翌日、9:00頃に宿を出発。遅めのスタートです。
悲しい伝説が残る久部良(くぶら)バリ
まずは久部良バリに向かいました。
久部良集落から北の方へ坂道を上がって5分ほどで到着。
こちらが久部良バリの実物です。
一見、何の変哲もない、岩の割れ目です。
しかしここには悲しい伝説があります。
人頭税に苦しむ島では、口減らしのため、村々の妊婦を集めてこの割れ目を跳ばせた、というものです。
本当にそのようなことが行われていたのでしょうか。
今では、そんな悲しいことなど一切なかったかのように、広大な景色の中で静かにたたずんでいました。
周りを見渡せば、岩場と、一面に広がる海。
また、久部良バリの近くに、謎の骨組みがありました。
遺跡か何かか、と思って周囲を探しても案内板らしきものもなく、しかしこの骨組みのすぐ横に、少し広めの駐車場がありました。
想像もつきませんでしたが、後で地元のガソリンスタンドの方に伺うと、昔、製塩所があったそうです。
結構大規模に塩を作っていたんですね。
日本最後の夕日が見える丘
久部良バリのすぐ近くには「日本最後の夕日が見える丘」というところもありました。
こんな景色の中で夕日が見れるといいでしょうねえ。
本当は前日の夕方に「日本最後の夕日」を見たかったのですが、前日は曇り続きで、残念ながら見ることはできませんでした。
この場所から、島の西端である西崎(いりざき)が見えていました。
西崎の方がこの場所よりも西にあって、さらに西崎も結構な丘の上にあるので、この場所よりも西崎の方が、より一層「日本最後の夕日」が見える気がしました。なぜ敢えてこの場所を「日本最後の夕日が見える丘」としているのか?
ちょっと分からないですが、こちらの方がきれいに見れるんでしょうかね。
突然、悲劇が・・・
「日本最後の夕日が見える丘」を後に、出発しようと電動チャリにまたがってこぎ出すと、タイヤが「ガタガタガタ」と音を立てました。
まさかのパンク。。。
自転車を貸してもらうときの注意事項のひとつとして「舗装道路を走り、未舗装の道は走らないで下さい」と言われていました。
注意していたつもりだったのですが、思い返してみると、さっきの久部良バリのところで、少しだけ砂利道を自転車に乗ったまま進んだ気が。。。
なんと不覚な。
とはいえ、どうしようもありません。
とりあえず久部良集落の中心部まで下っていき「ラクにコトー」さんにお電話すると、回収に来て頂けるとのこと。
30分ほどで軽トラで女性の方が来られ、修理代3,000円を追加でお支払いして引き取って頂きました。
昼の石垣島行きの飛行機に乗ることにしていたので残り3時間もないのですが、ここで移動手段がなくなると島の残りの4分の1を回ることができません。
ここからは仕方なくレンタカーを借りることにしました。
ありがたいことに、近くのレンタカー屋さんまで「ラクにコトー」さんの軽トラに乗せて頂きました。
手続きをして車に乗り、再度出発です。
日本の最西端 西崎(いりざき)へ
写真は久部良漁港から見た西崎。港から見ると、西崎は高台の上、かなり高いところにあります。
沖縄では「西」と書いて「いり」と読むようです。西表島も「いりおもてじま」と読みますね。
「日が上がってくるから『あがり』」と同じように、日が入る(沈む)から「いり」のようです。
車はやっぱり速いです。久部良漁港から丘を駆け上って、あっという間に西崎に到着。
西崎の展望台では、与那国島名物のカジキマグロがお出迎えです。
駐車場から展望台に向かう遊歩道を上っていきました。
上り切ったところには「日本最西端の碑」が。
日本最西端なのでこれより西に日本の領土はありません。
運が良ければ、はるか遠くに台湾が見えるそうです(台湾まで110kmほどとのこと)。
この日はしっかり晴れていたのですが、台湾まで見渡せませんでした。残念!
展望台から見える眼下の海。色が鮮やかです。
そして展望台からの久部良漁港と久部良集落。
久部良岳をバックに、絶妙な構図です。
旅の出発地点 比川集落まで周遊
西崎を後にして、最後の4分の1周を回るべく比川集落に向かいました。
途中に自衛隊駐屯地がある以外は特に何もありません。車だと10分ほどであっという間に比川集落まで着いてしまいました(途中にDr.コトーが自転車で上った坂などがありましたが、スルーしました)。
あまりやることもなく、飛行機までの時間もあまりないので、そのまま来た道を引き返します。
帰り道では与那国馬が道路上でお出迎え。
道を空けてくれるまで、車は停車です。のどかですね。記念にパチリ。
再び久部良漁港へ
久部良漁港まで戻ってくると、漁港の一角にテントなどのセットが。
この日は与那国島で年に一度開催される「与那国島国際カジキ釣り大会」の初日で、夕方から始まる大会に向けて準備が進められていました。
昼食は漁港にある海人食堂で刺身定食。もちろんカジキマグロの刺身です。
炙り肉かのような見た目。ほぼトロでした!
電動チャリで回った感想
こうして1日半の与那国島周遊が終了しました。
不安を抱きながらスタートした電動チャリでゆく島周遊の旅でしたが、結果、大正解でした。
期待していた通りに、あるいはそれ以上に、景色を十分に堪能しながらゆったりと自分のペースで回ることができました。
また、アップダウンの多い道中ではありましたが、途中でバテることなく島内を回れました。当初の心配は不要でした。電動自転車の威力は絶大です。
途中でパンクしてしまい、修理代に加えてレンタカー代まで支払うことになってしまったことは誤算でしたが、それは少し運が悪かったということで。
自転車がパンクした後はレンタカーで回りましたが、周りの景色があっという間に過ぎてしまい、自転車で回れば興味を惹かれて立ち止まったかもしれない場所も、見過ごしてしまったかもしれません。
電動チャリの旅は大満足でした。
与那国島はそれほど広くはない島です。
時間が許すなら、電動自転車で回ってみるのもオツなものですよ。