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2017-02-21

【エジプト】世界遺産条約発足のきっかけとなった遺産、圧巻のアブ・シンベル大神殿!

 

救われた遺跡

アスワン・ハイ・ダムの建設でダムに沈む危機だったヌビア遺跡。
歴史的価値のある遺跡群を救ったのがユネスコのヌビア水没遺跡救済キャンペーン。
世界60ヵ国もが賛同し、技術支援や考古学調査支援を受け、ヌビア遺跡群のひとつ、アブ・シンベル大神殿を解体し、別の場所に移すという大プロジェクトが実施されました。

 

これがきっかけとなり、歴史上価値のある遺跡や建物、自然などを守っていかねばならない!という考えが生まれました。
アブ・シンベル大神殿は世界遺産を語るうえで重要な遺産と言えるでしょう。

 

とにかく「スゴイ」!

紀元前1264年~1256年に造られ19世紀まで砂に埋もれていたアブ・シンベル大神殿。
発見されたこともスゴイけど、移築されたこともスゴイ。
いや、そもそも、造ったことがスゴイ!

 

「スゴイ」という言葉しか出てこない自分の語彙力のなさに呆れてしまいますが、想像すら及ばない遥か昔にこれを設計して建てたわけで。
建築を命じたファラオ(王)の名前ばかり前面に出ていますが、建築に携わった人々が大勢いたことでしょう。尊敬の念が隠せません。

 

大神殿、その実態は?

古代エジプト第19王朝のファラオであるラムセス2世は“建築王”とも呼ばれ、彼が残した建造物は多く、その中でも最大なのがアブ・シンベル大神殿。
当時ヌビアはアフリカ内陸部と北部をつなぐ交易都市として栄え、潤い、その財力でナイル川にせり出す岩山を掘って神殿が建てられました。

正面には堂々たる4体のラムセス2世像。

左から2つ目の顔は地震によって崩れたもので(神殿完成7年後)、崩れたままの状態で移築されました。

 

入口頭上にはハヤブサの頭を持つホルス神。

王はホルス神の化身であるといわれており、エジプト神話の中でもホルス神は英雄的存在。

 

ラムセス2世の足元には第一王妃ネフェルタリが。

最も寵愛を受けていたとされる王妃がお膝元に佇む姿が可愛らしい。

 

内部は撮影禁止。
パネルを使ってガイドさんから説明を受けました。

計8体のラムセス2世が立つ列柱室には色が残る鮮明なレリーフがあり、躍動感溢れる戦いの様子などが刻まれています。
ラムセス2世の雄々しい姿に胸キュンする人も多いはず!

 

神殿奥の至聖室に並ぶ4つの像の内3つ(右から2番目のラムセス2世含む神々の像)には10月22日と2月22日に太陽の光が照らすという神々しい仕組みまで設計されています。

 

王妃のための神殿

大神殿の近くには王妃ネフェルタリのために、愛と美の女神ハトホルを称えて造られたアブ・シンベル小神殿があります。

 

正面には2体のネフェルタリ像と4体のラムセス2世像。
ラムセス2世に挟まれるようにして立っているネフェリタリ。

王様と王妃が同じようなサイズ感、扱い方で表されているのは大変珍しいそうです。
いかに愛されていたのかが分かりますね。
残念ながら、この神殿が完成する前にネフェリタリは亡くなってしまいました。

 

砂漠道を行く!

エジプト最南端にある、エジプトが誇る遺跡の一つ、アブ・シンベル大神殿。
アスワンから3時間も砂漠道を行き、やっと辿りついた先で、アスワン・ハイ・ダムによってつくられた人造湖ナセル湖を見つめるラムセス2世とネフェリタリに出会えたのでした。

 

遠い道のりでしたが、ファラオの偉業や輝かしい治世、そして王妃への愛など、想像を駆り立てる圧巻の建造物に感動もひとしおでありました!

 

このしおりのライター

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