日本全国に16万基あるとされる古墳。時の権力者の墳墓として築かれ、権力の強さと古墳の大きさは比例していたようです。確かにあった古墳時代。その時代に生きた人々がいて、文化があった。と思うとロマンを感じるのは私だけでしょうか。
埼玉県行田市には、さきたま古墳群をはじめとする10もの古墳群があり、150基以上の古墳が確認されています。いくつか訪れた古墳の中で、整備され実際立ち入ることができる古墳をご紹介いたします。
さきたま古墳群
9基の大型古墳からなる古墳群
〇稲荷山古墳
全長120Mの前方後円墳
5C末頃、さきたま古墳群の中で一番初めに造られた古墳。後円部頂上に2つの埋葬施設が発見されました。
出土した副葬品のひとつ「金錯銘鉄剣(きんさくめいてっけん)」は国宝に指定されています。
→さきたま史跡博物館には鉄剣の他、ヒスイの勾玉や鏡、大型埴輪や馬冑(ばちゅう)などの鉄器も展示されています。その時代を紐解く重要な手がかり、古墳と合わせて見学してみては。
〇丸墓山古墳
直径105M、日本最大の円墳
墳丘の高さは19M、さきたま古墳群の中で一番高い古墳。6C前半頃に築かれたと推定されています。秀吉の時代、石田光成の陣が張られた場所でもあります。
→一番高いだけあって見晴らしが良く、忍城まで眺めることができました。桜の名所でもあるので春にまた訪れたいです。
〇将軍山古墳
全長90Mの前方後円墳
前方部には将軍山古墳展示館があり、土層断面や横穴式石室の実物大のレプリカなどが展示されています。
→入館チケットはさきたま史跡博物館と共通。古代蓮の里の入場券を提示すると割引(200円→120円)になります。
若小玉古墳群(わかこだまこふんぐん)
小型の円墳を中心とした多数の古墳が密集して築かれた古墳群
〇八幡山古墳
直径約80Mの大型の円墳と推定される
土地開拓で古墳を崩した際に石室が現れ発掘調査が開始されました。八幡山古墳は若小玉古墳群の中心となる古墳で、7C前半に造られたと推定されています。復元された石室は全長16.7M、南を正面とする前・中・後室の3室からなっています。
奈良県明日香村の石舞台古墳に匹敵する巨大な石室であることから、「関東の石舞台」とも呼ばれています。
→天井の一枚岩の大きさにびっくり!壁の石積みもまるでインカの石積みのようだなと思いました。
古墳巡りの〆は古墳カレー!
正式名称は「さきたま古墳群・古代米カレー」。古代米カレーの定義に基づいて各店舗がオリジナルのカレーを提供しています。
古代米カレーの定義とは
・行田産の古代米とオリジナルのカレールー
・地場産の食材を最低一品使う
・ライスはものつくり大学(行田市)が制作した木型を使って盛りつける
前方後円墳型ライスが可愛い!!!
カレーを周堀のように盛り付けてみました。
今回は国登録有形文化財の高澤記念館のカフェにていただきました。
江戸時代後期に建てられた豪農の屋敷で、陶芸や染色のギャラリーとしても利用されています。
涼しげな盛り付けで登場した手作りケーキも美味しかったです。
“古墳”として形状を残し整備されているものから“古墳跡”は分かるけれど削平されてしまったものまで様々ですが、約1500年もの時が経ってなお遺構が分かるということが素晴らしいことだと思います。これから発見されるものもあるかもしれませんね。
お子様は夏休みの自由研究に、大人は古代の風を感じに、古墳巡りに出掛けてみてはいかがでしょうか。
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