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2019-11-19

【岩手県下閉伊郡岩泉町】往年の客車寝台「ブルートレイン日本海」で宿泊


 夜間の移動手段としてすっかり定着している長距離夜行バスですが、一昔前までは夜行バスよりも夜行列車が主流でした。新幹線がまだ発達していなかった時代、寝ている時間も移動に費やせる夜行列車の存在は大きく、ビジネス客にも重宝されたと聞きます。

 夜行列車といえばブルートレイン、この名称に親しみのある人も多いのではないでしょうか。現在、営業路線上で営業する車両はありませんが、ブルートレインの客車を活用した宿泊施設は国内に数件あります。今回はその一つ、「ブルートレイン日本海」をご紹介します。




小本川を渡って「ふれあいらんど岩泉」に到着

 「ブルートレイン日本海」は「ふれあいらんど岩泉」という岩手県下閉伊郡岩泉町にあるキャンプ場施設の一角にあります。公共交通機関を利用した場合のアクセス方法は主に次の3つが挙げられます。

①三陸鉄道リアス線の岩泉小本駅から岩泉町民バス小本線を利用する方法
②JR山田線の茂市駅から東日本交通岩泉茂市線、岩泉町民バス小本線を利用する方法
③盛岡駅からJRバス東北早坂高原線、岩泉町民バス小本線を利用する方法

 それぞれ、三陸鉄道を楽しむなら①、JR山田線と山間のバス旅を楽しむなら②、ゆったり高速バスのシートで移動するなら③といったところでしょうか。いずれの場合も最終的に岩泉町民バス小本線を利用して「道の駅いわいずみ」停留所で下車します。
 その名の通り、停留所付近には道の駅があります。ここまで時間が無くて食べ物を買ってこられなかったという方も安心。ここで地元の食材や軽食、お土産等を求めることができます(営業時間には注意)。一連の買い出しを済ませたら、道の駅の横道に沿って山側に進みます。そして小本川を橋で渡ると「ふれあいらんど岩泉」に到着です。




早速、往年のブルートレインとご対面

 「ふれあいらんど岩泉」に到着したら、早速「ブルートレイン日本海」とご対面です。往時を偲ばせる風貌がそのまま維持されている状態に懐かしさがこみ上げてきます。
 客車は3両編成で、うち2両が元日本海号のもの、写真の1両は元あけぼの号で使用されていたものです。以前は1両貸し切りという形での宿泊形態でしたが、2018年3月から新たにシートBOX料金という区画単位の料金設定がなされたことにより、個人旅行者でも泊まりやすい環境になりました。

対面を果たした後はセンターハウスで受付を済ませます。




座席から寝台へ。転換作業が自分でできる貴重な体験

 受付でチェックインを済ませたら、職員の方の案内で客車へ。乗降扉をくぐってすぐのところには下駄箱が設置されているので、ここでスリッパに履き替えます。今回泊まるのはA寝台車で、中央の通路の両側に寝台がレール方向に展開しているプルマン式と呼ばれるつくりになっています。現在プルマン式のブルートレインを宿泊施設として活用しているのは当施設が唯一です。

 客車に上がって自分の区画に案内されると、そこには座席の状態のボックスシートが。この「座席の状態」というのがミソであり、この「座席の状態」から「寝台の状態」へ自分で転換するという貴重な体験が当施設ではできます。もともとこうした転換の体験ができるのはプルマン式寝台だからこそなせるもの。何をどのようにして組み立てたらよいかと迷ってしまう人も心配は不要で、職員の方が隣の寝台を使ってきちんと見本を見せてくれます。

 転換が終わってリネン類を敷いたら一通りの準備は完了です。




転換作業が終わったら自由時間。過ごし方は自由自在

 一通りの作業が終わったら、これより消灯までが自由時間になります。その間、車内の設備一つ一つを見学するもよし、食事をとるのもよし、シャワーを浴びるのもよしです。食事をとる場合にはセンターハウスにある休憩室に移動してとります。室内には電子レンジやポットなどが予めそろっているので設備的にはあまり困ることはなさそうな印象です。他にも「ブルートレイン日本海」宿泊者専用のシャワールームがあるので、ここまでの旅の疲れを癒すのも良いです。何より静寂に包まれた車内で日本各地をひっきりなしに走っていた往時を偲ぶのが贅沢な時間かもしれません。


 希少なブルートレインでの非日常的な宿泊の旅、いかがでしょうか。




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