チヴィタ・ディ・バーニョレージョ(Civita di Bagnoregio)ってどんなところ? (歴史とともに解説します)
ローマを州都とするラツィオ州の北部に位置する町です。
2500年以上前にエトルリア人によってつくられた都市で、凝灰岩台地の地に立っています。
エトルリア人が暮らした後は、ローマ人が暮らしていました。
約500年ほど前までは陸つなぎだったようですが、地震や地盤崩れなどから周りの土地がどんどん侵食されてしまい、現在は約300mほどの橋を渡ってしかこの「天空の町」の集落にたどり着くことができません。
現在も侵食は進んでおり、自然消滅しそうだと言われております。それが「死にゆく町(il paese che muore)」と呼ばれているこの町の由来です。
天空の町として観光地化も徐々に進んでおり、この素晴らしい景色を見るため、近年多くの観光客が訪れています。
ただ、この孤立した町の住人はたった十数人。
観光地となっている今、近くのバーニョレージョなどの周辺の街から、このチヴィタへ働きにきている人がほとんどです。
チヴィタ・ディ・バーニョレージョの見どころ
チヴィタへ渡る橋(Ponte per civita)
全長300mのこの橋のみが天空の町にたどり着く唯一の道です。
四輪車は通れず、徒歩か二輪車、または本当に小さいトラックが物資の運搬の為に、通るのみです。
ここから見る、チヴィタの町も素敵です。
この橋を渡って、チヴィタへ行くには入場料が必要です。(5ユーロ 2019年8月時点)
サン・マリア門(Porta s.Maria)
橋を渡りきると、まず通るのがこのサン・マリアの門です。
この門もまたエトルリア人によって築かれた、ゴシック式のアーチです。
バーニョレージョ人が制圧した、専制君主の象徴のある人の頭をつかんでいるライオン2匹がこの門に施されています。
サン・ドナート教会(chiesa di san donato)
サン・ドナート広場の前にある町の中心の教会です。約7世紀に建てられ、16世紀に再建されたと言われています。
内部はフレスコ画を始め、古代の装飾も施されており、とても歴史を感じることのできる空間です。
アンティカ・チヴィタ(Antica civita)
洞窟の中に展示されている古代の生活感溢れる空間。
あまり、パンフレットなどには記載されていないようですが、とても興味深い展示物ばかりでした。
エトルリア時代末期の生活物資や、生活状態を展示してあります。
入場料:1ユーロ
街並み
中世の街並みが残っているこの街並みは、「死にゆく町」というイメージとは結びつかないぐらいとても綺麗で、素敵な空間を楽しむことができます。
小さな窓や、玄関前の階段、そこに飾られているお花など、とても色鮮やかです。
またアーチ型の装飾も多く、これもエトルリア時代を感じさせてくれるデザインです。
チヴィタで食事を楽しむ
小さな町なのですが、数軒レストランがあります。
どこも町自体が可愛いせいか、とても素敵なテラスのあるお店が多く、お昼時になるとそこら中でとてもいい香りが漂います。
この地域はオリーブが有名ですが、ハムやサラミなども絶品です。
私たちが行ったお店はここ!
Osteria al Forno di Agneseというレストラン。
11時半オープンなので、早めに行かれることをおすすめします。
チヴィタのおすすめお土産
オリーブオイル
この辺りにはたくさんのオリーブ畑があり、種類も豊富です。
小さい瓶もあるので、ちょっとしたお土産にもおすすめです。
BIOの化粧品、石鹸
このロバが目印のお店は、パフュームや石鹸、化粧品が豊富です。
ロバのミルクや、カタツムリの美容成分がたっぷり、化学品は全く使ってないようです。
チヴィタへの行き方
公共機関:ローマからオルヴィエートまで電車。
オルヴィエート駅(Orvieto)のCahen広場(P.Zza Cahen)からバーニョレージョバスで約30分。
最後に・・・
機会があれば是非、散策して欲しい町です。
歴史があるこの地がなくなってしまう前に、人類の遺産を是非生の目で見ていただければと思います。
この地が、できるだけ長くあり続けますように!
みなさん、良い旅を!