【富山】断崖絶壁の絶景!黒部峡谷・下ノ廊下で期間限定の秘境トレッキング

こんにちは、SAORIGRAPHです。
突然ですが皆さんは「期間限定」という言葉に弱いですか?

わたくしは滅法弱いです。

飲食店のメニューで「期間限定」と書かれていればそれを注文しますし、旅先で「期間限定」でしか見られない景色があるのなら何としても見に行きます。今回はまさに「期間限定」でしか歩くことの出来ない、絶景トレッキングコース「下ノ廊下」をご紹介します!


通行できるのは1年間のうち1~2ヶ月だけ!その理由とは?

今回ご紹介するのは富山県・黒部峡谷にある「下ノ廊下」というコース。黒部峡谷は日本三大渓谷にも指定されている渓谷で、更にその黒部峡谷の中でも秘境とされている「下ノ廊下」は断崖絶壁の登山道なのです。

「下ノ廊下」は黒部峡谷沿いに水力発電所の建設の為に作られた歩道。仙人谷ダムから黒部ダムまでの黒部川上流沿いに約16.6kmにわたって延びています。ちなみに仙人谷から富山県黒部市の欅平まで約13kmにわたって延びている歩道は水平歩道といい、下ノ廊下と水平歩道を合わせた約30kmの道のりを歩くことが出来ます。

右側に迫っているのが9月下旬の残雪の壁。ものすごい量です。

日本有数の豪雪地帯でもある黒部峡谷。初夏になってある程度残雪が消え始めてから歩道の整備が開始される為、開通するのは例年9月下旬頃となります。また、11月になると凍結や積雪が始まる為通行が不可に。つまり、通行できるのは1年のうち秋の1~2ヶ月だけとなる訳です。

その年の残雪や整備の状況により通行可能期間が異なる為、必ず情報を確認しましょう。



スリル満点すぎるトレッキングコース!油断は大敵!

下ノ廊下の特徴はスリル満点すぎるところ。まず、道路幅は最狭部で50~60cmしかありません。(実際は上の写真のように30cmあるかどうか、な岩場を歩く場所もあります・・・)その上、道から谷底まで100m以上落ち込んでいる箇所も多々あり、気を抜くと冗談抜きで転落します。

転落防止の為の柵などは勿論なく、あるのは山側に手すり代わりに張られたワイヤー。(これがあるのと無いのだと全然気持ちが違うので、整備して下さっている方々には感謝です)

また、危険箇所を迂回する為に十数mを上下する木の梯子(ほぼ垂直)があったり。
(下を見ると川に吸い込まれそうで足がすくみます)

滝まみれで最早滑り落ちる可能性しか見えない道があったり。
(カメラのレンズも水飛沫で濡れてます)

丸太を数本括って渡しただけの桟道があったり。丸太の隙間から下を流れる黒部川が見えて結構怖いです。

このような感じで終始気の抜けないコースとなっております。わたくしはしっかり山岳保険に入り、また頭部を守る為にヘルメットも購入して臨みました。備えあれば憂いなし。万が一の時も被害を最小限に留めるようにしっかり準備をしていきましょう。



スリルだけではない。関西電力の施設すらトレッキングコースに!?

コース終盤にはなんと、関西電力のダム管理施設の中を進む場所があります。

「え、ここ、入っていいんですか?」
と一瞬怯みますが、ご心配なく。きちんと登山者用の通路として案内板も出ておりますので堂々と中に入りましょう!

なんだかちょっとワクワクしますね!この先に温泉があるからなのか、この辺りは少々硫黄臭いです。



断崖絶壁の絶景!スケール違いの秘境がここに!

S字峡。川面からの高さは100m超え!

下ノ廊下には景勝地があり、歩くだけでなくその景色も楽しむ事が出来ます。

あ、でも歩きながらよそ見はしないでね。

落ちるから。マジで落ちるから。
上の写真のS字峡はSの字のように両側に岩壁が複雑に入り組んでいます。

こんな感じでS字峡のところは少しスペースがあるのでゆっくり見る事ができますよ!

剱沢と棒小屋沢がほぼ同じ位置で合流し、黒部川本流と合わせて十字を形作っている十字峡。

他にも十字峡と呼ばれる、ふたつの沢と黒部川が合流し十字を形作っている場所も景勝地として有名です。十字峡は吊り橋の上から見ることが出来ます。

この写真には1名登山者が写っています。どこだか分かりますか?

景勝地でなくともなかなかインパクトのある光景が目白押しなので、歩いていてとても楽しいです。また、わたくしが訪れたのは9月下旬でしたが、10月中旬頃には紅葉が見頃となり、それはそれは美しい風景を楽しむことができます。わたくしももう一度行くなら紅葉の時期、と決めております。



宿泊は「阿曽原温泉小屋」。開放的な温泉で疲れを癒そう!

下ノ廊下を過ぎ、水平歩道を2km程進んだところにある「阿曽原温泉小屋」で宿泊することができます。登山シーズンのみ営業しており、小屋宿泊者は無料で露天温泉に入浴が可能。またテントを張る場所もあり(1人700円)、テント泊やただ通過するだけの方も500円払えば温泉に入る事ができます。

温泉は小屋から5~10分下ったところにあるコンクリート造りの露天風呂のみ。お風呂はひとつしか無いので、時間を区切り男女交代で入ります。(時間に関しては小屋に掲示してあります)更衣室等はございません。ひたすらに開放的な露天風呂です!ここに入ってトレッキングで疲れた筋肉を癒しましょう。


いかがでしたか?
「期間限定」「絶景」「秘境」「温泉」と、なかなか冒険心をくすぐるワード満載のトレッキングコース、下ノ廊下。安全を心掛けて行けば、必ず素晴らしい景色を見る事が出来るおススメの場所です。是非今年の秋にチャレンジしてみて下さい!

以上、SAORIGRAPHでした。