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2022-06-19

【京都】東山の名庭園「無鄰菴」で、近代日本に想いを馳せる

初めまして。こぢかと申します。

関西に移り住んで2年。ありがたいことに、京都観光をする友人に「京都で行くべきスポットは?」と訊かれることも多くなりました。
そんな時、私が真っ先におすすめしているのは無鄰菴です。


無鄰菴をおすすめする理由

ふらっと歩けば観光地に行き着くような街、京都。沢山の名所がある中で、無鄰菴をおすすめする理由は3つあります。

1. とにかく素敵な庭
→後ほどご紹介します。

2.程よい広さ
→じっくり庭を回っても疲れすぎない広さ。敷地が大きい観光地は歩くだけで疲れてしまうので、丁度良いです。(体力皆無アラサー代表)

3.アクセスの良さ
→地下鉄東西線「蹴上」駅から徒歩7分、南禅寺から徒歩10分、平安神宮から徒歩7分と、駅や他の観光地からのアクセスが良いので、旅のスケジュールに組み込みやすいのが嬉しいポイントです。ちなみに、道路を挟んで向かい側には京都市動物園もあります。

無鄰菴ってどんなところ?

無鄰菴は、明治・大正時代に総理大臣を務めた山縣有朋の別荘で、明治27年(1894)〜29(1896)年に造営されました。
作庭したのは明治時代のカリスマ庭師である、七代目小川治兵衛。近隣の歴史的名所の中では比較的浅い歴史ながら、国の名勝として指定されています。

無鄰菴に行ってみよう!

敷地は仁王門通りに面していますが、入口は裏手に回ったところにあります。

2022年5月現在、事前予約が必要になっているのでお気をつけください。予約はHPからすることができます。
予約枠が残っていれば、当日窓口に直接訪れても入れる可能性もありますが、確実ではないのであまりオススメできません。

本来入場料が600円かかりますが、私が訪れた28日は「庭(28)の日」ということで、35歳以下は入場料無料でした。ありがたい……!日曜日ということもあり少し混んでいる様子でしたが、気になる程ではありません。

受付から母屋に進みます。

いつも、素敵にお花が飾ってあります。



母屋では、10分程度のガイドを無料で聞くことができます。
無鄰菴の歴史から見所まで、ポイントを抑えつつ詳しく説明してくださるので、毎度「無料で聞いて良かったのだろうか……」と思ってしまいます。
こちらのガイドを聞いて理解を深めてから、庭に出るのがおすすめです。

母屋から庭を眺めると、庭のなだらかな高低差と、その後ろにそびえ立つ東山を一望できます。
山縣有朋に生まれ変わって毎日この庭を眺めていたい、と何度思ったことか。

東山を主山とした、魅力たっぷりの庭

東山は借景ではなく「主山」なんだそうです。つまり、あくまでも東山がメインで、庭はサブ的な存在ということ。こんなに素敵な庭が脇役だなんて贅沢です。

この庭の特徴は、なんといっても芝の存在感だと思っております。
日本の庭は、苔のイメージが強くありませんか?
この無鄰菴にも50種あまりの苔が生えているそうですが、母屋からよく見える範囲は芝になっているため、庭のトーンが明るく柔らかい印象を受けます。


また、庭の中を水が流れているのも特徴です。近くを通る琵琶湖疎水からわざわざこの庭に水を引き入れているため、天候に左右されずいつでも一定量の水が流れるようになっているそうです。

山、芝、川の流れ。
立体感と躍動感溢れる魅力的な庭です。

庭の突き当たり側からの景色。西日で水面がキラキラしていました。


庭をぐるっと散策すると、山縣有朋の意向に沿ってあえて抜かずに残してあるという野の花や、苔の種類の違い、水の音の変化などを味わえて面白いです。

秋に訪れた時の写真。紅葉が綺麗です。

こちらは6月上旬。緑の庭に補色の紫が映えていました。

母屋で、お茶とお菓子をいただこう

入場料に1000円追加すると、庭園カフェを利用することができます。
飲み物とスイーツは各数種類ずつあり、好きな組み合わせを選んで注文します。

庭を回る前「素敵な母屋には温かいお抹茶一択!」と意気込んでいたものの、訪れた日はとても暑く、庭を回りきって母屋に戻ると冷たくて甘いものが飲みたくなっていました。
悩んだ結果、私が注文したのは国産白桃ジュースと無鄰菴オリジナルどら焼き。

白桃ジュースは、濃厚で美味しい!素敵な瓶に入っていそうな、高級感あるお味です。無鄰菴の刻印入りのどら焼きは、餡子の小豆が一粒一粒しっかりと甘くて上品。こちらも美味しくいただきました。

美味しいジュースとどら焼きを味わいつつ、母屋内もじっくり眺めます。
見上げてみると、「無鄰菴」の文字を発見。
「無鄰菴」は、「隣(=鄰)の無い庵」という意味なんだそうです。

以前訪れた際には、マンツーマンで裏千家の方にお茶を点てていただけるイベントに参加しました。
色々お話を聞くこともできて非常に贅沢なひと時でした。無鄰菴では裏千家の茶道教室やお手前体験も開催されていて、いつか行きたいと密かに思っています。

近代日本にタイムスリップできる洋館

敷地内には母屋の他に、茶室と洋館があります。茶室は入ることができなかったため、横を通過しただけになってしまいましたが、2階建ての洋館は建物内を見ることができます。

この洋館は、1903年4月21日、山縣有朋、伊藤博文、桂太郎、小村寿太郎による無鄰菴会議が開かれた建物。
約120年経った今も、当時の面影を残しています。この時代の建物の、古さもありつつリアルな生活感が程よく残っている感じがたまらなく好きです。

こちらは1階。無鄰菴会議が行われた部屋は2階にあります。

まとめ

無鄰菴の魅力が伝わりましたでしょうか。
名所ばかりの京都ですが、お越しの際には無鄰菴にも是非訪れてみてくださいね!

おまけ。
カモものんびり過ごしていました。
生まれ変わったら鳥になって無鄰菴の庭に住みたいです。


このしおりのライター