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2019-01-05

【奈良】古代ロマン溢れる「明日香村」で、飛鳥時代の謎多き史蹟を巡る旅

奈良県明日香村は「日本のはじまり」の地であり、「日本の心のふるさと」と呼ばれるに相応しい日本の原風景を体感できる場所。日本の歴史を振り返り、想像を膨らませ、さらに田畑の下に埋もれているかもしれない何かに思いを馳せる・・・。そんなロマン紀行に出掛けてみませんか?




国営飛鳥歴史公園内唯一の宿泊施設に泊まる!

飛鳥観光の拠点に最適なのは国営飛鳥歴史公園内唯一の宿『祝戸荘』。


本館にレストランと大浴場があり、本館の裏手、山の斜面に離れのような一軒家の客室が数戸建っています。


各部屋には飛鳥時代ゆかりの人物の名前が付けられています。今回宿泊したのは「鎌足」の部屋。なんと20畳のお部屋でした!研修やセミナーなどにも利用される施設なので団体様用に広いお部屋が用意されているようです。


食事は地元の品々を主な食材とする「里山料理」。シンプルながら味わい深く“おふくろの味”的な優しさを感じるものでした。予約制ですがこちらでは古代・飛鳥の宮廷人が食べていた料理を現代風に再現した「万葉あすか葉盛御膳(古代食)」がいただけます。ランチ提供もしているようなので、宿泊せずとも楽しめます。

▲ 朝食と赤米

古代食で出てくるのが縄文時代に日本へはじめて伝わったといわれている「赤米」。赤米を多く炊いたとのことでおこぼれでいただけました。それがとっても美味しくて。お赤飯のルーツともいわれています。明日香村土産として小袋で販売されています。お家で炊いてももっちもちの食感になり、大変美味しくいただけました。古代米にハマりそう・・・





日本最大級の横穴式石室!

蘇我馬子の墓ではないかといわれている『石舞台古墳』。


早くから石室を覆っていた盛土は失われており巨大な天井石が露出していました。方墳もしくは上円下方墳であったとされ、周囲には周濠と外堤が巡らされていました。


天井石の上面が広く平らでまるで舞台のように見えるその形状から古くから「石舞台」と呼ばれ親しまれています。


30数個の岩の総重量は約2300トン、特に天井石は約77トンとかなりの重量。造られた当時の優れた土木・運搬技術の高さがうかがわれます。


この巨大な石室の上に盛土があったのかと思うと、その労力はいかなるものだったのか、誰が設計したのだろうか、歴史の謎は奥深い!





用途不明の石造物!

1. 亀形石造物

駐車場開拓の為土地を整備したら突如現れた石敷き、石段、石垣そして濾過装置。


この下に湧水がありそれを汲み上げ小判形石造物から亀形石造物に水が流れる仕組み。亀形からさらに左方向へ水路が伸びています。この水路はどこまで伸びているのかは不明。土地を掘り起こせばその遺構が分かるかもしれませんが今となっては永遠の謎。


何故亀形なのか、この水は何のために使われていたのか、使用用途は今もって謎ですが、現在は斉明天皇の祭祀に利用されていたのではという説で落ち着いているようです。




2. 酒船石

表面に円や楕円のくぼみとそれを繋ぐ溝が掘られている巨大な花崗岩。


両端は残念ながら削られてしまっており、元来の模様全体図が分かりません。酒造りに使用したとの言い伝えがありこの名が付いたそうですが、酒造りにしては小さすぎる溝のような気がします。




3. 亀石

巨大な花崗岩に亀に似た彫刻が施されています。


当麻の蛇の仕業で湖が干上がって死んでしまった亀を弔ったもので、現在は南西を向いているこの亀が当麻の方向である西を向いた時、大和国一帯が泥の海に沈むという怖い伝説が残されています。





シルクロードの終着点!

日本最古の本格的仏教寺院『飛鳥寺』。


当時は五重塔があり、搭を中心に3つの金堂が建ち、それらは回廊に囲われ、四方に門がありました。昭和31年からの発掘調査により飛鳥で最大規模の寺院であったと解明されています。


本尊の釈迦如来座像(飛鳥大仏)は日本最古の大仏様で飛鳥時代から1400年、ずっとこの場に鎮座しておられる奇跡の存在です。


シルクロードの終着点、そして日本仏教の出発点。飛鳥寺こそが日本仏教のルーツといえるのではないでしょうか。


寺の西側、西門跡近くには『蘇我入鹿の首塚』と呼ばれる五輪塔があります。


大化の改新のとき、中大兄皇子らに約600~650M離れた地で切り落とされた蘇我入鹿の首がここまで飛んできたという伝説があり、入鹿の超人的な首飛翔に恐れおののき、その祟りを祓うために首塚が建てられたそう。





甦った飛鳥美人!

7C末から8C初頭にかけて築造された終末期古墳、二段式の円墳『高松塚古墳』。


昭和47年、日本で初めて石室内に描かれた彩色壁画が発見されました。外気に触れたことでカビなどが発生しこのままでは壁画が劣化する!ということで平成19年に石室全てを墳丘から取り出し、現在は別棟の修復館で保管されています。


壁画館に展示されているのは模写再現されたもの。現物は年に1回(不定期)公開しているそうです。


館内は撮影禁止なので画像はパンフレットをスキャンしたものです。


特に有名なのは西壁の「女子群像」で「飛鳥美人」と呼ばれる画。


被葬者については、皇族、皇子説、有力豪族説とありますが特定されていません。

比較的近年での発見、今もどこかで埋もれているかもしれない古代美術があるかと思うとワクワクします。





四神像の画が残る石室!

高松塚と同時期の古墳、二段築成の円墳『キトラ古墳』。


高松塚に続く、わが国二例目の大陸的な壁画古墳。こちらの発掘には高松塚での失敗例(外気による劣化破損)を考慮しファイバースコープなど高度技術を駆使し発掘が進められました。調査の結果、壁画は薄い漆喰の上に描かれていることが判明、漆喰が剥落する危険性が高かったため、約6年4か月の歳月をかけ1143片に分けて全ての壁画の取り外し作業が行われたのです。


発掘作業の様子や石室内に描かれていた壁画は保管管理施設「四神の館」に展示されています。


石室天井には現存する世界最古の本格的な中国式星図。


四方の壁面には天の四方を司る神獣の四神(青龍・朱雀・白虎・玄武)図像。


この四神全てが揃う古墳壁画はキトラ古墳壁画のみ!
気が遠くなるような緻密な作業のお陰で、古墳時代の文化を目にすることができるのです。




伝説は残るものの今なお解明できない歴史に埋もれた真実も多く、謎だからこそ今見るこの土地とリンクさせて想像を膨らませることができるのです。緑多き明日香村で古代の風を感じながら脳内VRを楽しむ旅に出掛けてみてはいかがでしょうか。




このしおりのライター

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