佐賀をめぐる旅路 ~天然記念物・七ツ釜編~

玄界灘の荒波が作り出したアート・七ツ釜へGo!

佐賀県の北端・東松浦半島は素晴らしい景観の宝庫!
そんな東松浦半島で一番の景観といえば、国指定天然記念物・七ツ釜。神が創造したかのような海蝕岩は、まさに石棺の如く、神秘的なムードをムンムン漂わせている。



七ツ釜へのアプローチ① 遊覧船

七ツ釜を海から眺めたいなら、呼子港(マリンパル呼子)や七ツ釜の真上に整備されている遊歩道(駐車場近く)から遊覧船が出航している。

マリンパル呼子(下の写真)から出航する遊覧船は、イカの姿を模したイカした「イカ丸(上の写真)」。

七ツ釜遊覧船・イカ丸は、その風貌とは裏腹に、かなりの速度であっという間に港から玄界灘の海原へ飛び出してゆく。

初めは潮風が涼やかで爽やかな気持ちでいたが、次第にイカ丸のスピードが上がり、外海へ漕ぎ出すと、吹きすぎる風が良い感じに潮を飛び散らせ、髪もゴワゴワ。顔もすっかり塩っ辛くなってしまった(涙)

まぁ仕方ないよね!
海だもの。海に来て濡れたくないなんて、ガチ旅の名が廃る!という事もあって、終始やせ我慢で涼しい顔して潮風を受け続けてやったぜ!



出航から15分程で七ツ釜に到着!
底まで見える水色の海と、真っ青な空。その真ん中に黒々と在り続けるのが、七ツ釜だ。

神の住む七つの釜。実際は7つ以上あるという小ネタはさておいて、イカ丸は果敢に窯の中でも特に大きな窯に入りこんでいく!

かなり迫力あるぞ~!

七ツ釜の迫力だけでなく、航海中に見ることができるリアス式海岸の絶壁をはじめ、玄武岩の柱状節理も、なかなか見もの。

ちなみに先程から写真に写り込んでいるのはイカ丸の体の一部。吸盤だったり、すらりとしたゲソ美脚だったり、避けて撮影もできるけど、せっかくだからイカ丸に「乗ってる感」を出してみたのです☆




七ツ釜へのアプローチ② 遊歩道

七ツ釜を陸から巡りたいなら、玄海国定公園の一部として整備された、駐車場完備の七ツ釜遊歩道を歩こう。
ピクニックに最適な芝生園地や、危険な絶壁として有名な福井の「東尋坊」も真っ青になるような断崖の景色を楽しめる。

芝生園地には、玄界灘を見守る乙姫大明神の像が。

一瞬、唐津の鏡山で見た佐用姫がフラッシュバックしたが、彼女ほどは恐ろしくなかった。


東尋坊は人がたくさんいるから落ちても誰かしら気付いてくれそうだけど、七ツ釜のあたりの絶壁ときたら、ほとんど人影もなく、孤独への恐怖心がひしひしと首をもたげてくる。

やっと一人、見知らぬ旅人が姿を現すも、相手がもしアブナイ人だったりして、突き飛ばされたらひとたまりもない! そんな変な疑心暗鬼になって、少なからず距離を置いたりした。かの人も同じなのか、そそくさと遠ざかっていった。


「ガチ旅」のスローガンは時に足かせになる。
ホントはこんな怖ぇえことしたくないのに、ブログやらittaに、少しでもガチな、迫力のある絶壁を載せたい!
あどけない勇気をふりしぼって、ゴツゴツの岩肌に、腹這いに這いつくばって撮ったのが、下の一枚。

あんな怖い思いしたのに、意外に怖さが伝わりにくい・・・

遊歩道には絶壁以外にも、神功皇后の伝説が伝わる「土器(かわらけ)崎神社」や捕鯨の様子を伝える「小川島鯨鯢合戦記念碑」といった、自然の景観の中でもがく人間の歴史も刻まれている。

イカ丸が入ってきた。船の人々が「歩いても行けるんだなぁ~」といった様子でこちらを見ていたので、手を振ってみたら、振り返してくれた♪




海の綺麗な玄海国定公園・七ツ釜へ行ってみよう!

東松浦半島はとにかく海が透明でキレイ! ちょっとした深度の違いで緑がかったり、濃い蒼になったり。
七ツ釜も遊覧船と遊歩道とでは、またガラリと海の印象が変わるので、行くなら両方楽しもう!
他にも、呼子港で元旦以外は毎日開催される日本三大朝市・呼子朝市や、半島最北端で恋人の聖地・波戸岬、秀吉の野望・名護屋城跡などなど、近隣には見所がたくさん。

今度来たら、海の近くの宿に泊まりたいなぁ。