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ローマは建築・芸術好きには堪らない都市です。
ちょっと歩けば美しい教会や古代ローマの遺跡があり、街のそこかしこに名高い芸術家の彫刻が設置されています。
こんなに素晴らしい作品をタダで見られるとか、ローマ太っ腹だわあ。なんて感心しながら散策するのが楽しい街です。

中でもワタシのお気に入りは、ベルニーニの作品群。
ベルニーニは17世紀の建築家・彫刻家・画家で、ローマ教皇の権勢が華々しい時代に活躍しました。彼の豪華絢爛な作品は、現在のローマを華やかに彩っています。

それではローマ・ヴァチカン市国で見られる彼の作品の中から、ワタシの好きなものを10点お届けします!




四大河の噴水

初めてローマを訪れたとき、ナヴォーナ広場で四大河の噴水を見てベルニーニのファンになりました。

ナイル川・ガンジス川・ドナウ川・ラプラタ川を擬人化して造られた、オベリスクを抱える大きな噴水です。
ナイル川を表す人物の横にはヤシの木があったりして、ちょっとエキゾチックな雰囲気です。
「四大河」から昔のローマの人々が考える「世界」ってこんなカンジなのね、っていうのが垣間見えて興味深いです。

インド感のないガンジス川の人。


顔を隠しているのはナイル川。


ワタシがこの噴水を見てなぜベルニーニのファンになったかというと、その躍動感です。

硬い石を彫って作ったとは思えない肉体のリアルさ。触れれば体温が伝わってきそうではないですか。

お澄ましポーズではなく、ふとした一瞬の体勢を表現しているというのもいいです。

「鳩をどけてくれ!」みたいになっていますが。




舟の噴水

ローマは噴水の街です。
四大河の噴水や、ベルニーニ作品ではありませんがトレヴィの泉など、大きな噴水があちこちにあります。

小さな噴水も含めると、ローマには一体いくつの噴水があるのか見当もつきません。というくらいたくさんあります。

ベルニーニの小さな噴水で最も有名なのは、舟の噴水でしょう。


なぜならローマのメジャー観光スポット、スペイン広場にあるから。


「ローマの休日」でアン王女がジェラートを食べたスペイン階段の目の前の広場です。


この広場はいつも混雑していて、舟の噴水をじっくり見るには人を掻き分けなきゃいけないです。せっかく可愛い噴水なのに、ゆっくり見ている余裕がない…。

スペイン広場界隈は観光客を狙ったスリなども多いのでご注意を!




バルベリーニ宮殿

「ローマの休日」繋がりでもうひとつ。バルベリーニ宮殿です。

アン王女が滞在先の大使館から抜け出すシーンで使われた宮殿ですね。
ローマ教皇を輩出した名門・バルベリーニ家のお屋敷です。

大階段の静謐な雰囲気がお気に入り。ローマ市内の喧騒を忘れさせてくれる、落ち着いた建物です。

中はラファエロやカラヴァッジョなどの絵画が展示されています。
2階大広間のフレスコ画はなかなかの迫力。空いていると、ソファに寝っ転がってじっくり天井を鑑賞できます。


バルベリーニ宮殿で気になるのは、あちこちに装飾された蜂の姿。

この蜂は何なのか?
ということで、バルベリーニ宮殿の外に出てみましょう。




蜂の噴水

蜂の正体は、バルベリーニ家の象徴です。
バルベリーニ家の紋章が3匹の蜂なんですね。それで宮殿のそこら中で蜂を発見できるというわけ。

バルベリーニ宮殿の近くには、ベルニーニ作の蜂の噴水があります。

ワタシは、前世は蜂に刺されて死んだんじゃないかってくらい蜂が嫌いなのですが、バルベリーニ家の建造物には必ず蜂があるのでちょっと可愛く見えてきました。
ローマを回るテーマとして「バルベリーニの蜂探し」なんてのも楽しいかもしれません。

バルベリーニ広場界隈は落ち着いた雰囲気で、レストランやカフェなども多く、のんびりするにはいい場所です。
そして、バルベリーニ広場にあるベルニーニの作品、トリトーネの噴水の紹介をなぜしないかというと、ワタシが行ったときは修復工事中で見られなかったからです…!




聖テレジアの法悦

お次はサンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会の中にある聖テレジアの法悦です。

サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会は、外観はごくシンプルなのですが中は豪華絢爛。


その一角にあるのが聖テレジアの法悦です。


これがですね、教会にこんなの置いていいのか!? と思っちゃうほどエロティックなのです。
聖テレジアの恍惚とした表情もさることながら、手や足先の表現が官能的。

教会の内装がゴージャスなだけに、余計にギラギラとしたものを感じ取ってしまうのですね。

聖テレジアと天使の横の人達が「破廉恥な!」と言っているようにしか見えない。





ミネルヴァ・オベリスク

官能的な聖テレジアに目眩を覚えたら、お笑い枠? でちょっと一息。
サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会の前にあるミネルヴァ・オベリスクです。

オベリスクの基部にある象の表情が秀逸!

上に乗っているオベリスクが短いのも相まって、可愛らしくユーモラスな雰囲気になっています。
ベルニーニは人物だけでなく動物のデザインにも秀でていると分かる作品です。

さて、ここからは怒涛のボルゲーゼ美術館収蔵作品3連発ですよ!




プロセルピナの略奪

まずプロセルピナの略奪です。
冥府の王プルートがプロセルピナを連れ去る瞬間を捉えた彫刻。
これが非常に肉感的で、美しい作品なのです。


プルートの背中の筋肉!

力強い指と柔らかな太腿!

これが石で出来ているとは思えないほどの質感です。
ベルニーニと同時代に生きた彫刻家は、この作品を見てさぞ絶望的な気分になっただろうなあ。冷たい大理石からこんなに生々しい肉体を彫れるなんて、神業としか思えません。

ケルベロスが可愛いですね。




アポロンとダフネ

こちらも略奪のシーン。アポロンとダフネです。

先程のプルートが大人の魅力なら、こちらのアポロンは若々しさで勝負といったところでしょうか。
いかにも神様らしい固い表情に、却ってぞくっとさせられます。

ダフネが身を捩って月桂樹に変化しようとする瞬間。
この一瞬のち、腕の中の美しい女性が固い木に変わってしまったときのアポロンのショックを想像させる、ドラマチックな作品です。




ダビデ像

さて、数あるベルニーニ作品の中でワタシが現時点で最も好きなのが、このダビデ像です。

ダビデがゴリアテに石を投げんとする瞬間を捉えた作品。
これの何が好きって、ダビデの表情です。

この歯を食いしばった顔が可愛い……!

ダビデをモチーフにした作品は世の中に山ほどありますが、こんなに素晴らしく少年の一生懸命さを表現した作品は他にはないんじゃないか。と思っています。
聖人然としたダビデ像より、ベルニーニの母性本能をくすぐられるようなこのダビデ像の方がハートに突き刺さります。




サン・ビエトロ大聖堂 祭壇の天蓋

さて、最後はヴァチカン市国から。
サン・ピエトロ大聖堂の祭壇の天蓋です。

サン・ピエトロ大聖堂はカトリックの総本山なだけあって、ほかの教会とは規模が桁違いです。大きさもスゴいし、有名作家の美術品がぎっしり並べられた様子も圧巻。
その中でもベルニーニの躍動感溢れる祭壇は一際目立ち、ヴァチカンの中心を堂々と飾っています。

高さが30メートル近くあるので上部の仔細を肉眼で見ることはできないのですが、サン・ピエトロ大聖堂で執り行われる大きなミサをテレビ中継するときは天蓋をじっくり映してくれます。




ローマ・ヴァチカン市国のベルニーニ作品10点をお送りしましたが、ベルニーニの傑作は10や20どころではありません。
ローマへお越しの際はぜひベルニーニ作品の美しさを堪能してください!




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