秋田県仙北市にある田沢湖は、日本で一番深い湖。
神秘的な青い湖水や、湖畔に佇む金色の「たつこ像」で知られる人気の観光スポットです。
この田沢湖、路線バスで手軽に一周できるのをご存じですか?
夏の終わりに実際に田沢湖を路線バスで一周してきたので、体験談をレポートします!
神秘の湖「田沢湖」を路線バスで気軽に巡る
湖沼の絶景スポットは多いですが、そもそも公共交通機関ではたどり着くのが難しかったり、たどり着けても一か所からしか眺めを楽しめないことも珍しくありません。
そんななか、田沢湖は、路線バスで手軽に周遊できる湖なんです。
周遊できるのは、羽後交通株式会社の路線バスの田沢湖一周線。
JR田沢湖駅発着で、約1時間半で田沢湖を一周します。嬉しいのは、そのうち2つの人気の観光スポットで停車時間を設けていること。
チケットはこちら。2022年8月現在で1180円でした。
バスはJR田沢湖駅前のバス停から出発します。
バスはこんな観光バス仕様でした。乗り心地も安心です。
なお、湖畔の景色を楽しみたいなら、絶対に進行方向に向かって右側の席に座ること!
バスは田沢湖畔を時計回りに回るので、常に右側に湖が広がります。
田沢湖駅から約10分で田沢湖が見えてきます。
残念ながらこの日は曇り空だったので、青いと言われる田沢湖も少しくすんだ色ですが、山に囲まれて満々と水を湛える姿はやはり神秘的でした。
最初の立ち寄り先は「たつこ像」
バスは一般路線バスなのでいくつかのバス停に停車します。そしてそのうち2つのバス停で長い停車時間をとります。
1つめは、田沢湖観光では絶対に外せない!「たつこ像」の最寄バス停「潟尻」。
「潟尻」までは、田沢湖駅から約30分で到着します。ここで約20分の停車時間がとられています。
バス停からたつこ像までは徒歩3分程度なので、混雑していなければ時間には余裕があります。
湖に近づくと、鳥居と、湖に張り出して見える小さなお社が見えてきます。
こちらは浮木神社。
正式名称は漢槎宮(かんさぐう)ですが、湖畔に流れ着いた浮木(湖面に突き出し湖水の中に斜めに立つ流木)を祀ったことからこの名で呼ばれるようになったそうです。
田沢湖を背景に建つ姿がとても神秘的。
御朱印やお守りもいただけるので、ぜひお参りしていきましょう。
そしてこちらが「たつこ像」。
金色が湖面や空に映えますね。
「たつこ像」は湖岸に近いところに建っているので、意外に近くで見ることができます。望遠レンズがあれば、その憂いた表情も捉えることができますよ。
類まれな美貌をもち、その美しさと若さを永遠に保ちたいと望んだことで、龍神に化身することになり田沢湖の主となったといわれる辰子。
その姿を象ったとされる「たつこ像」は、現在は田沢湖のシンボルとして、多くの人に見つめられ、愛されています。
ある意味、変わらぬ美しさと若さを手に入れたのかもしれません。
たつこ像近くにはお土産物などを買えるレストハウスもあるので、時間に余裕があれば買い物もOK。
ただし、バスは定刻に発車するのでご注意を!
そして「御座石神社」へ
次の観光スポットは御座石神社。バス停は「御座の石」です。
江戸時代の慶安3年に、秋田藩主佐竹義隆公が田沢湖を訪れたときに腰をかけて休んだことから、この名前がついたのだそう。
辰子姫伝説ともゆかりの深い神社なので、美容のパワースポットとしても知られています。
ここでの停車時間は10分!
湖のほとりの鳥居で写真をとって、神社にお参りするだけでもわりとギリギリな感じです。
私はちょうど参拝者が少なかったため、御朱印までスムーズにいただけました。
御朱印はカラフルな2面用のもの(書置き)が数種類あります。
ここでの停車時間は短いので、あれこれ迷うと時間切れになりそう。
公式サイトはなく、Facebookはありますが御朱印などは掲載されていないので、SNSなどで他の人がもらった御朱印を参考に、ある程度決めておいたほうがよさそうです。
なお、時間が足りないな…と思ったら、乗ってきたバスは見送って、次のバスに乗ってもOKです。
時間に余裕があれば、じっくり周囲を回るのもあり。
周辺には、辰子がその水を飲んで龍神と化したという湧き水「潟頭の霊泉」や、辰子が姿を映して化粧をしたと伝わる「辰子の鏡石」などもあります。
ただし、次のバスまで2~3時間空くこともあるので、事前にしっかり時刻表を確認して予定を立てましょう。土日祝日運休の便もあるので気をつけて!
「御座の石」を出発したら、再びのんびり湖畔ドライブを楽しみます。
田沢湖畔でゆっくり過ごすのもOK
「御座の石」バス停から10分ほどで「田沢湖畔」バス停に到着します。
ここでの停車時間はありませんが、田沢湖を眺めるベストスポットでもあり、レストランやお土産物屋のあるレストハウスがあります。
売店の裏手には、もふもふの秋田犬を見られるコーナーも!
遊覧船乗り場もあるので、今度は湖を内側から眺めることもできますよ。
なお、田沢湖駅から田沢湖畔までは、田沢湖一周線以外の路線のバスも走っており、そちらを利用することもできます。
田沢湖駅~田沢湖畔間は田沢湖一周線以外の路線バス(羽後交通のバスに限ります)を利用した場合も、田沢湖畔一周観光記念乗車券で乗車できます。
一周線の停車時間で手軽に観光するもよし、気になるスポットをじっくり回るもよし。
田沢湖を手軽にリーズナブルに周遊できるバス、ぜひ利用してみてくださいね!