東夜市へ。宜蘭名物グルメの卜肉や糕渣、そして三星蔥を用いた小吃など、ローカル色が濃い印象を受けました。
夜市の中で行列が出来るお店はこちら。常に満席です。3組ほど待って並びましたが、回転が早いのですぐに着席できました。
店名にある「當歸(とうき)」は漢方の一種で、体を温めたり貧血などに効果があるそう。スープは透明で癖がなくむしろ味が薄くて物足りない感じでしたが、羊肉との組み合わせは血の巡りを良くする最強のスープだとか。一緒に頼んだ湯青菜(青野菜の湯でたもの)のトッピングの魯肉が最強に美味しかったです。
▲ 當歸羊肉湯と湯青菜
街歩き、夜市を楽しんだ後は 温泉郷の礁渓 へ戻りました。
山、平野、海と沢山の景勝地がある宜蘭県。農業が盛んということもあり、地の物を新鮮に頂けるグルメの街でもあります。今や台湾全土に広がっているスイーツ、花生捲冰淇淋(アイスとピーナッツの春巻き)も実は宜蘭が発祥でした。
観に、食べに、安らぎに、台北からわずか1時間の宜蘭へ是非足を運んでみてください!