6年のリニューアルが完了した「琵琶湖博物館」 体感型の展示が多くて子どもも大人も楽しめる!
“湖と人間”をテーマに1996年、琵琶湖のほとりにオープンした「滋賀県立琵琶湖博物館(以下:琵琶湖博物館)」。そんな琵琶湖博物館が、3期6年にもわたる大規模なリニューアルを終え、2020年10月10日(土)にグランドオープンしました!
編集部はリニューアルを経て、生まれ変わった琵琶湖博物館に早速行ってきました!
※2020年10月現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、琵琶湖博物館は事前予約制となっています。公式サイトから事前予約して、訪れるようにしましょう。
リニューアルが完了した「琵琶湖博物館」
リニューアル後の琵琶湖博物館は、ただ資料を見るだけの少し退屈な博物館とは大違い!
触ったり考えたりしながら楽しめる体感型の展示やフォトスポットなどが数多くあり、子どもも大人も楽しめる博物館でした。
それでは早速、今期リニューアルが完了した「A展示室」と「B展示室」を見ていきましょう!
琵琶湖400万年の歴史を学べる「A展示室」
日本唯一の古代湖で400万年もの歴史を持つ「琵琶湖」。そんな琵琶湖の環境の移り変わりを「大地」・「気候」・「生物」という3つの側面から学べるのがA展示室です。
400万年前から現在までの琵琶湖の場所の変遷を映像で学ぶことができるコーナー。
今は日本最大の大きさを誇る琵琶湖ですが、初めはとても小さな湖で、しかも場所も滋賀ではなく三重にあったという歴史にびっくり!
映像に合わせて床に広がる地図にも琵琶湖の位置が浮かび上がります。
A展示室の中で圧倒的な存在感を放っているのが、高さ約4mの巨大なツダンスキーゾウの半身半骨展示!その存在感と精密さに目が釘付けになってしまいました。ここまで精密に作られたものは世界初なのだそう。
琵琶湖の歴史とゾウって関係あるの...?と不思議に思いませんか? 実はその昔、琵琶湖周辺にはツダンスキーゾウに近い「ミエゾウ」というゾウがいたのだとか。日本にもゾウが生息していたんですね。
さまざまな生物の化石も多く展示されており、中には触ることのできる化石も。
展示室の中央の足元には足跡化石が!ガラス張りになっているので足跡化石の上を歩くことができます。ゾウの足と自分の足の大きさを比べてみて。
こちらは、昔の琵琶湖とその周辺に堆積した地層が展示されているコーナー。地層コレクション自体も興味深いですが、地層を額縁に入れて飾っている展示方法も注目ポイント!
美術品のようにしてオシャレに展示することで少しでも足を止めて見て欲しいという学芸員さんの思いが込められています。琵琶湖博物館の学芸員さんの柔軟な発想を感じられる展示です。
人間の自然との付き合い方の歴史を学べる「B展示室」
琵琶湖周辺の「森」「水辺」「湖」「里」という4つの場所を舞台に、人間の自然との付き合い方の歴史を学べるのがB展示室です。琵琶湖周辺の遺跡から出土した貴重な木器の展示から、AR(拡張現実)技術を使った最新の展示までさまざまな展示を楽しめます。
展示室入ってすぐ、約1,300本ものペットボトルで作られた龍のオブジェがお出迎えしてくれます。龍は自然のシンボルという意味が込められているのだそう。
最新の研究を基に、滋賀県の縄文時代の生活がリアルに復元されています。
杉の木を縄文時代の道具で伐採している気分になれるフォトスポットがありました。
斧を持って撮影したら縄文時代にタイムスリップしたかのような写真を撮れます。撮影のポイントは木の横に座っている男の人もいれて撮影すること!
着替えたり帽子を被ったりして、縄文人や作業員になりきって写真を撮ることができるコーナーも。
湖ゾーンには、主に江戸時代に琵琶湖で活躍した木造の輸送船「丸子船」の実物が展示されていました。さしわたし10mはある大型展示で、B展示室の見所のひとつです。
この展示室に置かれた丸子船が、なんとAR(拡張現実)技術で動き出します!
タブレット端末をかざすと、床はたちまち湖になり、丸子船は巨大な帆を立てて湖の上を走り出します。ダイナミックな映像なので、ぜひ体験してみてください。
過去にリニューアルしたエリアも必見!
第1期(2016年)と第2期(2018年)にリニューアルした「水族展示室」「C展示室」なども面白い展示が盛りだくさんだったので、一部ご紹介!
・水族展示室
博物館内にある水族館とは思えないほど、充実した展示を誇る「水族展示室」。淡水生物の展示としては国内最大級です!
自分も水槽の中に入ったかのような気分になれるトンネル状の大型水槽は、あまりの美しさに時間を忘れて見惚れてしまいますよ。
ふれあい体験室では、タッチプールなどで魚やザリガニと触れ合うことができます。タッチ プールは多くの水族館で見かけますが、普通の水槽に手を入れて泳いでいる魚に触れることができるのは琵琶湖博物館ならでは!珍しい体験でした。
展示室内に「魚滋」という魚屋さんのようなものを発見!
本当の魚屋ではなく、琵琶湖で獲れた魚介類が古くから地域住民の食を支えてきたという食文化の歴史や、琵琶湖の魚を使った「鮒寿司」などの郷土料理を伝えるコーナーでした。
・C展示室
琵琶湖周辺の自然と人々の生活のつながりが、さまざまな形でわかりやすく展示されているのがC展示室です。森や川のジオラマがとてもリアルで、中には日本で一番小さなネズミ、カヤネズミなどの生態の展示もあります。
今から50年以上前の滋賀県内の農村の暮らしを再現しているコーナーは、本物の家を移築されたもので、タイムスリップしたかのような気分になれるほど精密に作り込まれていました。
・樹冠トレイル
森や木の様子を上から観察できる空中遊歩道「樹冠トレイル」。琵琶湖に向かって一直線に伸びている遊歩道は、見晴らし抜群の絶景スポットです。
展望台からは琵琶湖の南湖を一望することができます。「さすが琵琶湖は広いな〜」なんて思っていたら、樹冠トレイルから見える南湖は琵琶湖全体の10分の1以下しかないというのだから驚きです。
オリジナルメニューが豊富なレストラン
展示室ではないですが、「ミュージアムレストラン にほのうみ」も第2期にリニューアルしました。開放感抜群のレストランでは、素晴らしい景色を眺めながら琵琶湖博物館のオリジナルメニューを楽しむことができます。
▲ びわ湖カレー(税込 1,120円)
ご飯が琵琶湖の形をしている、味だけでなく見た目でも楽しめる「びわ湖カレー」。琵琶湖に生息する固有種「ビワコオオナマズ」のイラストが書かれた旗が刺さっているのも可愛らしいです。
▲ びわ湖の龍のパンケーキ(税込 580円 ドリンクセット 780円)
第3期のリニューアルを記念して新たなメニューとして作られたのが「びわ湖の龍のパンケーキ」。ほんのり甘めのパンケーキと甘酸っぱいベリー、濃厚ながらもさっぱりとした甘さのバニラアイスの相性は最高です!
6年にもわたる大規模リニューアルが完了した「琵琶湖博物館」は、多彩な展示を五感で楽しめる素晴らしい博物館でした!ぜひ足を運んでみてください。