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2018-07-25

青い海と傷痕。サイパンからわずか10分の、近くて遠い島テニアン


みなさんは「テニアン島」ってご存知でしょうか?全く知らない、またはなんか名前はどこかで聞いたことがあるような気がするといった方たちがほとんどだと思います。テニアン島は、太平洋に浮かぶ北マリアナ諸島の1つで、青い海が非常に美しい所です。今回は日本ではあまりメジャーな旅行先ではないテニアン島についてご紹介したいと思います!




行き方

まずはアクセス方法について紹介します。テニアン島へは同じく北マリアナ諸島の1つサイパンからスターマリアナスエアが毎日定期便を運行しています。日本からサイパンまでの直行便は残念ながら2018年5月で定期便が無くなってしまったので、ユナイテッド航空利用のグアム乗り換え、もしくは韓国系航空会社利用のソウルもしくは釜山乗り継ぎで向かうことになります。サイパンからテニアン島には10分ぐらいです。小型のセスナ機で行くので、重量バランスを取るためにチェックイン時に体重を量ります。友人、恋人に体重を知られたくない方は要注意。手荷物と一緒に量ってごまかしましょう!

小さくてもちゃんと飛びますよ!


パイロットの背中が頼もしい。安全飛行ありがとうございます。




オススメスポット①:タガビーチ

ではオススメの観光スポットを紹介していきます。1つ目はタガビーチ。

透明度の高さが分かるでしょうか?水底に筆者とガイドさんの影が映ってしまうぐらいきれいなんです!日本のCM撮影にも使われたことがあるそうですよ。また近くには資料館があって、第二次世界大戦中の日本軍と米軍の装備などが展示されています。


資料館外観。青い屋根が目印。


資料館内部。あまり展示品の数は多くない...。




オススメスポット②:エイブル滑走路

テニアン島には原爆を搭載したB29が飛び立った滑走路があります。有名観光地であるブローホール(潮吹き海岸)の近くにある、エイブル滑走路です。現在では原爆を格納していた場所に写真が数枚展示されている以外に当時の面影を残すものはありませんが、きれいな青空の下、戦争について物思いにふけってみるのも悪くないかもしれません。

潮吹き海岸。なかなかの迫力。


原爆搭載場所


原爆搭載時の写真が展示されています。


青空だけがただひたすらきれい。




オススメスポット③:南洋興発製糖工場跡地

廃墟マニアにオススメなのが、こちらのスポット。日本統治時代の製糖工場の跡地です。

見事に廃墟です。


こちらは木々に飲み込まれつつあります。

今は見る影もありませんが、日本統治時代は軽便鉄道も敷設され、かなり発展していたそう。南国の景色の中、ぽつんとたたずむ姿が哀愁を感じさせますね...。
ちなみに、砂糖王(シュガーキング)の異名を持つ南洋興発初代社長・松江春次の銅像が、今尚サイパンの砂糖王公園にあります!興味ある方はそちらも是非。




ガイドについて

テニアン島には公共交通機関がありません。移動手段としてはレンタカーを手配するか、ガイドの車に乗せてもらうかになります。ジャングルの中の一本道を走らないといけない場合もあるので、初めての方はガイドを手配した方が良いと思います。
筆者がお世話になったのはMK tours(https://mktours.jimdo.com/)。
ベテラン女性ガイドのミホさんがとても親切にしてくださるのでオススメです。テニアン島までの飛行機の手配も代行してくれます。

ガイドのミホさん。




まとめ

ここまで読んでくださった方は、テニアン島が意外にも日本ととても縁の深い島であることに気付いたのではないでしょうか?筆者自身、今回紹介したスポット以外にも野戦病院跡や火炎放射器で黒くなった岩、神社跡を見て、本当に戦争ってあったんだなぁとか、一昔前は日本人がたくさん住んでいたんだなぁと思い、日本とまるで違う景色の中、戦争で亡くなった方達の気持ちを考えると胸が痛くなりました...。

火炎放射器の油で黒く汚れた岩。


ジャングルの中に残された鳥居。

テニアン島含め、北マリアナ諸島は日本人観光客が減っていて、現地の人からももっと日本人に来てもらいたいと言われました。たしかにテニアン島は現状では飛行機を2回乗り継がないと行けないアクセスの悪いところにあります。しかし、きれいな海に癒やされるだけでなく、戦争の傷跡といういわゆる負の遺産も目にすることができます。さらに沖縄やグアムのように観光地化はまだあまりされていないでので秘境感を味わうことができる貴重な場所です。みなさんも是非一度訪れてみて下さい!





このしおりのライター

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