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【横浜】美しい茶道具でいただくモロッコティーは格別、異国情緒を楽しむ休日

こんにちは、しのわずりです。
ティーインストラクターとして年に1~2回は海外の茶産地を旅していた頃、それがどんなに自由で貴重な時間であったのか知ったこの3年間。

今年1月から月一で開催されている「世界のお茶を楽しむ会」に参加してちょっぴり異国文化を思い出したりする元町中華街でのお茶時間をご紹介させていただきます^^


横浜観光スポット周遊バスあかいくつ

あかいくつはJR桜木町駅を起点に16の停留所を約一時間ほどで周遊する路面電車をイメージしたレトロバスです。
周遊ルート
桜木町駅前

馬車道駅前

万国橋・ワールドポーターズ前

ハンマーヘッド

赤レンガ倉庫・マリン&ウォーク

日本大通り駅県庁前

中華街

元町入口

港の見える丘公園前

元町入口

マリンタワー前

山下公園前

大さん橋客船ターミナル

赤レンガ倉庫前

ハンマーヘッド

万国橋・ワールドポーターズ前

馬車道駅前

発着点 桜木町駅前
元町入口から港の見える丘公園前まで周遊バスに乗ります。たった一つ先の停留所でもなかなかの上り坂なので、スケジュールがタイトな時や暑い夏は乗ったほうが良いです。


横浜山手西洋館のティータイムスポット

アメリカ、オランダ、ロシア、イギリス、フランス5ヶ国と結んだ安政五カ国条約により1859年に横浜港が開港し、中華街や外国人居留地が形成されました。
港が見える丘公園前から歩いて巡れる範囲に歴史建造物が7軒建っています。

①外交官の家 旧外交官内田貞槌氏邸宅
②ブラフ18番館 旧オーストラリア貿易商バウデン氏邸
③べーリック・ホール 旧イギリス貿易商べーリック氏邸
④エリスマン邸 旧生糸貿易商エリスマン氏邸
⑤山手234番館 旧外国人向け共同住宅
⑥横浜市イギリス館 旧英国領事公邸
⑦山手111番館 旧アメリカ人J.E.ラフィン氏邸

ティータイムが目的ならば、何はともあれ、まず山手111番館内にあるカフェ・ザ・ローズ(10:00~17:00)でお茶しましょう。
山手西洋館巡りを終えて帰る時にえの木てい(11:00~19:00)で2度目のティータイムをするためのほど良い間隔がとれます。

▲山手111番館

▲抹茶モンブラン&ティー

▲イギリス館

本日は、イギリス館でタイムアップ。
次の予定に間に合うように横浜山手西洋館をあとにしました。


世界のお茶を楽しむ会

石川町駅から徒歩1分。駅からとても近いけれど、見つけづらいカフェTea philosophy chabako。
こちらで毎月第四日曜日の午前(10:30~12:30)・午後(13:30~15:00)に世界のお茶を楽しむ会が開催されています。年間スケジュールはざっと以下のとおり。

第 1回  1月23日 インドチャイのバリエーション
第 2回  2月27日 キーモン紅茶百花繚乱
第 3回  3月27日 トルコのチャイ
第 4回  4月15日 雨前茶を作る
第 5回  4月24日 春のスコーンパーティー
第 6回  5月29日 超絶無双のファーストフラッシュを堪能する
第 7回  6月26日 モロッコティー
第 8回  7月24日 ダージリンティーマスターのバリエーションティー
第 9回  9月25日 スリランカティーとキリテ
第10回 10月30日 ネパールティーとレモネードティー
第11回 11月27日 サモワールで飲むロシアンティー


モロッコミントティー

お茶が伝わる以前、モロッコではミント湯が広く飲まれていました。
モロッコのお茶の歴史は、ムーレイ・イスマイル皇帝(1672〜1727)の時代、イギリスのアン女王(1665〜1714)がイギリス人捕虜を解放してもらうために湯沸かし(サモワール)2つとお茶を送ったことから始まります。

18世紀、ヨーロッパを経由して運ばれてくる茶は高価だったため、上流階級の飲み物でした。茶が普及したきっかけは諸説ありますが、その中のひとつがクリミア戦争です。
戦争によってスラブ諸国との交易を断たれたイギリスはモロッコのタンジェに大量の茶葉在庫を抱えてしまったことによりモロッコに対して低価格販売を実施したのでした。
茶葉はミント湯の引き立て役として大衆化していつの間にかミントティーとしてお茶のほうが主役になりました。
モロッコミントティーに使用する茶葉は中国の珠茶、通称ガンパウダーと呼ばれる小さく丸まったお茶です。

中国製珠茶はモロッコのスーパーマーケットなどで上のような箱に入って売っています。
砂糖は、伝統的にはスッカルと呼ばれる2kgの円錐形の砂糖をハンマーで砕いて使用します。
「これ大根ですか?」これが砂糖だと気づく人、いませんでしたw

スッカルを砕く時、一般家庭ではかなづちとか使っているらしいのですが、セレモニーで用いられるハンマーは上の画像のように装飾的でありながら非常に重く、これなら2㎏の砂糖のかたまりも簡単に割れそうです。

モロッコミントティーの基本材料はガンパウダー、スッカル、フレッシュスペアミント。スッカルは大きな角砂糖で代用されることが多いです。
ミントはナァナァと呼ばれるフレッシュスペアミント。これに季節や体調に合わせてアブサン、ベルベーヌ(レモンバーベナ)、マジョラム、オレンジフラワー、ラベンダー、サフラン等、ハーブを加えます。

▲モロッコ茶道具

これらの材料をティーポットにつめて、熱々のお湯を注いで数分。高い位置からモロッコグラスにミントティーを注ぎます。

〈モロッコティーセレモニー〉

①香炉で香を焚いて客を迎える
②客にフラワーウォーター(オレンジ、ローズ)を振りかける
③菓子を取り分ける
④客の目の前で茶をいれる
家長やその集団の権威者、いれるのが上手な男性がいれる
シャイ=茶
バラード=ティーポット
カス=モロッコグラス
⑤茶の入ったグラスを配る
⑥客は美味しいという気持ちを表すため、軽く音を立てて飲む

▲アムルー&ゴリーバ

モロッコの代表的スイーツはデーツやアーモンドミルク。
国賓が飛行機からタラップでおりて来た時、結婚式には欠かせません。これからの関係が甘いものになりますようにという願いを込めた縁起菓子なのです。
この日は、アムルー(アーモンド、はちみつ、アルガンオイルのペースト)とゴリーバ(モロッコクッキー)と共にティータイムを楽しみました。


このしおりのライター

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