昔ながらのラーメンに入った「ナルト」を食べながらふと思ったのが、今回の旅路の発端。
「このナルトと鳴門の渦潮って、どっちが先に生まれたんだ?!ともかく、現場へ行ってみよう」
という事で、徳島の鳴門市へ、「鳴門の渦潮」を観に行ってきた。
そもそもそんなに簡単に観られるの?
鳴門の渦潮は、徳島県鳴門市と兵庫県南あわじ市を隔てる「鳴門海峡」で発生する渦潮で、その大きさは最大で直径20mにも及び、世界最大規模の渦潮と言われている。渦潮は月に二回訪れる、大潮の時期に多く観ることができ、鳴門の渦潮の場合は、特に3月下旬から4月下旬が一番巨大化しやすい。
鳴門のダイナミックな景観と、渦潮の奇観は、国の名勝に「鳴門」として指定されている。
迫力の大鳴門橋!千畳敷展望台で日の出を拝む
という事で、4月下旬の大潮の時期に鳴門海峡へやって来た。日の出前である!
まず訪れたのは、千畳敷展望台。鳴門海峡に架かる大鳴門橋の雄姿を眼前に眺めることができる。
渦潮は一年中観ることができるが、「大潮」であることと、「満潮か干潮の前後約二時間」という条件が揃えば、期待度はかなり高い。「中潮」の「満潮か干潮の前後約一時間」もチャンスはある。その他の時間帯では渦潮はほとんど出来ないので、後々紹介する各遊覧船や「渦の道」のHPで事前に潮見表を調べておこう。
眠たい目をこすっていると、淡路島から朝日が昇って来た。
実は千畳敷展望台に早朝に来たのは、ハリキリ過ぎちゃったからでは無い。大鳴門橋と、鳴門海峡を染める朝日を眺めるべく、神奈川から夜通し車を走らせやって来たのだ。
渦潮は見えなかったけど、千畳敷展望台からの日の出は絶景だった!
ワクワク度MAX!鳴門の渦潮を船から間近に観る
お次は、船から渦潮を観る!観光船は徳島側から2社、淡路島側からは1社が運航している。今回は、一番早い時間に出航する「うずしお汽船」に乗ってみることにした。それぞれの観光船の特徴や出航場所・時間は、各HPに詳しく載っている。
いざ出航!と同時にかなりのスピードで海峡へ向かう。速い速い!朝日がまぶしい!ワクワク度は一気にMAXへ!!
あっという間に大鳴門橋の真下に到着。スケール感が凄すぎて、渦潮抜きでもかなり楽しめる。
ふいに、乗組員の人が、どこそこに渦潮が出来ていると、教えてくれる。船もそちらへ向かい加速する。
おぉ~これが鳴門の渦潮か!凄いド迫力。デッキに殺到する人々の頭の上から懸命にシャッターを切る。それにしても、渦潮にかなり近い。ちょっとビビってしまうレベルだ。
渦潮撮影は難しい。揺れるし、人も多いので、場所取りもけっこう重要だ。意外と発生時間も短い。どこにできるかも、予測が難しい。
大きいのは上手く撮れなかったけど、小さくて可愛いのはなんとか撮れた。これは遠くからだと見えないし、少しずつ渦潮の形に海が変化していくのが不思議で面白くて、そして「愛着」がわいた!
迫力満点!大鳴門橋45mから見下ろす「渦の道」
最後に、「渦の道」へ行ってみる。渦の道は大鳴門橋の下側に造られた空中遊歩道で、海上45mの高所から、真下に鳴門の渦潮を観ることができる。
遊歩道は、写真の右端の方。上はもちろん高速道路なのでトラックやバスが走るとちょっと揺れて、けっこう恐ろしい。
遊歩道は所々ガラス張りになっていて、海峡の潮の流れがよく見える。世界三大潮流と言われるだけあって、凄い速さで潮が流れているのがよくわかる。あまりの高さと臨場感に足が竦む。
鳴門海峡は、豊後水道(瀬戸内海の西側の入口)から流れてくる満潮時の波と、紀伊水道(瀬戸内海の東の入口・鳴門海峡の南側)に流れてきた満潮時の波が播磨灘(鳴門海峡の北側にある)で合流し、ちょうど紀伊水道が干潮になった時に、合流した波は鳴門海峡へ到達する。この時、播磨灘と紀伊水道の干満の潮位の差が1.5mにもなる。
当然、潮は高い方から低い方へと流れていく。海峡の中央を、播磨灘から紀伊水道へ一気に流れ出るため、遅い流れのままの、海峡の両側と速度差が発生し、そこに渦ができるという。
渦の道では、パネルなどに渦のできる仕組みや、徳島の美しい景色などが掲示されている。鳴門海峡の雄大な景観と共に、空中散歩を楽しむことができる。
お土産もちょい食べも大充実!鳴門でいっぷく
鳴門の渦潮を堪能したら、お土産やグルメも満喫しよう!エスカヒル鳴門に併設の「アイスクリームショップ パーク・イン」に立ち寄ってみた。金時芋の上に、大胆にソフトクリームを載せ、金時芋の皮のチップがオシャレな「鳴門金時芋ソフト」は絶品。金時芋は、カップの下部を持てない程ホクホクで、ヒヤヒヤのソフトクリームとの奇跡的なコラボが美味しい!塩味の効いたチップも良い感じのアクセント。
旨辛の唐辛子が乗った「みまからフランク」。これも逸品!通常のケチャップとマスタードに「みまから」をトッピング。みまからとは、徳島県美馬(みま)市で栽培された青唐辛子で、風味が豊かで、激辛。舌にビリリっとくる感覚は、辛いもの好きならクセになること間違いなし!
カフェとはいえ徳島五大麺と称される「鳴ちゅるうどん」や「徳島ラーメン」も食べられる徳島グルメの充実ぶり。パーク・インの他にも鯛めしや竹ちくわなど、徳島名物を食べられるお店は周辺に散在している。
自分の運を信じて「鳴門の渦潮」を観に行こう!
鳴門の渦潮は、先に説明したように、事前に時期や日取り、時間を調べておけば、かなり「観潮」の可能性は高めることができる。それでもやはり自然現象なので、天候にも左右されるし、必ず大きな渦潮に出会えるという保証はない。ただし、渦潮以外にも海峡のダイナミックな景観や、雄々しくも繊細な大鳴門橋、鳴門グルメなどなど、渦潮以外の見所も多く、リゾートホテルや旅館も充実しているので、のんびり滞在して渦潮観測に万全を期するのも良い。
ところで最初の疑問。ラーメンに入っている「なると」は、やはり鳴門の渦潮から得た名前らしく、生産は静岡県焼津市で全体の70%を生産しているという。鳴門地域が発祥ではなさそうで、単に姿かたちが似ているから、そう呼ばれ始めたらしい。
四国を訪れるなら、まず旅の1ページ目に「鳴門の渦潮」を書き込んでみては如何?