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2018-01-13

【熊本】特急「A列車で行こう」に乗って、40分の大人な旅に出かけよう


こんにちは。熊本に住む晩白柚(ばんぺいゆ)と申します。
熊本・九州を中心に、風情のあるまちなみ、ちょっとレトロなスポットなどなどお伝えしていきたいと思います。たまに海外のレポートもお送りいたします。よろしくお願いします。

今回は、熊本市の熊本駅を出発して、16世紀ごろの歴史が色濃く残る海の町・天草(「天草四郎」といえば、皆さんご存知ですね)方面へ向かう特急列車「A列車で行こう」に乗り、ついでにイルカウォッチングなぞ楽しんできましたので、その模様をお届けします。



特急「A列車で行こう」に乗ろう

名前からしてちょっと遊び心を感じさせる「A列車で行こう」。熊本駅から三角駅を約40分で結ぶ観光特急です。黒塗りの車体がとても渋くてかっこいいですよね。

「A列車で行こう」とは、もともとデューク・エリントンによるジャズのスタンダードナンバー。物静かな一般的な特急の車内と違って、「A列車」ではこのジャズナンバーがBGMとして流れていて、雰囲気をぐっとおしゃれで大人なものにしています。

「A列車」を語るうえで外せないのが「A-TRAIN BAR」。なんと、車内にバーがあるのです。ビールやワイン、おつまみなどが用意されています。

皆さんにぜひ試していただきたいのが、熊本の柑橘類「デコポン」を使った「“A”ハイボール」(520円)。いまだかつてない濃厚なデコポンの風味が鼻を抜けるハイボールです。アルコールが苦手な方には、同じくデコポンを使った「“A”サイダー」(300円)などもありますよ。

車窓を眺めながら、僕も「“A”ハイボール」をいただきました。


車内をうろついてみましょう。客室のシートは、16世紀後半の絢爛な文化を思い起こさせる、豪華な造りです。

また、車内あちこちにステンドグラスが配されていて、その雰囲気を一層引き立てています。


三角駅へ到着する少し前に、列車は日本の渚百選にも選ばれた「御輿来(おこしき)海岸」の側を走ります。僕がこの列車に乗った朝11時では見ることができませんでしたが、干潮時であれば、干潟に美しい砂紋を拝むことができるそうです。



天草の海の幸を堪能しよう

「A列車」の終点、三角駅に降り立ったら、駅向かいの港で天草方面への連絡船「シークルーズ」に乗りましょう。「シークルーズ」は天草の町のうち「松島」と「本渡」に停まりますが、ここではイルカウォッチングに参加するため、「松島」で下船します。

イルカウォッチングが始まるまで1時間ほど時間があります。せっかく天草に来ているのですから、昼ご飯は天草の海の幸を堪能したいところ。そこで、船着き場から歩いて10分ほどのところにある人気店「福神」さんにお邪魔しました。


この「福神」さんはかなりの人気店で、お昼時ということもあってすでに9、10組が並んでいました。この列に並んでしまうと、イルカウォッチングに確実に間に合いませんので、「福神」さんには必ず事前に予約をしましょう。僕は前日に席の予約をしました。

メニューはおおむね1,000~3,000円の料理が並びます。僕は奮発して特上うに丼(3,600円)を注文しました。見てください、このあふれんばかりの一面のうにを。ご飯がまったく見えません‥。ネタはさすが天草といったところ、非常に新鮮で、大満足でした。



イルカウォッチングで天草のイルカに癒やされよう

天草は非常に高い確率で(というより、ほぼ確実に)野生のイルカと遭遇できるイルカスポットです。イルカウォッチングを催行している事業者はいくつかあるようですが、僕は上で紹介した連絡船「シークルーズ」を運行している「(株)シークルーズ」さんのイルカウォッチングに参加しました。大人1人の料金は、ネット予約割引込みで4,000円です。

船に乗り、沖合に向かって船を走らせること約40分。イルカの出現ポイントに到達しました。そこには、船を囲むように20頭近いイルカの背びれがひしめき合っていました。

僕の写真の腕が悪く、この臨場感をお伝えすることができないのが悔しくてなりません。水上に飛び上がってくるイルカ、大きな音を立てて息を吐くイルカ、船の側を駆け抜けていくイルカ。なかなかの迫力があります。僕の隣で10歳ほどの女の子が「すごい!すごい!」と繰り返していたのが印象的でした。僕も年甲斐もなく(先日30歳になったばかりです)、一人で「うおー、すげえ」と声を出してしまいました。

船はあたりを約30分周遊し、松島へ帰ります。「シークルーズ」に乗って三角駅へ戻ったあと、ふたたび「A列車」で熊本市内への帰路に着きました。




いかがでしたでしょうか。今回は熊本駅を朝10時半に出発し、17時過ぎに帰ってくるという日帰り旅でした。「A列車で行こう」は、熊本から非日常の世界へ手軽に飛び込める手段だと思います。大人な雰囲気を醸し出す一風変わった特急列車と、その先にある天草がくれる癒やしを、ぜひ一度味わってみてください。


このしおりのライター