季節も春に変わり、各地で梅が咲き始めてきました。
茨城県水戸市では多くの梅を見ることができると同時に、江戸時代の遺産も見学することができます。
ということで、今回は日本遺産にも認定された「弘道館(こうどうかん)」をご紹介。
例年2〜3月頃には、「偕楽園」と「弘道館」にて「水戸の梅まつり」が開催されています。
偕楽園と弘道館はセットで訪れるのがおすすめ。 “楽しむ場所”である偕楽園と、“文武を学ぶ場所”である弘道館は、一対の施設として創設されたからです。
江戸時代の教育の場! 日本遺産「弘道館」
JR水戸駅から歩くこと8分、弘道館の石碑が見えてきました。
弘道館は、第9代水戸藩主の徳川斉昭が優秀な人材を育成するために創建した水戸藩の藩校。当時の藩校としては最大規模で、学問・武芸から医学・薬学・天文学などまで幅広い分野の武士教育を行っていました。
弘道館の戦いや太平洋戦争などによって建物の大部分を消失してしまいましたが、それでも、正庁、正門、至善堂は当時のまま現存しており、国の重要文化財に指定されています。また、「旧弘道館」の名前で国の特別史跡に指定されているほか、2015年4月には、「近世日本の教育遺産群 ―学ぶ心・礼節の本源―」の構成文化財として日本遺産に認定されています。
玄関に飾られているのは、弘道館の創設者である徳川斉昭と、息子で江戸時代最後の将軍になる徳川慶喜の像。ここで江戸幕府最後の将軍が育ったそうです。
「正門」。普段は空いていないのですが今日は日がよかったのか特別開門されていました。
当時も、正門は藩主が来館する際などにのみ開門され、学生は別の場所から出入りしていたそうです。
文武の大試験やその他儀式などに用いられた「正庁」。
弘道館の入学年齢は15歳で、入試があり、「論語」や「孝経」などから出題されたそうです。今の時代だと高校入試にあたるのかな?
至善堂御座の間にあった、徳川斉昭の自詠自筆の要石歌碑の印刷。
「行末(いくすえ)も ふみなたがへそ蜻島(あきつしま) 大和の道ぞ要なりける」
「日本古来の人倫の大道は、永久に変らないものであり、日本人はこの道を踏み違いするということがあってはならない」という意味だそうです。
授業に使われていた教科書や、有名な『大日本史』も展示されています。
弘道館は、徳川光圀が編纂を始めた『大日本史』の影響を受けた「水戸学」の舞台ともなりました。その思想は吉田松陰や西郷隆盛など多くの幕末の武士に影響を与え、後に明治維新の原動力になったといいます。
約800本の梅が咲き乱れる!
弘道館の敷地内には、多くの梅が咲いていました。
徳川斉昭の意向により設立当初から多くの梅樹が植えられたそうで、その数はなんと約800本! 60品目が植えられており、偕楽園とあわせて梅の名所となっています。
白や
桃色
黄色など様々な色の梅が楽しめます。
数多くの梅を見ることができて大満足。梅がいい匂いで、それに春の陽気も相まって眠たくなってきました。
弘道館は大人が200円、小中学生が100円の観覧料が必要です。
梅は3月の下旬まで見ごろだそうで今から行けば満開の梅に出会えるかもしれません。
今回ご紹介した以外にも周りには様々な見所があるので、これを機に行ってみてはいかがでしょうか。