まるで地獄! トルクメニスタンの砂漠の果てにある絶景

日本人のほとんどが行ったことがないという国、トルクメニスタン。
最近まで鎖国的な政策をとっていたため、「中央アジアの北朝鮮」とも呼ばれている国。
「タイミングと運が良ければ入国できる」といっても過言ではないです。

今回はそんな辺境の地にある絶景をご紹介します。



その名は「地獄の門」。圧巻の絶景。

真っ暗な砂漠を月明かりと星空の下、地平線の先まで何回も進み続けること1~2時間。
オレンジ色にゴウゴウと燃え上がる、直径50メートル以上の大穴。
まるでこの世の景色とは思えない、衝撃の景色が突然現れた。


ぶわっと飛んでくる熱風。
生物がほとんどいない無音の砂漠の真ん中で、ゴーーーッと鳴り響く炎の音。
大興奮で思わず出てきた叫び声に近い「やばーーーい!!!」も、舞い上がる炎の音で見事にかき消される。

その景色はその名の通り、まるで「地獄」の入り口。


柵などが特にないので、本当にぎりぎりまで立つことができる。



どうして砂漠の真ん中に「地獄の門」が?

1970年代、地下にある天然ガスの調査をしていたときに土地の陥没が起き、大きなクレーターができてしまいました。
「漏れ続けるガスによる事故を防ぐため、ガスを燃やし尽くしてしまおう!」とクレーターに火をつけたものの、それ以降なんと約50年もの間、大穴の中では延々とガスが燃え続けているんです。(当時は数週間の予測だったそうな・・・。)



アクセス・ビザ

1.隣国から行く場合

アクセスは、隣国から列車や車で国境の町まで行き、国境を越えてダルヴァザにある地獄の門の手前までタクシーで移動します。

この場合、必要なビザは「トランジットビザ(5日間だけ滞在可)」。
キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、イラン等の隣国で入手可能(事前に日本で申請は不可)。

トランジットビザは「観光目的じゃなくて他の国に行くためにちょっと通らしてくださいね」という意味のビザなので、観光地がある場所はあまり申請書に書かないほうがいいです。
そして実際に他の国に抜ける必要があります(多いのはウズベキスタン⇆イラン、ウズベキスタン→アゼルバイジャン)。

申請から受取まで時間が必要なのですが(約1週間~それ以上)、幸い別の国のトルクメニスタン大使館で受け取ることができるので、隣国で観光しながら待つことができます。

そのときによって方法や状況が変わることもあるので、訪れる際になるべく最新の情報を調べてください。



2.日本から行く場合

「観光ビザ」は個人では取得が困難なため、自力で行く場合は「トランジットビザ」が主になる一方で、日本から行く場合は、旅行代理店からツアーに参加する方法になり、楽に観光ビザを取得することができます。

お金はかかりますが、自力で行くよりよっぽど簡単。
日本からの時差も4時間で、一週間程度あれば行くことが可能です(隣国もセットで観光できるツアーも多いです)。
また、地獄の門まで車でいけたり、地獄の門の前でテント泊ができたり、魅力的な点もあり!



注意点

1.飲み物と食べ物の準備を

地獄の門へは夜の到着に合わせて、砂漠の手前にある道路沿いのチャイハナ(茶店という意味、本当に簡易な小屋(休憩所的な))から出発します。

空港や国境からまずはそこへ向かうのですが、それまでに飲み物(液体は日中暑くなるため水推奨)や食べ物を十分に用意しておいてください。着いてしまうと基本的に周りには砂漠のみ。何もありません。



2.足元の装備に注意!

砂漠は砂の大地を進むイメージかもしれませんが、意外と植物がたくさん。それも砂漠の過酷な環境の中で生き抜いているだけあって、なかなかご立派なチクチク尖り具合。笑
分厚い靴下としっかりしたスニーカーは必須アイテムです!


それでも帰ってきたころには靴下がトゲまみれになっていて、その地でごみ箱行きとなりました。間違っても絶対サンダルでは行かないように!



3.極力複数人で!

地獄の門への行き方はなんともアバウト。
特に看板や目印もなく、オフラインでもGPSが使える「Maps.me」という地図アプリで「地獄の門」にピンを打って地図を頼りに向かいます。

ただ、私の場合は3人で行ったのですが、なんと一人しかGPSが反応しませんでした!
行きも帰りもGPS次第。砂漠を進むと360度同じ景色。方向感覚も失います。
遭難しないようにできれば3人以上で行って欲しいと思います。



筆者が思わず感動したもの

夕暮れあたりにチャイハナを出て歩き始めるのですが、辺りには生物なんてほぼ皆無に近く、記憶にある限り人生初めての「完全なる無音」を経験しました。

歩き進めている間は自分の砂を踏む足音のみ。
風もないときには、自分の足を止めると全く音が聞こえないシーンとした世界。
景色も音も全く動きがないので、時間が止まったような感覚でした。

その中でみる夕暮れは感動的なもので、二度と忘れないような綺麗な景色でした。



日中の気温は40度超。水は暑すぎて勝手にホット。
チャイハナでは人生ぶっちぎり一位の多さのハエと共に一日過ごしました。笑

ここに辿り着くまでは本当に大変なことばかりでしたが、その先で得られた景色や経験は、決して一ミリの後悔もないものでした。

皆さんも是非チャンスがあったら、訪れてみてください!!