【台湾】台南観光のヒントに、無料で内部見学できる日本統治時代の建築10選


日本統治時代に築かれた近代建物群を観光資源にすべく力を注ぐ台南市政府。戦火の被害や老朽化で朽ちていた建物はみごと修復され再生されています。内部は博物館や展示会場として一般公開されており、その殆どはなんと入場無料で見学できちゃうんです! 太っ腹!

そこで今回は、無料で見学可能な10の施設をご紹介いたします。




1. 台南州知事官邸

皇族が台南に巡視した際の宿泊所としても使用されていました。


現在はカフェ、ショップが入っており、2Fにはかつての知事の執務室が再現されています。






2. 台南庁長官官邸

台南地区最高行政長官のオフィス兼住居として建てられました。


南側にあった和式部分(居住用)は1998年の火事により消失、残った北側の西洋式部分(オフィス用)が一般公開されています。






3. 台南公会堂

台湾初の公共集会の機能を持つ現代建築物。


現在も市民のイベントや集会所として利用されています。






4. 台南測候所

1998年まではこの建物で気象観測が行われていました。塔部分にある風力計は今も現役です。


同時期に建設された測候所は日本国内のものも含めほとんど取り壊されている中、建設当初の姿で保存されているのはとても希少です。






5. 台南州庁舎

爆撃に遭い壊滅状態になったものの戦後見事に修復されました。


現在は国立台湾文学館になっており、文学のカテゴリー別に歴史や本が紹介されています。建物のオリジナルの基礎部分やおもりによって軽い力で開閉操作が可能な上げ下げ窓なども展示されています。






6. 台南山林事務所

台南の山林を管理する為に設立された山林事務所。


現在は葉石涛文学記念館になっています。葉石涛氏は台南出身、日本語と中国語の2か国語で小説が書ける作家として注目された方です。






7. 台南愛国婦人会館

戦時中に日本で発足された愛国婦人会の台南支部事務所。


現在は「文創plus-台南創意中心」として、創作活動の支援や、展示会の会場として使用されています。






8. 台南地方法院

一番大規模で、一番見応えがある施設ではないでしょうか。明治時代の建築スタイル、木造と煉瓦造りの西洋建築が顕著に見られます。


建物の骨格がよくわかるよう窓や梁は剥き出しにしてあったり、建物の構造が見える化されて展示されているのがとても興味深い。


現在は台湾司法博物館として、疑似法廷や留置所、金庫室のような資料保管室などが公開されており、楽しく学びながら見学を進めることができます。第四法廷は実際ドラマの撮影でも使われたそうです。






9. 台南放送局

台北にある二二八紀念館(旧NHK台北支局)と同時期に建てられたラジオ局の1つ。


現在は南門映画書院として、映画をテーマにした資料館、たまに上映なども行われています。


2Fにある畳部屋の天井には日本語が書かれた建材が。これは品質、信用、他社に絶対負けない建材であるという『メーカー保証』のしるし。右端の板には職人が寸法を計算した痕跡が書き残っています。






10. 台湾総督府専売局台南出張所

台鉄台南駅からすぐの所にあるのは専売局事務所跡。


現在は「台南文化創意産業園区」として、アート展示やイベントを行うスペースとなっています。


夢幻蜜拉DREAMY MIRACLEというお店では、フルーツスイーツが楽しめますよ。





木造×煉瓦造りの融合と職人の技術が光る建造物に、そしてその価値を認め、現在に、未来に残していこうという台湾政府の取組に深く感動しました。現在修復中でこれから公開が始まるであろう物件もいくつかあるようです。多くの史蹟が残る台南の街。史蹟めぐりのヒント、テーマとして『日本統治時代の建築巡り』はいかがですか?