映画「かもめ食堂」の印象的なシーンのひとつに、シナモンロールを焼く場面があります。
柔らかそうな生地がくるくるっと巻かれて、こんがり焼き上げられるのを見て、シナモンロールを食べたくなったのはワタシだけではないはず。
というわけで、本場ヘルシンキでシナモンロールを食べ比べてきましたよ!
フィンランドの国民食? シナモンロール
ヘルシンキの街を歩いていると、シナモンロールがよく目につきます。
パン屋の広告写真にシナモンロール。スーパーのパンコーナーにはシナモンロール。カフェのレジ前にはシナモンロール。
パンと言えば、とにかくシナモンロール。という雰囲気でした。
パリにおけるクロワッサン、東京における餡パン、みたいな立ち位置なのでしょうか。
フィンランドは、世界でもトップクラスのコーヒー消費大国です。
コーヒーに合うシナモンの香りがフィンランド人をシナモンロール好きにさせているのかもしれませんね。
Robert's Coffee(ロバーツコーヒー)のシナモンロールは王道!
まずはRobert's Coffeeから。
Robert's Coffeeはフィンランドのコーヒーチェーン店です。
ヘルシンキ市内ではとにかくよく見かけました。
中央駅周辺では右も左もRobert's Coffeeなんてことも。名古屋におけるコメダ珈琲、みたいな立ち位置なのでしょうか。
内装は店舗によって異なります。カンピ店ではアアルトデザインのインテリアとか。各店で個性があると通い甲斐がありますね。
シティセンター内のRobert's Coffeeは落ち着いた雰囲気。
朝からヘルシンキっ子がたっぷりコーヒーを飲んでいました。
さて、肝心のシナモンロールがこちら。
フィンランドのシナモンロールはアイシングがかかっているのではなく、フロストシュガーがザラザラと乗せられています。
形状は各店・各家庭で個性があるそうな。シナモンロールは、フィンランド語ではコルヴァプースティ。「ビンタされた耳」ですって。言われてみると潰れた耳に見えなくもないですが、美味しいパンにそんな名前って。フィンランド人のセンス、いいですね。
Robert's Coffeeのシナモンロールは両側にキレイに巻きが入っていて、これぞまさにシナモンロール! という形状でした。
食感はもっちり。表面のパリッと感はほぼないです。蒸しパン…? と思うような柔らかさでした。
有名菓子メーカー・Fazer(ファッツェル)のシナモンロールは風味が豊か
フィンランドのお菓子メーカーと言えばFazer。
スーパーのお菓子コーナーに行くと、Fazer製品がどどーんと並んでいます。
棚の占有率と来たら、日本のスーパーのお菓子コーナーの明治とグリコと森永を全て合算したくらい、いやもっとあったかもしれません。
お菓子と言えばFazerしかないんかい! というくらいFazerばかりでした。
世界一不味い飴と言われるサルミアッキもFazerですとも。
そんなFazerはカフェも経営しています。
有名なのはエスプラナーディ公園近くの店ですが、シティセンター内にもあってショッピングの合間に休憩するにはもってこいです。
大人っぽい雰囲気ですね。
机の上に空きグラスが並んでいるのは、こちらのカフェには返却棚がないためです。店員さんがレジ対応やドリンクを作る合間にテーブルを片付けていました。大変そう。
こちらがFazerのシナモンロール。
巻きが偏った形状。フロストシュガーはRobert's Coffeeより多いです。多過ぎて、途中から払い落としながら食べてしまいました…。
シナモンの風味はRobert's Coffeeより強いです。シナモン好きにはたまりません。
そしてRobert's Coffee同様もっちもちの食感でした。
この日は歩き回って疲れていたこともあり、一緒にオーダーしたのはカフェモカ。
カフェモカがかなりのボリュームで、満腹になりました。やはりシナモンロールに合わせるには、普通のコーヒーがよさそうです。
かもめ食堂のシナモンロールには、細やかな心遣いが
ヘルシンキでシナモンロールを食べたい。そんな野望のきっかけとなった映画「かもめ食堂」。
そのロケに使われたお店、その名も「かもめ食堂」のシナモンロールを外すわけにはいきません。
店先の看板を見ると、スモールサイズのシナモンロールを発見。
ヨーロッパのゴハンってボリュームたっぷりで、パンも大きいからおやつに食べるには大き過ぎるんですよね。小さいサイズがあるとは、ありがたいです。
この日は帰国日だったため、シナモンロールは店内で食べず持ち帰り、空港への列車内でコーヒーと共に食べようと企みました。
これがスモールサイズのシナモンロール。
ラップに包まれている辺りが日本的な細やかさを感じます。
サイズ感も日本人にはありがたい。
受け取った時に「お早めにお召し上がりくださいね」と言われたので何かと思ったら、シナモンロールを温かい状態で渡してくれたのでした。
カフェでは商品陳列棚に並んでいる常温のシナモンロールしか食べられなかったので、これは嬉しいです。
せっかくなら温かい内に頂こうと、予定を変更して歩きながら食べました。
かもめ食堂のシナモンロールは、表面がこんがりパリッと焼き上げられていました。温かいので香ばしさがひとしおです。もっちり感はやや控えめ。
ワタシ個人的には、かもめ食堂のシナモンロールが一番好きかもしれません。
本当は、老舗カフェや有名パン屋のシナモンロールも賞味する気だったのですが…何しろ滞在日数とオバサンの胃袋には限りがあり…。
今回食べられたのはわずか3店舗という不満の残る旅となりました。
次回ヘルシンキに行く時は旅程と胃袋のペース配分を熟慮して、シナモンロール食べ比べを極めたいと考えています。