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【奈良】地蔵盆とは?空海ゆかりの寺で知る古都の伝統文化

こんにちは、しのわずりです。
太陽の日差しで、おでこがヒリヒリする酷暑が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
旅に出れば、四季折々、それぞれの地方の伝統文化に触れることができます。

古都奈良の観光地と言えば、鹿たちが集う奈良公園一帯、東大寺・春日大社などの世界遺産に、名物が並ぶ奈良町と、奈良駅徒歩圏内に旅の楽しみがぎゅっと凝縮しています。

奈良の鹿たち

でも、古都奈良の文化財は奈良市内にある世界遺産ばかりではありません。
県内各所に名所旧跡が点在しています。

目指したのは、佛隆寺(ぶつりゅうじ)。
最寄り駅の榛原(はいばら)駅からかなり離れた場所にある古刹、バスに乗っても最寄りバス停から徒歩30分、帰りに乗るバスの時間を気にしながらお参りするより、時間に拘束されないレンタサイクルサービスを利用することにしました。

榛原駅~佛隆寺

朝、電動自転車をレンタルできる観光案内所のオープン時間に駅に到着する列車に乗って奈良駅から出発します。

レンタサイクル担当者さんは、行く先が佛隆寺だと知ると、電動自転車のバッテリー予備を用意してくれました(ありがたや~、ちょうど折り返し地点でバッテリー交換することになったのでした)。

気になる場所に留まることしばし。
弘法大師爪書き不動尊や弘法大師の岩清水、お大師様は偉大です。
けっこうな坂道ありましたが、電動なので風を切って楽ちんな道のりでした。

弘法大師の岩清水

平安時代、遣唐使として唐の長安で学び、真言密教を持ち帰った空海(弘法大師)が日本にもたらしたものは仏教だけでなく、大陸の進んだ技術や文化、そして、お茶もその一つです。

「大自然を散策した後は、たった一碗のお茶があれば十分である…」
空海の詩文集にはお茶に関する詩が多くみられ、お茶を大変好んでいたことがわかります。

奈良のお茶栽培の歴史はとても古く、空海が唐から持ち帰ったお茶の種を弟子の堅恵に与え、茶の製法を伝えたのが大和茶の始まりとされています。

堅恵は佛隆寺開祖、寺には空海から拝受した茶臼が残り、境内には「大和茶発祥伝承地」の碑が立っています。
桜と彼岸花の名所佛隆寺の山門に至る石段は、春は桜と茶樹の若葉、秋は彼岸花と、花と緑のコントラストが美しい季節は参拝客で賑わいますが、暑い夏に存在を主張しているのはセミばかりです。

佛隆寺大和茶発祥伝承地の碑

佛隆寺山門に至る石段

地蔵盆

普段の夏の風景と少し異なったのは、寺下で地蔵盆の準備が行われていたこと。
仏教の神様にはその神様と縁を結んで供養する日が決まっていて、その日のことを「縁日」と言います。
お地蔵さま(地蔵尊)の縁日は毎月24日。 たまたま訪れた日である8月24日がその日だったのです。

佛隆寺地蔵盆

地蔵盆に対する興味が俄然わいてきました。
早々に奈良駅に引き返して、例年地蔵盆が盛大にとりおこなわれる世界文化遺産元興寺(がんごうじ)へ。

元興寺は蘇我馬子がつくった日本最古の寺院である飛鳥寺がその前身です。
平安時代の前半期まで南都七大寺の中でも指導的役割を果たし、数々の名僧を輩出して仏教の発展に寄与しました。お盆で知られる盂蘭盆会、釈尊の降誕を祝う灌仏会、文殊会など仏教行事はすべてこの寺から始まったのだそうです。

元興寺

元興寺地蔵会

元興寺

奈良かき氷

地蔵盆に対する興味を満たすためにダッシュで奈良駅に戻ったせいで、お昼ごはんを何ですませたかも思い出せない。
〆のティータイムはダイニングカフェLA TERRASSE ALL DAY DININGで期間限定かき氷。実は、朝から決めてました。
毎年人気の「月ヶ瀬ほうじ茶のカキ氷」。黒ごま、ぶぶあられ、粉ほうじ茶、白玉、黒蜜きなこアイスクリーム…、満足、満足^^

カフェダイニングのカキ氷

月ヶ瀬ほうじ茶のカキ氷

このしおりのライター

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