源泉掛け流しの温泉に入れるお寺があるのをご存じですか?
全国的にも珍しいそんな温泉が、実は栃木県にあるんです!
今回は、奥日光の「日光湯元温泉」にある『温泉寺(おんせんじ)』をご紹介します。
温泉寺とは?
▲温泉寺のご本尊
世界遺産である「日光山輪王寺(にっこうさんりんのうじ)」の別院。
日光を開山した「勝道上人(しょうどうしょうにん)」が、788年に日光湯元温泉を発見し、病苦を救う薬師瑠璃光如来様をお祀りしたのが始まりなんだそう。
温泉寺までの行き方
アクセスは車が基本ですが、バスでも可能です。
バスの場合は、東武日光駅もしくはJR日光駅から「湯元温泉」行きに乗車し、終点の湯元温泉で下車してください。
バス停の近くに灯篭が並んだ道があるので、そこが入口です。
日光湯元温泉は、日本でも有数の強酸性の硫黄泉なので、このあたりからすでに硫黄の匂いを感じることも。
その先にあるこちらの建物が温泉寺。
バス停から3分ほどで着きます。
車の場合は敷地内の駐車スペースを利用できます。
まずは玄関のインターホンを鳴らそう
▲玄関
玄関にインターホンがついていて、鳴らすと奥から管理人の方が出てきてくれます。
入浴料をお納めしましょう。
歴史のある佇まいなので、インターホンも相まって、田舎のおばあちゃんちに来たみたい…。入口からすでに秘湯感…!
料金は一人500円。
日光湯元温泉の日帰り入浴で最安値です。
ただし、レンタルや販売のタオルはありませんので、必ず持参しましょう。
料金を納めたら、管理人の方が浴室まで案内してくれます。
▲浴室前の廊下
秘湯というと「混浴なんじゃないか?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらはしっかり男女別です。ご安心ください。
奥が女性、手前が男性浴室です。
写真の奥に階段があり、冒頭でご紹介したご本尊に繋がっています。
立ち入り禁止ではありますが「本当にお寺の中なんだ。」と感じます。
▲脱衣所
脱衣所はカゴが置かれただけのシンプルな造り。
洗面台はありますがドライヤーはないので要注意。
ガラスの扉の向こうが浴室です。
扉を少し開けただけでも硫黄の匂いを感じます。
いよいよ浴室へ!
ご覧ください、硫黄泉ならではの美しいエメラルドグリーン!
その日によって乳白色になることも。コンディションにより若干色味が異なります。
浴室の広さは6畳ほど。
浴槽は、足を伸ばして入れるのは3人まで、といった大きさ。
ちなみに、男女ともに浴室の造り、浴槽の大きさもほぼ同じです。
すぐ近くに源泉があり、新鮮なお湯が常時かけ流し。
なんとも贅沢です。
洗い場の様子。
桶とイスはありますが、カランはシャワーではなく…
銭湯スタイル。
お湯と水の蛇口があるので、桶に貯めて自分で温度を調節します。
また、シャンプーなどのアメニティは一切なく、唯一あるのは…
固形石鹸のみ。
秘湯感満載です。
写真で見ると少し暗い雰囲気に見えてしまうかもしれませんが、浴室は清掃が行き届いており、清潔感があります。
浴槽がヒノキでできているので、時々ふっとヒノキの良い香りもします。
この日は貸し切り状態だったのですが、その代わり浴槽のお湯が激アツ!
利用者がその都度加水して温度調節をするので、タイミングによってはアツアツの源泉(65℃前後)が浴槽内のお湯の大半を占めている場合があります。
掛け流しだからこそなのですが、気を付けて入浴しましょう。
温泉の成分も強いので、湯あたりしやすい方は長湯も禁物です。
温泉に入って終わりではない!
温泉寺の魅力は、お寺で温泉に入れるということだけではありません。
気づかずに帰ってしまう方が多いので要チェック!
再び玄関の方へ向かうと、廊下のテーブルに何かが置かれています。
お皿の上に、領収書とおせんべいが。
実は入浴料の中に、このおせんべい代も含まれているのです!
格安で日帰り入浴が可能な上に、お茶菓子まで用意しておいていただけるなんて…!
(数年前に訪れた際は緑茶も用意してくださっていたのですが、感染症対策で現在は休止中のようです。)
▲休憩所
お茶菓子は持ち帰りも可能ですが、休憩スペースで涼みながらいただくのがオススメ。
雨の日以外は窓が全開なので、風が気持ち良いんですよ~。
ますますおばあちゃんちみたい…落ち着く…。
縁側で外の景色をぼんやり眺めたり、ゴロ寝してみたり、存分にこの雰囲気を満喫してくださいね。
日光湯元温泉は自然が豊かなので、縁側から見える景色がのどかで、つい時間を忘れてのんびりしてしまうこと間違いなしです。
いかがでしたか?
秘湯感を味わいたい方、日頃の疲れを癒したい方など、ぜひ一度足を運んでみて下さい。