バルセロナを代表する建築物といえばサグラダ・ファミリアをはじめとする『アントニ・ガウディの作品群』ですが、バルセロナにはもう一人の巨匠、ガウディの師そして最大のライバルといわれたリュイス・ドメネク・イ・ムンタネーの世界遺産『バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院』があります。
花の建築家
作品に共通して言えるのは、カラフルでありながらしつこさがない、華美だけど優雅。
装飾には草花のデザインが多く用いられ、どこかメルヘンチック。
ステンドグラスから差し込む光は優しく、温もりを感じます。
サン・パウ病院
「芸術は人を癒す」という信念のもとに設計されました。
病院とは思えない、どこかの大学?教会?と思わせるような外観です。
患者が部屋にこもりがちにならないよう設計された中庭には、オレンジの木やハーブなどが植えられ、気晴らしの散歩にはもってこいの空間が広がっています。
天井が高く広々とした入院病棟は、患者を気遣った色使いのタイルで装飾され、掃除がしやすい陶器で内装されています。
管理事務所分館の玄関ホールにはピンク色の丸天井。
ちなみに「1905」は工事開始年、「1910」は工事終了年です。
美しいステンドグラスがある階段ホールは、白で統一された彫刻やレリーフが飾られ、まろやかさを醸し出しています。
礼拝堂は黄色がメインで、アーチの天井には花柄のモザイク。
光を取り入れる窓や部屋を包む優しい色合いのタイル装飾など、随所に気遣いが見受けられ、使う側に寄り添って設計されたのがよく分かります。
サン・パウ病院は自由見学が可能です。(ガイドツアーもあり)
見学日が決まっているなら予約サイトで事前にチケットを購入できます。
・自由見学10:00~好きな時間に入場すればOK!サイトの『Self-guided tour』を選択
・ガイドツアー12:00~英語(日本語はありません) サイトの『Guided Visit』を選択
サグラダ・ファミリアほどの混雑はないので当日券でも問題なさそうですが(実際空いてました)心配性の私は事前に購入しておきました。
カタルーニャ音楽堂
ドメネクの最高傑作と言われているコンサートホール。
休憩室のバルコニーに並んでいる柱にはカラフルな草花をモチーフとしたモザイク装飾が。
全て違うデザインというから驚きです。
そしてメインのコンサートホールの客席へ。
足を踏み入れると、豪華絢爛な内装に言葉を失います。
説明の合間にクラシックが流れ(テープですが)、実際コンサートを鑑賞しているような臨場感を味わえます。
ひときわ目を惹くのが天井中央のシャンデリア風ステンドグラス。
柱から天井、壁まで全て、装飾されていないところはないくらい、全てが煌びやか。
優雅な気持ちで音楽鑑賞ができるよう演出された設計です。
カタルーニャ音楽堂はガイドツアー参加が必須です。
実際にコンサートを鑑賞してもよいでしょう。
当日券は売切れることもしばしばなので事前予約することをオススメします。
(内部の撮影は禁止と聞いていたのですが、ガイドによっては許されるみたいで、ラッキーにも撮影OKでした!)
バルセロナに多く残るモデルニスモ(アールヌーヴォー)建築。
美しい曲線に華やかな装飾、細部にまでこだわった造形物、それらの融合が素晴らしく、凡人(私)の頭は大いに刺激を受けました!