大人も子どもも楽しめる! 明治時代から続く「国際子ども図書館」に行ってみた
先日、上野をふらっと歩いていると重厚感のあるレトロな建物を発見!
なんの歴史的建造物だろうと思い、近づいてみるとなんと図書館でした。
この図書館の名称は「国際子ども図書館」。
私はもう子どもではないのですが、少し気になり館内をぐるっと探索してみたら、子どもだけでなく、大人も楽しめるスポットだったのでご紹介します!
国際子ども図書館って?
上野にある「国際子ども図書館」は、日本国内で出版されたすべての出版物を保存している「国立国会図書館」の支部図書館として設立された、日本初の国立の児童書専門図書館です。
明治時代に建設された「旧帝国図書館」を原形保存・改修をして現在も使用しているので、このような図書館とは思えない外観をしています。レンガ棟は、ルネッサンス様式を取り入れた明治期洋風建築の代表作のひとつで、東京都の歴史的建造物に指定されている貴重な建物なんです。
▲レンガ棟1階の3つの部屋
「国際子ども図書館」という名前通り、館内にはありとあらゆる児童書が所蔵されており、その一部が一般公開されています。子どもと一口に言っても、高校生くらいまでを対象にしているようですが、大人でも楽しめる部屋もたくさんありました!
館内は明治と現代が混在!
外観だけでなく、館内もとてもレトロで素敵な雰囲気。細部まで細かな装飾が施されており、ずっと見ていても飽きない美しさです。奥に見えるのは、明治から今に至るまでの児童書の流れを追うことのできる「児童書ギャラリー」。
「児童書ギャラリー」は、帝国図書館時代に特別閲覧室として使用されていた部屋でした。その名残として、書庫から資料を搬送するためだけに設置された「本のエレベーター」という貴重な文化財も残っています。
さっきのレトロな廊下から窓側の廊下に移動すると、光景が一変します。窓際の廊下は、かなり現代的な造りで、ひとつの建物の中でこんなにテイストが違うのかとびっくり!
レンガ棟3階にある「ホール」
帝国図書館時代に使われていた用品や図書館の歴史などを紹介している「ホール」は、天井が高く、まるで教会やチャペルのような雰囲気です!実際にここでは音楽会なども開催されているそうです。
ホールの天井を見上げると、とってもおしゃれなライトがありました。
今は膨大な蔵書をオンラインで管理していますが、インターネットがない時代は、書名や著者名といった書誌情報などを目録カードというものに記載して管理していました。そのカードを保管していたのが、この「目録カードボックス」と呼ばれるもので、実際に旧帝国図書館で1912年から1940年まで実際に使われていたものが展示されていました。
ガラス張りの張り出し窓の部分からは、歴史的建造物の外壁を近くで見られます。外壁に飾られているレリーフ彫刻(メダリオン)には触れることもできますよ!
タイムスリップしたかのような「大階段」
レンガ棟は3階建てなのでエレベーターもありますが、階を移動する際はぜひ「大階段」を利用してみてください!レトロな雰囲気にどっぷり浸かることができますよ。“コツコツ”と他人が階段を上り下りする音も、雰囲気を引き立てる効果音です。
1階から3階までが吹き抜けの大きな階段なので、下から見上げたり、上から見下ろしたりして自分のお気に入りの光景を探してみてください。
年季の入っている細かなデザインの階段手すりは、100年以上前の創建当時から使い続けられているものなんだとか。
レンガ棟と対照的な「アーチ棟」
アーチ棟は、見学施設ではなく本格的な研究・学習施設です。2階にある「児童書研究資料室」の資料を利用するには利用者カードの作成が必要なので、ふらっと立ち寄ることはできません。
利用者カードを持っていなかったので、アーチ棟の外観を楽しむことにしました。
アーチ棟の外観も特徴的で、全面ガラス張りで、美しい曲線を描いています。緩やかに弧を描くデザインは、本をめくるようなイメージで設計されたそうです。レンガ棟とは正反対の現代的な造りになっています。
以上、「国際子ども図書館」をご紹介しました。
貴重な蔵書も多く、部屋の中は基本的に撮影が禁止されていました。そのため図書館としての機能をなかなか伝えることができませんでしたが、子どもだけでなく、大人も楽しんで学べる素晴らしい蔵書も多かったので、ぜひ足を運んでチェックしてみてください!