カンクン=メキシコのお酒といえば、一番にテキーラが上がると思いますが、実は昔からカンクンのユカタン半島へ伝わる面白いお酒があるのです。
そのお酒は『Xtabentun(シュタベントゥン)』というお酒なのですが、1000年以上前「MAYA」の時代、ユカタン半島で儀式の為に作られていた貴重な蜂蜜酒balcheがルーツのお酒になります。
元々のbalcheは、蜂蜜を発酵させて作るミード的なお酒で苦味が強く飲みにくいお酒だったようです。
「Xtabentun」の歴史
Xtabentunは朝顔に似たお花の名前なのですが、MAYAの伝説では、1人の娼婦の名前からきています。人に好かれる職業では無いものの、自由に人を愛し、困った人や動物が居れば食べ物や薬を分け与えるなど、優しく美しい心の持ち主でした。
彼女が亡くなった後には、甘い香りと共に美しく白い花が咲き、人々はその花を彼女の名前で呼ぶようになります。
そして、そのお花の種子がMAYAの蜂蜜酒には使われていたのですが、陶酔成分を含んでいて儀式を行う際の重要な役割を果たしていたようです。
その後、この土地に進出してきたコンキスタドール(スペイン人の侵略者)によって、アニスで香りをつけ、飲みやすいように改良されたのが今の『Xtabentun』。
MAYAの時代から、少しずつ形を変え今に受け継がれ、ユカタン半島の地酒となりました。
その他、MAYAの人達にとって蜂は重要な自然の恵。
薬にもなり、光を灯す為のロウソクを作ったり…。
蜂の神様を今でも奉り、養蜂も盛んに行われています。
カンクンから訪れる事の出来る遺跡、トゥルムやコバには蜂の神が神殿に描かれています。
Xtabentunの味や飲み方
話は戻り、Xtabentunの味について。
アニスで香り付けられた蜂蜜のお酒。
想像通り甘ーーく、香り高いお酒で少しクセがあります。
好みが分かれる所ですが、その土地ならではのお酒になるので是非、挑戦してみて下さいね!
お酒の味を楽しむのであれば、冷やしてストレートで。甘みが強すぎて飲みにくい場合はロックやトニックウォーターで割るのもおススメです。
カンクンのバーではXtabentunをベースにしたカクテル、レストランではMayan Coffeeという、Xtabentunとコーヒーの香りを楽しむカフェメニューもあります。
Xtabentunとブランデーやリキュールをブレンドしたものにアルコールを飛ばす為、火を付けてお洒落にパフォーマンスしながら出してくれる所もあります。
とっても甘いので、食後のデザート代わりにもなりますよ。
お家で飲むのであれば、コーヒーに香りをつける位に直接入れても、甘い香りとアニスの香りがたち、アルコール分もあるので体が温まります。
スーパーで買えて、お土産にもオススメ
Xtabentunは、スーパーにあるお酒コーナーやお土産屋さんでも売っていますし、値段も1000円前後で高いお酒ではなく買いやすいです。
そして、日本ではなかなか手に入らないお酒なのでお土産としても価値ありです。
写真は、カンクンのホテルゾーンにあるスーパーのお酒コーナー。(ホテル、フィエスタアメリカーナコーラルビーチ向かいにある、スーパーチェダラウイの三階)
お土産としてピラミッドデザインのボトルに入ったものも売られています。
写真右のMAYA戦士の絵が描いてあるXtabentunが一番甘めの味です。
こちらは、トロンとした蜂蜜感の強い感じ。
左のシンプルなデザインのボトルの方は、もう少しあっさりとした甘みでアニスの香りが強くなります。
アルコール度数は20〜30%位と高いのですが甘くて飲みやすいので飲み過ぎに注意しましょう。
Xtabentunの成分表を見ると、サトウキビのアルコールと書いてあるので蜂蜜の発酵酒ではないものの、ユカタン半島の農場でとられた蜂蜜が使われています。
蜂蜜酒と言えば、ハネムーンの語源とも言われていて、中世のヨーロッパでは新婚後の1ヶ月を蜜月(ハニームーン)とし、蜂蜜酒を飲む習慣があったとか。
蜂蜜の強壮作用、蜂の多産にあやかる意味もあるそう。
ハネムーナーさんの多いカンクン。
子宝祈願も兼ねてカンクンに伝わる蜂蜜酒をお土産にいかがでしょうか??
ラム酒やテキーラも
カンクンのスーパーでは、Xtabentun以外にもテキーラやラム酒も沢山並んでいます。
特にラム酒は、日本よりもお手軽価格で購入出来るのでオススメです。
蜂のマークで有名なテキーラPATRONも!
中身のテキーラも、ボトルもすべて手作業で大切に作られています。
蜂蜜の様に甘く優しい香りのパトロンは、テキーラ初心者の方にもオススメです。
沢山のお酒についつい目移りしてしまいますが、日本入国の際のお酒の免税は1人700mlが3本までです。
それ以上の持ち込みに関しては税金がかかってきてしまいますので、ご注意下さいね。