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2016-04-04

“フランスのベニス”と呼ばれる「アヌシー」へのルート

皆さんは、目的地へのルートがいくつかあるとき、何を基準に選びますか?
2010年にフランスのアヌシーという街へ行ったとき、たまたま往路と復路が別のルートになったことがありました。
今日は、私が体験した2つのルートを紹介します!

アヌシーってどんな街?

フランス東部(サヴォワ地方)にあるアヌシーは、スイスとの国境に近い小さな街。

ヨーロッパ一といわれる透明度を誇るアヌシー湖や、運河沿いの旧市街にある「パレ・ド・リル」(旧牢獄)などの写真を見て、「行ってみたい!」と思うようになりました。

実際に行ってみたら、思ったとおりのステキな街。
スケジュールを詰め込んで観光するというよりは、あまり目的を決めず、のんびりと過ごすのが向いているかもしれません。

お天気がよければ、湖の周りや旧市街を散歩するだけでも楽しいです。
アヌシーの中心部は、地図を持たなくても、ブラブラと歩いているうちに目的地へ着いてしまうほど、コンパクトにまとまっています。

アヌシーでの楽しみの1つは、マルシェ(朝市)です。

週3回、運河沿いにマルシェが開かれます。
私は日曜日の朝に行ったのですが、野菜や果物、チーズ、パンなどの食べ物をはじめ、洋服やアクセサリーなども売られていました。

ベッドのマットレスなど、「どうやって持って帰るんだろう?」と思うような物も売っていたりして、見てまわるだけでも楽しいです。

春から初秋にかけては、アヌシー湖で遊覧船に乗ることもできます。
美しい景色を楽しむなら外の席がオススメですが、私が乗った日は風が冷たくて、5月中旬でも凍えそうなほど寒かったです。

外の席で景色を楽しむなら、上着を持っていくなど、街歩きのときより、厚手の服装で乗った方がよいかもしれません。

スイス気分も味わえるジュネーブ経由

パリからアヌシーへ行くルートは、陸路(TGV)や空路など何通りかあります。

私は、パリのオルリー空港とアヌシー空港間のフライトを往復で予約したのですが、かなり早い段階で、往路のフライトがキャンセルになりました。

たぶん、平日でイベントなども何もない時期だったので、利用者が少なかったのだと思います。

仕方なく、往路はCDG空港からジュネーブ空港へ行き、バスでアヌシーへ、復路はアヌシー空港からパリへ戻るという2つのルートを使うことになりました。

ジュネーブ空港では、バス乗り場などもすぐに見つかったので、バスの発車まで約1時間、空き時間がありました。

空港の鉄道駅に隣接するスーパー「MIGROS」へ行くと、お菓子などの品揃えが豊富で、スーパー好きの私は大興奮!

店内は、通路を広くとった配置となっているので、スーツケースをゴロゴロしながらでも、スムーズに周ることができました。

クレジットカードが使えるので、スイスフランに両替しなくても買い物を楽しめます。

バスの発車時刻までの短い時間でしたが、スイス気分を味わうことができました。

ローカル感満載のアヌシー空港

一方、アヌシー空港の方は、ビックリするぐらい小さな空港です。アヌシーの中心部から空港までは、地元の路線バスで30分ぐらい。

平日だったこともあり、バスの乗客は、おそらく皆さん地元の人。スーツケースを持ってバスに乗っているのは、私だけでした。

どんな空港かわからなかったので早めに行きましたが、カウンターは1つしかなく、迷うことはありません。

「チェックインはフライトの1時間前から」と言われ、スーツケースと一緒に、空港内唯一のレストランへ行く羽目に。早く着きすぎると退屈します。

時間が余って困りましたが、レストランの料理は、とても美味しかったです。

空港内では、チェックイン後に搭乗ゲートまで移動する時間もかかりません。なぜならば、ガラス越しの目の前に、乗る飛行機が見えているからです。

私が乗ったパリ行きの便は、定員50人程度の小さな機体で、乗客は10人ぐらい。私以外はビジネスマンや地元の人などで、皆さん乗り慣れている感じ。

初めての私は緊張していましたが、離陸して落ち着いた頃、窓の外を見ると美しい世界が広がっていました! 飛行機には何度も乗っていますが、いつも通路側を選ぶので、こんなに近くで雲を見ることができたのはこの時だけです。

ところが、感動だけでは終わらず、着陸体勢に入ってからは、かなり機体が揺れました。絶叫マシン系が苦手な私には、「死ぬかも」と思うような揺れでしたが、アナウンスは特になかったので、よくあることなのだと思います。もう一度乗るかと聞かれたら、即答はできません。往路がキャンセルになって、むしろよかったように思えます。

航空会社の都合による変更でしたが、2つのルートを体験できて、どちらもよい思い出になりました。計画通りに行かないことがあったり、そこから思わぬ収穫につながるのも、旅の面白さですね。

アヌシーには、ルブロションチーズ(Reblochon)を使った「タルティフレット(Tartiflette)」(チーズを使ったポテトグラタンのような料理)や、サヴォワ地方のワイン(Vin de Savoie)など、美味しいものもたくさんありますよ!

このしおりのライター