本州最北端・青森県の下北半島にある「恐山」は、和歌山県の「高野山」、滋賀県の「比叡山」と並び、「日本三大霊場」のひとつとして知られています。
「あの世」に最も近い場所だとも言われている「恐山」の神秘的な世界を、カメラ片手に巡ってみました!
恐山への玄関口「下北駅」からスタート
恐山の最寄り駅は、JR大湊線の「下北駅」です。
ここからバスやタクシー、レンタカーで恐山に向かいます。
バスの場合は下北駅から恐山までだいたい45分くらい。車だと25分くらいでアクセスできます。
ワタシはレンタカーを借りて向かうことにしました。
ちなみにJR大湊線は「有戸駅」から「吹越駅」間で陸奥湾の浜辺ギリギリを走ります。
八戸方面から下北半島に向かう場合は、進行方向に向かって左側の席に座ると、車窓一面に広がる陸奥湾の景色を楽しめますよ。
山道をドライブして恐山へ
下北駅から恐山までの道のりは混雑もなく快適ですが、山道の途中、側溝に蓋がされていない部分があるため、運転には充分気を付けてください。
レンタカー屋さんのお話によると、側溝に脱輪してしまう観光客も多いそうです。
恐山に入る手前、写真のような景観が広がり、周囲には硫黄の匂いが漂い、すでに下界とは何かが違うような雰囲気を醸し出していました。
こちらの赤い太鼓橋の下を流れる川が「三途の川」(現在は老朽化のため、橋を渡ることはできません)。
橋から下をのぞいてみると、なんとも言えない不思議な色をした川が流れています。
ここが現世とあの世の境目か・・・。
いざ恐山へ!
三途の川を車で渡り、恐山菩提寺の山門前にある駐車場にレンタカーを停めました。
いよいよ恐山に入山です。
境内に掘ったて小屋のような建物があり、何かと思って近付いてみると、なんと温泉でした。
恐山参拝者なら誰でも入浴可能とのこと。
源泉かけ流しで神経痛や胃腸病に効果的な温泉なのだそうですが、窓から浴室を普通に覗けるぞ・・・?
入浴してみたいけど、これは女性には少しハードルが高いかも 笑
恐山の地獄巡りへ
さて、ここからが恐山のハイライト、「地獄巡り」です。
「あの世に最も近い場所」とは果たしてどんなところなのでしょうか!?
白くゴツゴツとした火山岩の地面に無数に積み上げられた岩や石。
遮るものの何もない頭上に太陽の光が容赦なく照りつけます。
そして周囲に漂う強い硫黄の匂い。
平日に訪れたため、他に人がほとんど見当たらないことも手伝い、本当に異世界に迷い込んでしまったかのような感覚に陥り、少々不安になる。
ここが、死者を送り出す場所として信仰されてきたことに納得。
死者が集まる霊場と伝えられていることにも納得。
地獄を巡ったあとにたどり着く極楽
地獄を巡って行くと、足元がゴツゴツの火山岩からサラサラの白砂に変わります。
剣山の噴火でできたカルデラ湖「宇曽利山湖(うそりやまこ)」の周囲に広がるのは、「極楽浜」と呼ばれる白砂の美しい浜です。
湖の正面に見えるのは「大尽山」です。
そして強酸性のカルデラ湖である「宇曽利山湖」の水の色は、エメラルドグリーンや深い青色、黄色味がかった部分もあり、神秘的な雰囲気に満ちています。
荒涼とした景観の地獄を巡ってきたあとに見る極楽浜の鮮やかさは、この世のものとは思えないほど美しく、心を奪われました。
信じられないくらいに澄んだ水をたたえる宇曽利山湖には、酸性に強い魚類「ウグイ」が生息しているそうですが、見つけることはできませんでした。
それにしても去りがたい美しさ。
これから「極楽」という言葉を聞くたびにここの風景が頭に浮かびそうです。
真っ白な極楽浜に、地獄の名残のように石が積まれているのも印象的でした。
現世へ帰還
極楽浜を去り、現世へと戻る道もまた絶景です。
境内のどこからでも見える「大尽山」は、恐山を象徴する景色の一つとしてワタシの頭の中に記憶されました。
恐山からの帰り道、山の途中にある湧き水「恐山冷水」に立ち寄ってみました。
この湧き水は「長寿の水」として、古くから恐山を参拝する人々の喉を潤してきたそうです。
湧き水を手に受けてみると驚くほど冷たく、山をのぼって参拝に訪れた昔の人々はきっと生き返る思いでこの水を飲んだのだろうなぁ、と想像できました。
まとめ
恐山は想像以上に神秘的で、他の場所では感じたことのない異世界感にドはまりしてしまいました。
本州最北端、ちょっと遠いですが、きっとまた行きたくなる予感。
恐山と言えば「イタコ」を想像する方が多いかと思いますが、イタコは年中いるわけではありません。
もしイタコに会いたい場合は、夏の大祭典(7月20日~7月24日)か、秋祭典(毎年10月第2週の3連休)中に行ってみてください。
また、恐山は11月から4月の冬季は入山することができません。
訪れることができるのは5月から10月の半年間だけ!
あなたも一度、神秘体験をしに行ってみては!?