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2018-01-14

【台湾】宜蘭(イーラン)の発展に尽力した日本人。西郷隆盛の長男・西郷菊次郎

2018年の大河ドラマは「西郷どん」。大河に取り上げられずとも西郷隆盛の名を知らぬ日本人はいないのではないでしょうか。そんな超大物、西郷隆盛の長男、西郷菊次郎はご存知ですか? 先日、宜蘭を訪れて台湾と菊次郎の関係を学ぶ機会がありましたのでご紹介したいと思います。



宜蘭ってどんなとこ?

台湾北東部に位置し一方は太平洋、三方は山に囲まれた風光明媚な台湾の地方都市。扇状に蘭陽平原が広がる地形で、雨量が多く、宜蘭県に流れる河川、蘭陽渓(らんようけい)が肥沃な土壌を育てています。農業が盛んで、特に有名なのが「三星葱」。 「三星葱」は台湾で取れるネギの中でも高級ブランドです。


トップ写真の金柑も宜蘭名物です。手作りの金柑砂糖漬けを販売している露天を多く見かけました。





アクセス方法

台北-宜蘭間にアジア一長いトンネル「雪山トンネル」が開通したお陰で車でのアクセスがバツグンに良くなりました。台北市内からバスで1時間程、そのバスも1時間に4~5本走っていますので日帰りでも十分に楽しめます。台鉄の特急、普悠瑪号(ぷゆまごう)でも1時間。お好みの交通手段を選んでください。


なぜここにキリン?!と度肝を抜かれる駅舎は宜蘭出身の絵本作家、幾米(ジミー)の作品。着いて早々楽しい気分にさせてくれるポップな駅舎です。


駅前にも幾米(ジミー)の世界観を表したオブジェがあり、人気の撮影スポットになっています。





宜蘭設治紀念館で菊次郎を学ぼう

駅から歩いて10分程のところに日本統治時代に建てられた元庁長官邸、現歴史資料館の日本家屋があります。


西郷菊次郎が建設した庁長官邸で、後に宜蘭県の歴代庁長20人が暮らしました。


宜蘭庁長退職後、京都市長としても功績を残し、1928年に亡くなるまで、彼の動向は台湾の新聞でも報じられていたようで、その記事が本となって展示されていました。


和洋折衷の建築様式ですが、室内は畳のお部屋があり、古き良き日本家屋といった感じです。


よく磨かれた板張りの廊下は枯山水の日本庭園に面しており、政務をこなす合間に息抜きが出来たことでしょう。


菊次郎関連のものを含む宜蘭県の200年に及ぶ歴史が学べる資料が展示されています。





菊次郎の功績

1897年、初代宜蘭庁長として赴任した西郷菊次郎は、宜蘭住民の社会基盤整備に力を注ぎました。最も大きな功績とされているのは、1年5カ月の歳月をかけて建設した「西郷堤防」と呼ばれる「宜蘭川堤防」。当時、台風の直撃を受けると蘭陽渓の支流、宜蘭川が氾濫、濁流によって田畑や家が押し流され、さらには疫病がまん延。住民は洪水の被害に毎年悩まされていました。堤防によって水害は起こらなくなったのです。




「宜蘭県の基礎を築いた初代庁長」として語り継がれる西郷菊次郎。宜蘭の町の発展に大きく貢献した人物の一人が日本人、しかも西郷どんの長男。西郷家は逸材揃いです。そんな視点からも今期大河ドラマを楽しみたいと思います!

宜蘭県の見所は別の記事にてご紹介したいと思っておりますのでお楽しみに!


このしおりのライター

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