【静岡】日本初公開多数!「古代エジプト展 天地創造の神話」が開催中

世界有数のエジプト・コレクションを誇る「ベルリン国立博物館群エジプト博物館」から約130点の古代エジプト・コレクションが来日しています。

約1年にわたる巡回展で、東京都江戸東京博物館、京都市京セラ美術館での展示は終了、以後のスケジュールは下記の通り。
静岡県立美術館 7月10日(土)~9月5日(日)
東京富士美術館 9月19日(日)~12月5日(日)
詳しくは公式HPをご確認ください。



ベルリン国立博物館群とは

ドイツの首都ベルリンに流れるシュプレー川に浮かぶ「博物館島」にある5つの博物館を中核とする総合博物館群で、「博物館島」はユネスコの世界文化遺産に登録されています。

5つの博物館の内の一つ、「新博物館」(=エジプト博物館)は世界でもっとも有名な女性像のひとつとして知られる「ネフェルティティの胸像」を所蔵。
今回「ネフェルティティの胸像」が来日するのか?と期待していましたが、至宝ゆえ、門外不出のようです。

「ネフェルティティの胸像」を拝めなくとも、出品される約130点のうち約100点が日本初公開とのこと。

期待高まる「古代エジプト神話の世界」、こちらでは日本初公開のコレクションを抜粋してご紹介したいと思います。



Chapter1 天地創造と神々の世界

この世にあるものは全て神々の意思により創造された・・・

ワニの神セベクは水の支配者かつ豊穣の神

▲ ハヤブサ頭のワニの小像 前664~前332年頃

癒しの女神として人気

▲ バステト女神座像 前610~前595年頃

戦争の女神としてエジプトの地を敵から守るライオン頭のセクメト女神

▲ セクメト女神立像(上半部) 前1388~前1351年頃



Chapter2 ファラオと宇宙の秩序

「善き神」であるファラオ自身が強いリーダーシップをもってマアト(秩序)を実践していくことが必要とされた・・・

夫トトメス2世の死後にファラオとして戴冠したハトシェプスト女王

▲ ハトシェプスト女王あるいはトトメス3世のスフィンクス像頭部 前1479~前1425年頃

古代エジプトの人々から非常に人気のあった守護神

▲ パタイコスの護符 前664~前250年頃

冥界の死者に新しい命が与えられることを願った胸飾り

▲ 太陽の船に乗るスカラベを描いたパネヘシのペクトラル(胸飾り) 前1186~前1070年頃



Chapter3 死後の審判

墓地の守護神でミイラ作りの神でもあるアヌビスに導かれ「死者の審判」が行われる・・・

死後に必要な知識を呪文と挿絵により示したもの

▲ タレメチュエンバステトの「死者の書」 前332~前246年頃

遺体の損傷を防ぐためミイラを納めた石棺

▲ 王の書記サアセトの人型棺蓋 前1279~前1213年頃

アヌビスは死者の手をとり、冥界にある12の門を開け、死者が自由に冥界を歩けるようにする

▲ 山犬頭のアヌビス神小像 前1070~前525年頃

全ての死者は冥界の王であるオシリス神の世界で再生復活することを願っていた

▲ アテフ冠を被ったオシリス神の小像 前 664~前332年頃



古代エジプトの魅力

古代エジプト文明がこれほど人々を魅了するのは、ピラミッドのような巨大建造物から小指の先ほどの小さな像、着色された絵や文字に至るまで、何千年も前の遺物が色褪せず原型を留めて残っていることで、よりリアルに古代文明を読み解けるからではないでしょうか。

貴重なコレクションを通して、古代エジプト人が信じた天地創造と死生観の理解がより深まりました。もっと知るにはエジプトに飛ぶのが一番ですが、、、それがすぐには叶わない今、「古代エジプト展」で予習 / 復習をしてはいかがでしょうか。