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明治日本の産業革命遺産の一つとして登録されている軍艦島(正式名称:端島)。
長崎港から約19kmの沖合に浮かぶ周囲1.2kmほどの小さな島は、明治23年(1890年)に海底炭鉱として本格的に操業が開始されました。
最盛期には約5,300人もの人々が住み、人口密度は、実に東京都の約9倍、日本一の超高密都市を形成していました。
日本初の鉄筋コンクリート造の高層アパートなどが建設され、廃墟となった今でも、まるで別世界に迷い込んだかのような不思議な光景を目の当たりにすることができます。

軍艦島の見学には、ツアー参加が必須

軍艦島に上陸し見学するためには、必ずツアーに申し込む必要があります。
複数のツアー会社が、毎日午前と午後に1便ずつツアーを催行しており、各社インターネットでオンライン予約可能ですので、事前に申し込みましょう。
そして、今回参加したのはシーマン商会と言うツアー会社。
他社よりも料金が安く、かつ少人数制のためじっくり見学できると思い選びました。

港を出航すると、最初は長崎港沿岸に点在する造船所などを左右に見ながら、船は進みます。
ちなみに、写真のほぼ中央にあるクレーンは世界遺産に登録されている「長崎造船所ジャイアント・カンチレバークレーン」。

やがて、船は長崎港の玄関口にかかる女神大橋をくぐり、外海へ。
軍艦島までは、約45分の航海です。しかし、美しい長崎の景色と眺め、ガイドさんの解説を聞きながら進んで行くので、あっという間です。

右前方に軍艦島のシルエットが見えてきました!
樹木などはほとんどなく、コンクリートの防波堤や建造物などの人工物に覆われ、他の島々とは明らかに異なる、なんとも不思議な光景です。

まずは、島の外周から迫力ある光景を見学

上陸する前に、軍艦島の周りを船でぐるっと一周してくれます。至近距離から眺める光景はまさに迫力満点!
軍艦島に上陸して見学できるのは、主に島の南側。そのため、島の西側に密集している高層アパート群などは海からしか見られません。

島の北側にある大きな建物は、7階建ての端島小中学校と、住戸数が300を超える巨大な65号棟アパート。
学校は、他の建物とは異なり、開口部がとても大きいのが特徴です。4階までが小学校、その上階に中学校や講堂、特別教室などが設置されていました。

島の西側にまわると、林立する高層アパート群が見えてきます。低層階には、商店や共同浴場などがありました。また、別棟には病院や郵便局、映画館などの娯楽施設もあり、島内だけで生活の全てがまかなえるようになっていました。
そして、これらの建物の多くは空中回廊で結ばれ、いちいち下に降りなくても、別の建物に移動できたとのことです。
今では当たり前のことですが、戦前から戦後の時代に、近未来的な立体都市がつくられていたというから驚くばかり。

そして最後に、もっとも軍艦島が美しく見える南西部に向かいます。今回は、午後のツアーに参加したため順光で見ることができました。
ここでは、島全体を眺められるよう、わざわざ島から少し離れてくれます。
青い海と空の中に浮かぶ、コンクリートに覆われた島。絶対に見逃せないベストビューポイントです。

いよいよ上陸!

島へは、南東部につくられた小さなドルフィン桟橋から上陸します。
見学は、第1から第3まで設けられた、3つの見学広場で説明を受けながら見学します。
第1見学広場一帯からは、山の裾野につくられたベルトコンベアーの支柱や端島小中学校などを見ることができます。

第2見学広場からは、島内に4つあった竪坑の一つ、第二竪坑坑口桟橋跡を見ることができます。
今にも崩れ落ちそうな写真中央の階段は「命の階段」とも呼ばれ、地下の採掘場に向かう鉱夫が毎日無事に戻ってこられることを祈りながら歩いていたという、とても感慨深い階段です。

その他にも、レンガ造りの総合事務所など、島の中枢を担っていた建物跡を見ることができます。

第3見学広場は、上陸後の見学でハイライトとなるエリア。
目の前にあるのは、大正5年(1916年)に建てられた日本最古の鉄筋コンクリート造の7階建てのアパートです。
風雨にさらされながらも100年前の建物が残っているとは、まさに奇跡の絶景ですね。
しかし、修復不可能でいつ倒壊してもおかしくないとのこと。見るなら今しかないですね!!

すぐ近くには、プールの遺構も。白い破線がプールであったことを物語っていますね。
真水ではなく、海水をひいていたそうです。

見学するなら今しかない!?

今回ご紹介した軍艦島。
世界遺産にも登録されていますが、どの建物も痛みが激しく、少しずつ崩れてきているのだとか。
そのため、あと2年も持たないとも言われており、次回訪れた際に同じ光景を見られる保証はないそうです。

日本の近代化のために重要な役割を果たした、この貴重な光景が風化してしまう前に、ぜひ一度訪れてみてください。

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