【大阪】世界遺産登録で話題の「百舌鳥古墳群」を巡る1DAYプラン


大阪府堺市の「百舌鳥」と、羽曳野・藤井寺市の「古市」は、4世紀後半~6世紀前半に200基を超える古墳が築造された古墳群。両古墳群を総称して「百舌鳥・古市古墳群」といい、2019年7月6日、第43回世界遺産委員会で正式に世界文化遺産に登録されました。

登録ほやほやで注目を浴びている百舌鳥古墳群を効率よく巡るヒントをご紹介したいと思います。




主たる古墳

44基の古墳が残る百舌鳥古墳群の中で代表的な古墳は
仁徳天皇陵古墳、履中天皇陵古墳、反正天皇陵古墳、いたすけ古墳、御廟山古墳、ニサンザイ古墳
の6基で、「6大古墳」といわれています。




陪冢にも注目

航空写真からは大型古墳しか目につきませんが、実際は大型古墳の周りには「陪冢(ばいちょう)」と呼ばれる小型古墳が多数存在しています。陪冢とは被葬者と関係の深い人物の墓、もしくは大型古墳被葬者のための副葬品を埋納するために築造されたものと考えられています。帆立貝式古墳や円墳、方墳などがあり、前方後円墳だけではない墳形の古墳に出会えるのも古墳巡りの楽しみです。

▲ 反正天皇陵古墳の陪冢と考えられている鈴山古墳





8:00 堺東駅からスタート

駅の東側に反正天皇陵古墳があります。百舌鳥古墳群の中で一番北に位置しています。他の古墳からは少し離れていますので、古墳巡りの最初か最後に足を運ぶと良いでしょう。

古墳の周りは住宅街。柵があるので墳形のラインが見えません。


宮内庁管理の天皇陵は拝所が設けられています。


後円部側には方違神社が鎮座しています。神社の境内から後円部のもりっとした墳丘が望めます。




9:00 地上80Mから眺めてみよう!

駅の西側には堺市役所があります。朝9時から最上階の展望フロアが無料で開放されています。


360度のパノラマ。遠くにはアベノハルカスも。


古墳の箇所はこんもりした森があるなぁといった感じで、この高さからでも全体の墳形は見えません。


航空写真が多数展示されていますので、空から眺めている気分になって位置関係を把握し、好みの前方後円墳はどれなのか、議論してみても楽しいです。ちなみに私は太めな体型の②履中天皇陵古墳がお気に入り。




10:00 百舌鳥駅に電車で移動

反正天皇陵古墳以外の古墳は百舌鳥駅からのアクセスとなります。歩いても回れますが、効率よく回るには自転車がオススメ!大仙公園観光案内所でレンタルできます。

▲ 1日(9:00~16:30)、300円(普通)、500円(電動アシスト)




10:30 まずは一番遠い古墳から

自転車でまず向かったのは日本一美しい前方後円墳といわれているニサンザイ古墳


古墳の外周に遊歩道が設けられており、墳形のラインをあらゆる角度から眺めることができるのです。

▲ 後円部からの眺め

▲ 前方部からの眺め




11:30 タヌキに会いに

百舌鳥駅へ折り返す途中にある百舌鳥八幡宮、御廟山古墳、そしていたすけ古墳を見学。

▲ 御廟山古墳


話題を呼んでいるのはいたすけ古墳の住民、3匹のタヌキ。


壊れた橋はいたすけ古墳のシンボル。これは宅地開拓計画が進み古墳自体が破壊されかけた残骸です。市民運動により保存されるに至った訳ですが、「人類が守るべき文化遺産を破壊しかけた」教訓としてわざと残されているのです。




12:30 古墳グルメを楽しむ

百舌鳥駅近くの「花茶碗」さんにお邪魔しました。


古墳を再現した「古墳カレー」をいただきました!オリジナルレシピでおかみさんの“古墳愛”が詰まったカレーです。ハートの目玉焼きは日本人の心、ブロッコリーは森、南瓜は鳥居を表現しているそう。




13:30 日本で3番目に大きい古墳

周濠の幅が広いのが特徴的な履中天皇陵古墳


航空写真からはこの前方後円墳型が一番可愛く見えました。(古墳型に可愛いという形容が適切ではないかもしれませんが、個人的に墳形に愛情を感じているのでお許しください)




14:00 古墳と堺の歴史を学ぶ

大仙公園内にある堺市博物館で古墳のお勉強を。仁徳天皇陵の出土品の複製の他、百舌鳥古墳群からの出土品が展示されています。


堺市の産業、文化の理解を深める常設展示も見応えあります。

▲ 現存する日本最長の火縄銃




15:00 ゴールは日本最大の古墳

クフ王ピラミッド、秦始皇帝陵と並ぶ世界3大墳墓のひとつとされている仁徳天皇陵古墳


3重の周濠で囲まれている墳丘は巨大すぎて地上からは「目の前に森がある」という認識しかできません。


遊覧飛行観光が導入されるかもとニュースでも話題になっているように、これから益々“古墳の楽しみ方”が多様化していきそう。




16:00 自転車返却

自転車貸出は16:30まで。たっぷり古墳を満喫した1日を過ごせました。道中はほぼ平坦な道だったので普通タイプでも問題ないと思います。ちなみに私は電動アシストを借りましたが、疲れが全くなく、むしろもう少し疲労感があってもよかったな、と思ったほどでした。


古墳時代を生きた人々に思いを馳せ、古墳保存に尽力された方々に敬意を込めて、古墳群巡りに出掛けてみてはいかがでしょうか。