奈良県橿原市にある「おふさ観音」。住宅街の一角にひっそりとある町の小さなお寺ですが、境内にバラをはじめとする4,000種類以上の草花が咲く、一風変わったお寺です。橿原市の観光名所として取り上げられることも多いスポットです。
そんなおふさ観音に行ってきました!
350年以上の歴史を持つ「おふさ観音」
JR桜井線「畝傍駅」より徒歩10分、近鉄「八木西口駅」より徒歩12分の場所にある「おふさ観音」。先ほどから「おふさ観音」と言っていますが、正式名称は「高野山真言宗別格本山 観音寺」と言います。
ではなぜ「おふさ観音」と呼ばれるようになったのか?
それは観音寺が創建された理由と深く関係があります。
江戸時代初期の1650年4月、「おふさ」という女性がこのあたりを散歩していると、白い亀の背中に乗った観音様が目の前に現れたのだそう。そこでおふさは小さなお堂を建て、そこに観音様をおまつりすることにしました。これが「おふさ観音」のはじまりと言われています。お堂を建てたのが「おふさ」という女性だったから「おふさ観音」と呼ばれるようになったんですね。
バラをはじめ、4,000種類以上の草花が咲く境内
こぢんまりしたお寺ですが、境内には4,000種類以上の草花が咲き乱れています。本堂の前はバラ園と呼ばれていますが、バラ以外にも四季折々のお花を楽しむことができます。
たくさんのお花を見ることができるにもかかわらず、境内への入場はなんと無料!(本堂内の拝観は300円)。
お寺にバラ園って少し不思議な組み合わせですよね。なんでもバラ園ができたのは、住職の趣味がきっかけなのだそう。花好きの住職が「美しいお花たちによって、訪れる方々の心を少しでも安らげたい」という思いで育てているうち、今のおふさ観音になりました。
今では花いっぱいの美しい境内が調和のとれた仏様の世界のようであることから「花まんだらのお寺」とも呼ばれています。
一風変わったお守りも見逃せない!
おふさ観音は古くから「ご祈祷寺」として知られており、身体健全や病気退散、厄除けといったポピュラーな祈祷内容はもちろん、中には「ぼけ封じ」という少し変わった内容の祈祷もありました。ぼけ封じの祈祷があるお寺は全国を見てもかなり珍しいです。
「ぼけ封じお守り(1,000円)」なんてものも販売されていました。編集部はまだぼける年齢でもないですが、将来ぼけないために購入しました!
こちらは「ぼけ封じ箸(700円)」。さまざまなぼけ封じアイテムが並びます。
秋には「ぼけ封じ大祭」なるイベントも開催されます。ぼけ封じ大祭は、おふさ観音と同じ「大和ぼけ封じ霊場」である「安倍文殊院」と共同で催されます。
リラックスできる日本庭園と茶房
本堂の裏手には、日本庭園の「円空庭」と「茶房 おふさ」があります。散策に疲れたら立ち寄って足を休めてみてください。
残念ながら編集部が訪れた際は、「茶房 おふさ」は営業していませんでしたが、かき氷などの甘味、うどんやカレーなどの食事メニューもあるみたいですよ!
おふさ観音では、イベントも多く開催されており、5月中旬〜6月下旬には「春のバラまつり」、7月初旬〜8月下旬には「風鈴まつり」、10月中旬〜11月下旬には「秋のバラまつり」が開催されます。
ぜひ、おふさ観音に足を運んで、バラ×お寺の美しい光景を堪能してみてください!